ビジネスシーンの「不手際」の意味やお詫び例文をコクヨ編集部が解説

ミスが起きないように気を付けていても、ビジネスには「不手際」がつきもの。 テレワーク時代となった今、不手際によるトラブル対応をメールやチャットで行う人も少なくはないでしょう。そこで今回は不手際が発生したときの謝罪対応のポイントや、お詫びに使えるメールの例文などをご紹介します。

「不手際」は、物事の結果や仕上がりが悪いことを意味します。

「不手際」は、物事の結果や仕上がりが悪いことを意味します。
 
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不手際の意味。ビジネスシーンでは「不手際」は「ミス」の言い換え表現にも使用されています。たとえば「納品ミス」「入金ミス」などは典型的な「不手際」です

不手際が発生した際の謝罪対応のポイント

不手際発生時、まず最初にすべきことは迷惑をかけてしまった相手に謝ること。
また不手際が発生した経緯と、対応策についてもしっかり明記。再発防止策も伝えると、相手により誠実さをアピールすることができます
 
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不手際発生時は、なによりもすぐ相手に謝りましょう。言い訳はせず、自分のミスをしっかり伝えることが大切です

【社外向け】「不手際」が発生した際のお詫びメールの例文

不手際が発生した際の社外向けのお詫びメールの例文をご紹介します。
 
 

ミスが軽微だった場合のお詫びメールの例文

軽微な不手際だった場合のお詫びメールの例文をご紹介します。
 
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休暇によってメールの返信が遅くなり、相手の業務進捗に影響を与えた場合の謝罪例。この場合「事前に休暇を取ることを、相手に伝えていなかった」のが「不手際」。軽微な不手際は、オンライン上でのしっかりとした謝罪で相手にも誠意が伝わるでしょう。相手に大きな迷惑を掛けるような不手際だった場合は、対面時にも再謝罪が必要です

ミスが重大だった場合のお詫びメールの例文

重要な不手際が発生した場合のお詫びメールの例文をご紹介します。
 
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重大な情報が入ったUSBメモリの紛失に関する謝罪文例。こうした重要な不手際が発生した場合、まずはメールやチャットではなく、まず電話で先方にトラブルの発生を伝え、直接対面して謝罪するようにしましょう。メールやチャットは、対面が叶わなかったときに送るのがいいでしょう

【社内向け】「不手際」が発生した際のお詫びメールの例文

社内向けのお詫びメールの例文をご紹介します。
 
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社内向けの共有資料の送付ミスに関する謝罪例。社外の人と比べ、社内の人とは顔を合わせる機会も多いです。メールやチャットでは多少フランクでもまずすぐ謝罪し、顔を合わせたときにあらためて謝罪するように気を付けるのがいいでしょう

不手際の類義語・言い換え表現

不手際の言い換えとして、「落ち度」「手違い」というふたつの表現をご紹介します。
 
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「落ち度」は故意ではない失敗を表す言葉。「不手際」と同じように“ミス”を表す言葉ですが、「不手際」は「落ち度」よりもやり方が悪いことが表現されています

 
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「手違い」は予定されていた順番や手配を誤ることを指す言葉。「不手際」がやり方や対処法でのミスを表しているのに対し、「手違い」は、手配の間違いなど具体的なミスを表しています

メール/チャットで謝罪対応する際の「言葉遣い」以外の注意点

取引先とのメールやチャットは、正しい敬語使用に注意がいきがち。しかし、他にも注意すべき点は多々あります。
例えば、メール/チャットを受け取る取引先からすれば「誤字が多いメール」や「1日~数日以上返信がないチャット」などはストレスのもとでしょう。前者は「送信前に見直さないのだろうか」と疑問を感じやすく、後者は「対応が遅くなるなら一報入れるべき」と映るリスクがあります。
 
 
筆者としては敬語も大切ですが、メールでもっとも求められているのは「1日以内に返事をすること」「質問の内容に答えること」と考えます。たとえば不手際発生時、その原因を尋ねられたメールで、敬語表現にばかり気を取られて不手際の発生原因などを濁してしまうことは相手の印象を悪くしてしまう行為。「スピード感をもって返信しつつも、質問には確実に答えること」が、メール/チャットでの謝罪対応やトラブル対応では特に重要だと考えます。
 
 

ミスを未然に防ぐための取り組みも大事です

「不手際」は社内のダブルチェックなどがきちんと機能していれば、防げるものも多いです。そのために必要なのは社内コミュニケーション。つまり不手際の事前防止は突き詰めると、「社内の労働環境」や「コミュニケーションの仕組み」を整えることに繋がります。
 
 

【コクヨ社内事例】テレワークでコミュニケーションミスが増大

コロナ禍のテレワークに関するコクヨ社内の事例です。緊急事態宣言による急なテレワーク突入で、コクヨ社内では「コミュニケーションミス」が増加傾向になりました。
以前リリースした、遠隔コミュニケーションにおける上司の悩みを取り上げた記事では以下のようなコミュニケーションミスを紹介しています。

■メールの返信が遅いため、作業に戸惑っているのかメールに気がついていないのか判断することができない
■カレンダーに予定が入力されておらず(在宅勤務後にルール設定を始めた)何の作業をしているのかわからない

コクヨではチャットツールに不慣れな上司が、部下とのコミュニケーションが上手く取れなくなる事態が増加。「仕事の進捗が確認できない」といった悩みが、実際社内でも多く聞かれました。

コクヨ社内の場合、こうした事態は「若手社員の側からSNSツールを積極的に活用するように提案する」「進捗状況のこまめな連絡を行う」ことで解決に向かいました。
 
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チャットツールでのやり取りのイメージ画像。上の例で言えば「山田」さんは部下との連絡がスムーズにいかない点に不安を感じています。 部下の側が「先ほどは会議中でした」といった一文を入れて連絡するなど、どうして遅れたのかが上司にも分かるように状況を伝えることも大切です。

 
1つ1つは小さな心がけですが、社員の間に広く「チャットツールのマナー」など在宅ワークならではの働き方が浸透したことはコクヨにとって大きな変化。
2022年現在、コクヨでは「在宅ワークであること」が原因のコミュニケーションミスは大きく減少しています。
 
 

【筆者の場合】顔が見えない相手とのやり取りは早めの連絡に注意しています

筆者の場合、顔を合わせたことのない相手との仕事では「早めの連絡、早めの納品」に気を付けています。
しかし以前、過去に仕事をしたクライアントが「昔のメールアドレスに仕事の依頼メールを送った」ことでトラブルに。筆者は数年前に一度、メインのメールアドレスを変更。以前のアドレスに届いたメールは全くチェックしていなかったため、数週間ほど気が付きませんでした。
上の事例の場合、筆者の不手際は「仕事上の繋がりがある相手に、メールアドレスの変更を伝えていなかったこと」となります。
その際はすぐに不手際を謝罪し、新たなメールアドレスを伝えました。
結果的には謝罪の意思も伝わり、その仕事自体は流れたものの、別の仕事の際に声を掛けてもらうことができました。
 
 

まとめ | 不手際が起きたらすぐに謝罪 防ぐにはコミュニケーションの徹底

不手際が起きてしまった場合、発覚した時点で相手に謝罪しましょう。謝罪とともに、起きてしまった原因と、予防策を伝えると、より相手に誠実な印象を与えることができます。

また、不手際を防ぐためには社内のダブルチェックが大切。たとえテレワーク中でも、SNSなどで上司や部下、同僚とこまめに連絡を取るようにし、コミュニケーションを大事にしましょう。