在宅ワークに必要なおすすめスキル15選と習得方法【リモートワークに役立つ】

在宅ワークに必要な15のスキルを紹介。経営層・管理層向けと、スタッフ層向けに分けて解説。パソコンスキルやコミュニケーション能力など基本スキルから、Webライティングやプログラミングなど専門スキルまで網羅しています。

企業による出社回帰が進んでいます。たとえば2024年12月には、LINEヤフーが出社日に関する制度を改訂することを発表。これまで国内であれば居住地問わず働けるフルリモートを謳っていましたが、2025年4月からは原則週1日~月1日の出社日を設けることになるとのこと。

もっとも出社回帰に転じた企業が「完全に在宅勤務を廃止した」とは限りません。つまり出社時にはオフィスでしかできない仕事をし、在宅勤務ではリモートワークに適した業務に集中するという切り替えがこれまで以上に重要でもあると言えるでしょう。 ではそもそも在宅ワークに必要なスキルとは何でしょうか。改めて出社回帰が続く今だからこそ、振り返ってみましょう。
 
 

そもそも在宅ワークで必要なスキルってどんなもの?

結論から言えば在宅ワークで求められるスキルは、スタッフ層と経営者層・管理者層で異なります。
 
 (28855)
スタッフ層であれば、いわゆるテクニカルスキルが重要です。たとえば「ライティングスキル」「動画編集スキル」など具体的な技術力や専門スキルが求められがちです。
一方で意思決定層であればコンセプチュアルスキルが最重要で、なおかつそれらをテレワークの環境下でも他の人に浸透させることができるコミュニケーションスキル、ヒューマンスキルが重要です。
 
 (28858)

「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」とは具体的にどのようなものか、内訳は上の図の通りです。一方でヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルは「ある程度の先天性」があるのも事実。またテクニカルスキルは身に付けるのに時間を要するものでもあります。よって特にスタッフ層の場合、これらのスキル以上に他の人に伝わりやすい「行動・態度」を示すことも大切です。

経営層・管理層の場合

経営者層と管理者層に求められるのは、ヒューマンスキルのほか、コンセプチュアルスキル。コンセプチュアルスキルは組織全体や部門全体を俯瞰し、戦略や方針を立てる能力。テレワーク時代では、従業員や顧客との距離が離れるため、ビジョンや目標を明確に伝えることが重要です。また、変化に対応し、イノベーションを起こすことも求められます。
 
 

スタッフ層の場合

スタッフ層に重要なスキル「テクニカルスキル」は自分の専門分野や業務内容に関する知識や技能。オンラインで仕事をする場合、自分の仕事の質や速度を高めるためには、テクニカルスキルを磨くことが大切。

また、オンラインでのコミュニケーションは、オフラインとは違う特徴や課題があります。例えば、表情や声のトーンなどの非言語的な情報が伝わりにくい、相手の反応や感情が読み取りにくい、時間差や距離感が生じるなど。そのため、ヒューマンスキル、つまりコミュニケーションスキルも重要となります。
 
 

在宅ワークに最低限求められる必要なスキル5選

スタッフ層と経営者層・管理者層で異なるスキルがありますが、在宅ワークには共通して必要なスキルもあります。ここでは、在宅ワークに最低限求められる必須スキル5選を紹介します。
 
 

【1】パソコンスキル

在宅ワークにおいて、パソコンスキルは最も基本的かつ重要なスキルです。
 
 (28874)
パソコンスキルはMicrosoft Officeなどの基本的なオフィスソフトの操作やインターネットでの情報検索など、幅広い能力が含まれます。
特に、在宅ワークではオンラインでのコミュニケーションが主となるため、ビデオ会議ツールやチャットアプリの操作にも慣れておく必要があります。また、クラウドサービスを利用したファイル共有やプロジェクト管理ツールの使用方法も理解しておくと良いでしょう。
 
 

【2】コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは実は更に4つのスキルに分類できます。
 
 (28881)

「意思伝達力」「論理的表現力」「好感表現力」「対人調和力」の総合スキルがコミュニケーションスキルです。なおかつテレワーク時代ではこれらのコミュニケーションスキルを遠隔で発揮することも求められます。

テレワークにおいて「コミュニケーションスキルが重要」というのは言葉にすると簡単ですが、このように実は総合力を求められるものでもあり、簡単なことではありません。

しかしテレワークで円滑なコミュニケーションができないと業務に支障が出るため、コミュニケーションスキルはやはり最重要項目の1つ。ちなみに近年はコミュニケーションスキルに特化した研修プログラムや「ビジネスゲーム」も増えています。

ビジネスゲームのアイデアは以下の記事でご紹介しています。
コミュニケーションスキル研修に使えるゲーム6選:短時間から長時間のものまで -

コミュニケーションスキル研修に使えるゲーム6選:短時間から長時間のものまで -

コミュニケーションスキル研修に使えるゲーム6選:短時間から長時間のものまで -

コミュニケーションスキルは、ビジネスで必要不可欠な能力。しかし、コミュニケーションスキルを身につけるのは簡単ではありません。そこでおすすめなのが、コミュニケーションスキル研修です。社員が楽しみながらコミュニケーション能力を身につけられるゲームをご紹介します。

【3】自己管理能力(セルフマネジメント)

在宅ワークでは、自身の業務を自律的に管理する能力が不可欠です。具体的には、時間管理、タスク管理、健康管理などが含まれます。オフィスと異なり、周囲からの影響を受けにくい環境では、自ら規律ある生活リズムを確立し、効率的に業務を進める必要があります。
特に重要なのが、仕事とプライベートの切り分け。在宅勤務では両者の境界が曖昧になりやすいため、明確なルールを設定し、適切なワークライフバランスを保つことが求められます。
 
 

【4】問題解決能力

在宅ワーク環境では、突発的な問題が発生した際に、すぐに同僚や上司に相談することが難しい場合があります。そのため、自身で問題を特定し、解決策を見出す能力が重要になります。
 
 (28891)
これには、論理的思考力やクリティカルシンキング、情報収集能力なども含まれます。また、解決が困難な問題に直面した際には、適切なタイミングで援助を求める判断力も必要です。
 
 

【5】ビジネスマナー

在宅ワークにおいても、ビジネスマナーは依然として重要なスキルです。
 
 (28898)
たとえばビデオ会議での適切な服装や背景設定、マイクのミュート管理、画面共有時の個人情報への配慮などが含まれます。また、メールやチャットでのビジネスライクな文章作成、応答時間への配慮なども重要です。
これらのマナーを身につけることで、リモート環境下でも信頼関係を構築し、スムーズに業務を進めることができます。
 
 

【経営層・管理層向け】在宅ワークに必要なスキル4選

経営者層・管理者層は、テレワーク時代に特にコミュニケーションスキルを高める必要があります。ここでは、テレワーク時代に特に求められるコミュニケーションのあり方について紹介します。
 
 (28905)

【6】KPI・ゴールの共有

経営層・管理層にとって、KPI(重要業績評価指標)とゴールの共有は在宅ワーク環境下で特に重要なスキルです。オフィス勤務に比べ、リモートワークではKPIやゴールの認識ズレが生じがち。リモートで働くチームメンバーが同じ方向を向いて業務に取り組むためには、明確な目標設定と、その進捗を測定する指標の共有が不可欠です。
たとえば定期的に進捗を確認し、必要に応じて目標や戦略を調整したりしましょう。たとえば「1時間に○本営業電話をかける」「見込み顧客のリストを3時間以内にまとめる」など、具体的な数字に落とし込むとより共有しやすくなるでしょう。

KPIとゴールの共有を効果的に行うことで、チームメンバーの自主性を促し、同時に全体の方向性を保つことができます。
 
 

【7】従業員のやる気を引き出す「エンパワーメント」

従業員のやる気を引き出すためには、経営者層・管理者層が「エンパワーメント」というコミュニケーションのあり方を取ることが重要です。
 
 (28913)

エンパワーメントとは、従業員に自主性や責任感を持たせ、自分の力で仕事を遂行させること。「マイクロマネジメント」の真逆で、権限を部下に委譲して不確実性の高いKPIや目標を「組織的」かつ「自律的」に処理します。

なお、「エンパワーメント」については以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
従業員のやる気を「エンパワーメント」によって引き出すには?組織・人の能力の高め方 -

従業員のやる気を「エンパワーメント」によって引き出すには?組織・人の能力の高め方 -

従業員のやる気を「エンパワーメント」によって引き出すには?組織・人の能力の高め方 -

従業員のやる気は、組織の成果や人材の育成に大きく影響します。そのやる気を引き出すために重要なのが、「エンパワーメント」という考え方です。この記事では、その重要性と、実際に「エンパワーメント」の活かし方をご紹介します。

【8】進捗を可視化してフォローアップする「マネジメント」

テレワーク時は在宅環境に慣れない、社員の自己管理能力が低い、パソコンスキルが不足するなどの理由で従業員の仕事の質や速度が低下することも。そうした「サボリ」が発生しないような状況づくりをすることも経営者層・管理者層の仕事のひとつ。
とはいえ、あまりに監視が強すぎると従業員のモチベーションを削いでしまうことになるのでバランスが大切です。

テレワークのサボリを防ぐアイデアについては以下の記事で解説しています。
【完全ガイド】テレワークでの社員のサボりはどう見抜く?サボりの実態や生産性の高め方 -

【完全ガイド】テレワークでの社員のサボりはどう見抜く?サボりの実態や生産性の高め方 -

【完全ガイド】テレワークでの社員のサボりはどう見抜く?サボりの実態や生産性の高め方 -

テレワークは新型コロナウイルスの影響で急速に普及しましたが、管理者としては社員の働きぶりが見えにくくなり、サボりが発生していないか不安になることもあるでしょう。では、テレワークでのサボりはどうやって見抜くことができるのでしょうか?この記事では、テレワークでのサボりの実態や原因、見抜く方法、防止する方法、生産性を高める方法などを詳しく解説します。

【9】オフィス環境、テレワーク環境の整備を行う「環境づくり」

テレワークに必要な各種機器の購入費用を補助するなどして、従業員がより良い環境でテレワークができるように働きかけることも大切です。
また従業員がテレワークをすることで、オフィスはより広く使えるようになります。ラウンジや休憩スペースを充実させるなどして、出社やハイブリッドワークを望む社員が快適に働く環境を作るのも良いでしょう。

また、コワーキングスペースやシェアオフィスの利用を社員に推奨するのも良いでしょう。以下の記事では編集部員が実際のコワーキングスペースに潜入したレポートを公開しています。
【潜入リポート!#11】会話が生まれるコワーキングスペース!Creative Lounge MOV に潜入! -

【潜入リポート!#11】会話が生まれるコワーキングスペース!Creative Lounge MOV に潜入! -

【潜入リポート!#11】会話が生まれるコワーキングスペース!Creative Lounge MOV に潜入! -

在宅百貨編集部員が、オフィスと自宅以外のさまざまなサードプレイスに潜入し、その様子をリポートします! 第11回では、渋谷ヒカリエの8Fに位置するワークラウンジ、Creatve Lounge MOV に潜入!ぜひご覧ください!

【スタッフ層向け】在宅ワークで役立つリモートワーク関連スキル6選

在宅ワークにおすすめのテクニカルスキル6選について紹介します。これらのテクニカルスキルは、在宅ワークで仕事をする際に役立つだけでなく、テレワーク時代でも自分の仕事の価値や競争力を高めることができます。
 
 

【10】Webライティング

Webライティングは、依頼されたテーマやキーワードに沿って記事などを執筆する仕事です。たとえば自社サイトに掲載するブログやコラムを書く際などに役立ちます。基本的なパソコンスキルにくわえ、調査能力、分かりやすい文章を書く能力が必要となります。
なお、副業する場合、クラウドソーシングなどでは比較的低単価な仕事も多い一方、専門性を磨くことで報酬もアップも狙えます。
 
 

【11】SNSの投稿作成

SNSの投稿作成は、自社のInstagramやX(旧Twitter)などSNS用の投稿作成を行う業務。投稿する操作だけでなく、読んでもらえるような魅力的な文章を簡素にまとめる力も必要です。
なお副業とする場合、Instagramであれば、1投稿あたり数百円~千円程度が相場。経験を積み、投稿内容のアイデア出しや日常的なアカウント運用も任されるようになれば、1アカウントあたり月に数万円といった収入を目指すことも可能です。
 
 

【12】Webデザイン

Webデザインは、自社サイトやブログなどにおける全体的なデザインを設計・構築する業務。商品販売用のLP制作を依頼される場合もあります。Webデザインでは、ユーザーが操作しやすいようメニューやボタンを配置したり、サイトのコンセプトに沿った外観に仕上げたりといったスキルが求められます。
副業にする場合、報酬相場は1件あたり数万円~となっており、まとまった収入を得やすいのがメリット。
 
 

【13】プログラミング

プログラミングは自社Webサイトの構築やアプリの開発を担うためのスキル。
副業の報酬は他と比べても高めで、報酬相場は1件あたり数万円~。特定のプログラミング言語に精通したエンジニアは貴重なため、フリーランスとして月数十万円といった契約を獲得することも十分可能です。
 
 

【14】動画編集

自社が宣伝用などのYouTubeアカウントを開設し運用している場合、動画編集スキルを持っていれば編集、投稿業務を担うことができます。動画編集にはAdobe premiere ProやFinal Cut Proといった動画編集ソフトを使うのが一般的。
副業にする場合、10分程度の動画編集で1本1万円~が相場となっています。クライアントがYouTuberであれば定期的に動画編集が必要となるため、信頼を獲得することで安定した収入が得られます。
 
 

【15】語学

英語や中国語などの特定の外国語をマスターしていれば、翻訳業務を在宅で行うことが可能。日本企業の資料を英語に訳したり、海外の企業の資料を日本語に訳したりといった業務を任されます。
副業では報酬相場は1文字1円~ですが、資格や経歴によってスキルの高さを証明できれば単価アップが狙えます。
 
 

【スタッフ層向け】リモートワークでの作業の生産性をあげるには?

スタッフ層は、テレワーク時代でも作業の生産性を高めるために工夫する必要があります。ここでは、テレワーク時代でも作業の生産性を高めるための方法について紹介します。
 
 

自らのスキルを高める

テレワーク時は、自分の仕事の質や速度が評価されやすくなり、自分の仕事に対して自主性や責任感を持つ必要があります。そのため、自分の仕事の質を高めたり、仕事の価値を持たせるといったテクニカルスキルを高める必要があります。
 
 

「出社0のテレワーク」ではなくハイブリッドワークを取り入れる

出社日数を0にしてしまうと、社員同士のコミュニケーションもなくなり、孤独感を覚えやすくなってしまいます。そのため、適度に出社し、適度に在宅ワークをするハイブリッドワークの導入もおすすめ。
 
 

ワークスペースの環境を見直す

快適な環境を作り、仕事に集中しやすくするためにワークスペースの環境を見直してみましょう。自宅のテレワークスペースが集中力を欠いてしまう環境であったり仕事がしにくい場合、生産性が下がってしまうこともあります。
 
 

ITツールの積極的な活用

在宅ワークの大きなデメリットは同僚らとのコミュニケーション不足です。そのため、ビデオツールを繋ぎっぱなしにするというアイデアを採用しているテレワーク導入企業もあります。気軽にコミュニケーションが取れる上、「見られている」という意識から仕事の生産性も自然に上がります。
このようにITツールを積極的に活用することで、仕事の生産性を上げることができます。
 
 

在宅ワークやリモートワークに役立つスキルを身につけるには?

スキル習得には、計画的かつ継続的なアプローチが重要です。まずは、自身の業務に直結するスキルから優先的に学習を始めましょう。
 
 (28973)

学習方法としては、書籍やオンライン学習プラットフォームやe-ラーニング、スクールなどがおすすめです。

また、学んだスキルを実践する機会も作ってみましょう。小さなプロジェクトや日常業務の中で新しいスキルを活用し、実務経験を積み重ねることで、真のスキル定着が実現します。また、同僚との知識共有や相互学習も、効果的なスキル向上につながります。
 
 

まとめ

在宅ワークやリモートワークに必要なスキルを身につけるには、オンラインツールを活用した学習、実践的な経験の積み重ね、そして継続的な自己啓発が重要です。基本的なパソコンスキルやコミュニケーション能力の向上に加え、専門的なスキルの習得にも取り組むことで、リモートワーク環境でも高い生産性を発揮し、キャリアアップにつなげることができます。自分に合った学習方法を選び、計画的かつ継続的にスキルアップを図ることが、在宅ワークでの成功への近道となるでしょう。