【解決】「行き違い」の意味と正しい使い方、例文をコクヨ編集部が解説

働き方の多様化で在宅ワークが増えたいま、ビジネスシーンでのコミュニケーションもSlackなどチャットツールが中心の方も多いでしょう。しかし、対面ではなかったような認識の齟齬や「行き違い」が、文字のやりとりでは生まれてしまうことも。 この記事ではそんな「行き違い」のそもそもの意味や、実際の事例や解決法などをコクヨ「在宅百貨」編集部の筆者がご紹介します。

「行き違い」とは

「行き違い」は、相手に正しい意図が伝わらなかったり、逆に自分が正しい意図を受け取ることができないことから生まれる誤解のこと。 Weblio国語辞典によると、
意志がうまく通じないで、くい違いを生じること。
と記載されています。
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「行き違い」はコミュニケーションミスなどで誤解が生じること。ビジネスシーンでの「行き違い」は他の人も巻き込んだトラブルになる可能性もあるため、早めに対処することが大切です。

「行き違い」の例文

「行き違い」という言葉を使った例文は以下の通り。コミュニケーションミスなどから「打合せ日時を間違えた」「物品の発送予定日を間違えた」といった際に使うことが多い言葉です。

・チャットツールでのコミュニケーションミスからウェブ会議の日にち設定を間違え、行き違いが生じた。

・「先方との打ち合わせ日時について、部長に確認を取りましたがまだお返事をいただいていません。行き違いで確認をしていただいていたら申し訳ありませんが、至急返信お願いいたします」
 
 

行き違いの言い換え表現/類義語

「行き違い」という表現の類義語には「食い違い」「擦れ違い」などがあります。
 
 

食い違い | 意見などが一致しないこと

「食い違い」は、意見などが一致しないことを意味します。
 
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「行き違い」は両者に誤解が生まれている一方、「食い違い」は意見に齟齬が生じている状態です。

「食い違い」の例文:

・チャットのやり取りで意見の食い違いが修正できず、カメラを使ったウェブ会議を行ったところ、齟齬をなくすことができた。
 
 

擦れ違い | 論点がかみ合わないこと

「擦れ違い」は時間や位置などがずれてしまって会えないという物理的な意味や、議論で論点がかみ合わないことを意味します。
 
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「行き違い」と「擦れ違い」は意味や使うシーンも似ています。「擦れ違い」はビジネスシーンで「論点がかみ合わない」という意味でも、「会えない」という物理的な意味でも使用可能

「擦れ違い」の例:

・ウェブ会議では意見の擦れ違いをまとめることができず、対面時での会議で打ち合わせで延長することになった。
 
 

ビジネスシーンでよく起きる行き違いは「メール」や「入金確認」

ビジネスシーンでの行き違いは、メールやチャットなどで起きがち。小さなコミュニケーションミスが、入金ミスなど大きなトラブルを引き起こすこともあります。
 
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商品の納品に関するクライアントと担当者の行き違いの例。このケースだと、両者がともにメールを見落としていたり、電話の取次がうまくいってなかったりとコミュニケーションミスが起きていることがありそうです

入金確認に関する行き違いの例

会社同士の入金は銀行振込が一般的です。しかし休日明けや、振り込みが集中する日などは、金融機関も入金確認に時間を要するため、入金反映が遅れることも。
取引先からは入金が済んだと連絡が来たにも関わらず、オンラインの取引明細に反映されていないといった行き違いが発生することがあります。
 
 

メールの行き違いの例

メールの行き違いの場合、「迷惑メールフォルダに入ってしまっていた」「見落としていた」「返事が来ているにも関わらず誤って催促してしまった」というケースが考えられます。
 
 

【筆者の体験談】連絡不足で行き違いになり記事が二重提出に……!

筆者の行き違いの体験談としては「記事の二重提出」があります。
フリーライターとしてあるクライアントから執筆を任されたことがありました。しかし筆者の執筆中に、クライアントが誤って当該記事を別のライターにも依頼。二重提出でクライアント先が混乱するトラブルがありました。原因は、クライアントの連絡忘れによる行き違いです。
ちなみに報酬自体は発生したので一安心。しかしクライアントは、1本の記事に2本分のコストがかかったことになります。
もしそのクライアントが数十本単位で二重に発注をかけてしまっていた場合、損害はより多大となったでしょう。コミュニケーションミスは意外に「損害額」の面でもあなどれないのです。
 
 

社外との「行き違い」は相手にとって大きな手間 | 謝罪の文例

行き違いの発生時の「謝罪文」の例を紹介します。
特に「社外との行き違い」は丁重な謝罪が必要。社外の担当者にとっては、行き違いはコミュニケーションコストが大きいうえに仕事が進んでいないことを意味するためです。
行き違いが発生した場合に「メールで送る謝罪文」の例をご紹介します。

「○○株式会社 ○○様

平素よりお世話になっております。

○月分のご入金の件でご連絡させていただきます。

○日に入金予定と連絡させていただいておりましたが、弊社の請求書処理の行き違いにより、入金が1週間遅れてしまうことが判明しました。

貴社に多大なご迷惑をおかけしておりますことを心からお詫び申し上げます。

今後こういった不手際を起こさぬよう、経理部門との連携を強化します。
大変申し訳ございませんでした。

株式会社○○ 営業部 ○○」

ミスの規模にもよりますが、相手に対して金銭面などでも損害が発生している場合には対面での謝罪の機会も作り、その場でも謝罪。かつ再発防止策を丁重に説明することをおすすめします。
 
 

社内コミュニケーションでも「行き違い」は発生する

社内コミュニケーションでも行き違いは発生しがち。
特に縦割り型の組織だと、部署間でそれぞれの部署がどんな仕事をしているかは社員でも把握できないことも。部署間を跨ぐ連絡は社外と同じくらい、丁重な資料作成なども必要でしょう。
また専門用語などが多用されるMTGでは、細かく定義などを確認し合いながら話をする方がベター。チャットツールなどを使う場合には、関わる人全員が閲覧可能なマニュアルの整備もおすすめです。
 
 

行き違いを防ぐ効果が期待される「社内コミュニケーション」のアイデア/取り組み例

行き違いを防ぐ効果が期待される「社内コミュニケーション活発化」の取り組み例をご紹介します。

Slackなどチームコミュニケーションツールの導入

コクヨ社内では2022年からコミュニケーション基盤としてSlackを導入したプロジェクト型の働き方を推進しています。
オフィスにいなくてもSlackのステータスをログイン状態にしていることで、ワーキング中であることを他の社員に知らせることができ、スムーズなコミュニケーションが可能に。
「もしかしたらPC前にいないかもしれない」「あとで連絡しよう」という誤った判断を防ぐことで、行き違いが起きないようにしています。
 
 

コミュニケーション活性化に繋がるオフィスの空間作り

株式会社バンダイナムコエンターテインメント様では、オフィスリニューアルで「共創空間」を導入することで社内コミュニケーションを活発化することを試みています。
「共創空間」とは事業部の垣根を超え、社員同士が交流できるように設計したラウンジのようなもの。仕事をする場でもあり、人が集まり自然とコミュニケーションができる場でもあり、新たなアイデアについて議論をする場でもあります。
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株式会社バンダイナムコエンターテインメント様の共創空間。こうしたオフィス環境の見直しを行うことで、社内コミュニケーションを活発化することが可能です。 「真面目なMTGやオフィスの席では聞きづらい」ことも、ラウンジでは気軽に聞けることもあるでしょう。初歩的過ぎて聞きづらい質問などを気兼ねなくできたり、あるいは「資料にまとめるほどではないけど、誰かに壁打ち相手になってもらいたいアイデア」を気軽に話せる環境は社員にとって重要なもの。 コミュニケーションが生まれることで、ちょっとした認識の齟齬や誤解が解消されやすくなり、必然的に「行き違い」は減っていきます。

バンダイナムコエンターテインメント社員の方は共創空間についてインタビューで、

コミュニケーションの機会は確実に増えているようです。(中略)今まで会議室で行っていた打ち合わせを、オープンスペースで行うことで、自然と顔が見えるようになったことも大きな変化です。
と話されています。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

社内コミュニケーションを活性化させるアイデアとは|3社の取り組み事例も紹介|コクヨマーケティング

まとめ

行き違いは社内の場合、コミュニケーション不足、社外の場合は確認不足で起こりがちです。特に社外の場合は会社を巻き込んだ大きなミスに繋がる可能性もあるので、社外の人と普段から使用しているツール、メールやチャットなどの見落としなどに気をつけましょう。