「不手際」の意味とお詫びメールの書き方【ビジネスですぐ使える例文付】

不手際を起こしてしまった場合、どのように相手に謝れば良いのでしょうか。仕事で使える例文もご紹介します。

ビジネスシーンでは残念ながら「不手際」が発生してしまうことはしばしばあります。そして「不手際」への対応を、メールやチャットなど遠隔で行う機会も少なくないでしょう。
そこで今回は不手際が発生したときの謝罪対応のポイントや、お詫びに使えるメールの例文などをご紹介します。
 
 

「不手際」は物事の結果や仕上がりが悪いことを意味

まず「不手際」とは、物事の結果や仕上がりが悪いことを意味する言葉です。
ビジネスシーンでは「不手際」は「ミス」の言い換え表現にも使用されています。たとえば納品ミスや入金ミスなどは典型的な「不手際」です。
 
 (27760)

不手際が発生した際の謝罪対応のポイントは?

不手際が発生した時、まず最初にすべきことは迷惑をかけてしまった相手に謝罪をすることです。対面で謝罪するケースもあれば、オンラインMTGやビジネスチャットでのやり取りで取引している相手の場合はオンラインで謝罪することもあるでしょう。
不手際が発生した経緯と対応策、再発防止策を伝えることで、相手により誠実さをアピールすることもできます。
 
 (27764)

不手際発生時は、なによりもすぐ相手に謝りましょう。言い訳はせず、自分のミスをしっかり伝えることが大切です。

ビジネスで発生しがちな「不手際」に対するお詫びメールの例文【社外向け】

「不手際」の発生時、先方に対してまずはメールで謝罪をするケースもあるでしょう。
そこで不手際が発生した際の、社外向けのお詫びメールの例文をシチュエーション別に3通りご紹介します。
 
 

重大なミスで相手先に迷惑をかけた場合

重大なミスで相手先に迷惑をかけた場合のお詫びメールの例文をご紹介します。
 
 (27772)
まずは謝罪の言葉を丁寧に述べ、問題の認識と対応策を明確に示すことで、相手の理解と信頼回復につながります。

謝罪:先日納品いたしました製品に不備がございましたこと、心よりお詫び申し上げます。
経緯:弊社の品質管理工程において最終チェックが不十分であったことが原因です
対策:チェックリストの見直しと強化、出荷前の多重チェック、再教育

といった形で謝罪から対策までを分かりやすく、なおかつ具体的に示し、そのうえで不備による悪影響が広がらないように「製品の回収と交換」などの対策も追加で示すことが重要です。
 

相手方の依頼に対して対応が遅れた場合

相手方の依頼に対して対応が遅れた場合のお詫びメールの例文は以下のようになります。
 
 (27777)
この例文では、対応の遅れに対する謝罪と、現在の対応状況、そして今後の改善策について述べています。

謝罪:ご依頼への対応が遅れましたこと、深くお詫び申し上げます
経緯:担当者の長期休暇中の引継ぎが適切に行われなかった
対策:業務管理システムの導入と進捗の可視化

と謝罪から対策までを示したうえで、対応への遅れを最優先でカバーしており「明日中に完了する」と明確に期限を示しています。謝罪から対策までを示し、なおかつ「期限」も示すことで相手への誠意が一定程度伝わるでしょう。
 
 

相手からの電話・メールへの対応が遅れた場合

相手からの電話やメールへの対応が遅れた場合のお詫びメールの例文は以下のとおりです。
 
 (27784)
この例文では、連絡への対応遅延に対する謝罪と、今後の改善策について明確に述べています。相手の時間を無駄にしてしまったことへの反省の意を示すことが大切です。

謝罪:お忙しい中、お待たせする形となりましたこと、深く反省しております
経緯:社内での担当者不在による連携不足
対策:社内連携体制の強化、社内ツールの活用

と謝罪から対策までを示しています。なお、今回の謝罪メールの例文は「相手の時間を無駄にしてしまったこと」に焦点を当てています。
たとえば相手をお待たせしたことで「特定の手続きができなかった」など直接的な損害も与えている場合は、その補償を「本日中に行う」などサポートについても期限を具体的に示しながら言及すると良いでしょう。
 
 

ビジネスで発生しがちな「不手際」に対するお詫びメールの例文【社内向け】

社内向けのお詫びメールの例文をご紹介します。
 
 (27791)

社内向けの報告書の提出ミスに関する謝罪例。社外の人と比べ、社内の人とは顔を合わせる機会も多いです。メールやチャットでは多少フランクでもまずすぐ謝罪し、顔を合わせたときにあらためて謝罪するように気を付けるのがいいでしょう。

不手際の類義語・言い換え表現

不手際の言い換えとして、「落ち度」「手違い」というふたつの表現をご紹介します。
 
 (27795)

「落ち度」は故意ではない失敗を表す言葉。「不手際」と同じように“ミス”を表す言葉ですが、「不手際」は「落ち度」よりもやり方が悪いことが表現されています。

 (27796)

「手違い」は予定されていた順番や手配を誤ることを指す言葉。「不手際」がやり方や対処法でのミスを表しているのに対し、「手違い」は、手配の間違いなど具体的なミスを表しています。

メールやチャットで謝罪対応する際の「言葉遣い」以外の注意点

特に取引先とのメールやチャットは、正しい敬語使用に注意がいきがち。しかし、他にも注意すべき点は多々あります。
たとえばメールやチャットを受け取る取引先からすれば「誤字が多いメール」や「1日~数日以上返信がないチャット」などはストレスのもとでしょう。前者は「送信前に見直さないのだろうか」と疑問を感じやすく、後者は「対応が遅くなるなら一報入れるべき」と映るリスクがあります。

ビジネスシーンでは敬語や丁寧な表現も重要ですが「1日以内に返事をすること」「質問の内容に答えること」も大切です。
たとえば不手際発生時、その原因を尋ねられたメールで、敬語表現にばかり気を取られて不手際の発生原因などを濁してしまうことは相手の印象を悪くしてしまう行為。「スピード感をもって返信しつつも、質問には確実に答えること」が、メール/チャットでの謝罪対応やトラブル対応では特に重要です。
 
 

ミスを未然に防ぐための取り組みも重要

「不手際」は社内のダブルチェックなどがきちんと機能していれば、防げるものも多いです。そのために必要なのは社内コミュニケーション。つまり不手際の事前防止は突き詰めると、「社内の労働環境」や「コミュニケーションの仕組み」を整えることに繋がります。
 
 

【コクヨ社内事例】テレワークでコミュニケーションミスが増大

コロナ禍のテレワークに関するコクヨ社内の事例です。緊急事態宣言による急なテレワーク突入で、コクヨ社内では「コミュニケーションミス」が増加傾向になりました。
以前リリースした、遠隔コミュニケーションにおける上司の悩みを取り上げた記事では以下のようなコミュニケーションミスを紹介しています。

■メールの返信が遅いため、作業に戸惑っているのかメールに気がついていないのか判断することができない
■カレンダーに予定が入力されておらず(在宅勤務後にルール設定を始めた)何の作業をしているのかわからない


コクヨではチャットツールに不慣れな上司が、部下とのコミュニケーションが上手く取れなくなる事態が増加。「仕事の進捗が確認できない」といった悩みが、実際社内でも多く聞かれました。

コクヨ社内の場合、こうした事態は「若手社員の側からSNSツールを積極的に活用するように提案する」「進捗状況のこまめな連絡を行う」ことで解決に向かいました。
 
 (27808)

チャットツールでのやり取りのイメージ画像。上の例で言えば「山田」さんは部下との連絡がスムーズにいかない点に不安を感じています。 部下の側が「先ほどは会議中でした」といった一文を入れて連絡するなど、どうして遅れたのかが上司にも分かるように状況を伝えることも大切です。

1つ1つは小さな心がけですが、社員の間に広く「チャットツールのマナー」など在宅ワークならではの働き方が浸透したことはコクヨにとって大きな変化。
2024年現在、コクヨでは「在宅ワークやテレワークであること」が原因のコミュニケーションミスは大きく減少しています。
 
 

不手際が起きたらすぐに謝罪 防ぐにはコミュニケーションの徹底

不手際が起きてしまった場合、発覚した時点で相手に謝罪しましょう。謝罪とともに、起きてしまった原因と、予防策を伝えると、より相手に誠実な印象を与えることができます。

また、不手際を防ぐためには社内のダブルチェックが大切。たとえテレワーク中でも、SNSなどで上司や部下、同僚とこまめに連絡を取るようにし、コミュニケーションを大事にしましょう。