リモートワークのメリットとは|企業・社員それぞれの立場で解説【デメリットも】

日本ではコロナをきっかけに一気に広まったリモートワーク。企業・社員それぞれに違ったメリットとデメリットが存在します。「働き方」という観点から、リモートワークのメリット・デメリットを解説します。

感染症対策として導入されたリモートワークですが、アメリカではツイッター社がテレワーク撤廃を表明。日本国内でも、約半数の経営者がリモートワークにデメリットを感じているとのデータがあります。

今回は改めてリモートワークのメリット・デメリットを振り返ってみましょう。
 
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リモートワークを導入すれば、企業にとってはコスト削減や業務効率の向上、人材の維持・確保につながるといったメリットがあります。企業で働く社員にとっても、通勤やムダな会議がなくなるほか、職場ストレスの軽減やプライベートの充実につながりやすくなります。

一方で、リモートワークには以下のようなデメリットも。

・社員の管理が難しくなる
・社内のコミュニケーションが減る
・情報漏洩のリスクが高まる

帝国データバンクの調査では、テレワーク導入企業の経営者・管理職の約52%が「デメリットのほうが多い」と感じているとのこと。
リモートワークの導入・促進にあたっては、メリットとデメリットの双方を把握したうえでうまく工夫する必要があります。
 
 

リモートワークが企業にもたらす5つのメリット

業務効率の向上やコスト削減、離職率の低下など、リモートワーク導入によって企業はさまざまな恩恵を受けます。
 
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リモートワークを導入すれば、オフィスの光熱費や通勤費などコストの削減につながります。また、働きやすさが向上することで離職率の低下や人材確保のしやすさにつながるというメリットも。災害などの緊急時に事業を継続しやすい点も見逃せません。

コスト削減につながる

リモートワークによってオフィスでの勤務が減少すれば、光熱費や通勤費を削減できます。オフィスで働く社員の数が減れば、面積を縮小して家賃を引き下げられる可能性も。また、資料を印刷する機会が減るため紙・インクのコストも削減されます。
 
 

離職率が低下する

リモートワークが可能であれば、社員は勤務地にとらわれずに働き続けられます。そのため、離職率の低下が期待できます。

出産や育児、介護など、家庭状況の変化によって毎日の出勤が難しくなる社員は少なくありません。リモートワークなら自身の都合に合わせて働きやすいため、離職せずに済みます。
 
 

人材を確保しやすくなる

リモートワークを前提とすることで、オフィスに通いづらい人材でも採用できるため、人材確保が容易になります。

オフィス勤務が必須であれば、まず通勤圏内に住んでいるかどうかで対象者が絞られてしまいます。しかし、リモートワークなら地方や海外など遠方に住んでいる人材も候補に含められるため、多様な人材へのアプローチが可能です。
 
 

業務効率が向上する

リモートワークで業務を円滑に進めるためには、取り組み方を工夫する必要があります。結果として資料の電子化や作業工数の削減などが促進され、業務効率が向上します。

働き方が変わらない限り、従来の業務の進め方を見直す機会はあまりないでしょう。リモートワークを導入することで、よりスマートな進め方を模索する必要が生じ、業務の効率化につながります。
 
 

緊急時も事業を継続しやすい

リモートワークで業務を遂行できる状態にしておけば、自然災害などの緊急時でも事業を継続しやすくなります。

地震や台風、洪水、積雪などが発生すると、交通網が麻痺したり家族の世話が必要になったりします。その結果、通勤が難しくなる社員が増えるでしょう。リモートワークが浸透していれば、緊急時でも各社員が自宅から業務にあたれます。
 
 

リモートワークが社員にもたらす5つのメリット

リモートワークが勤務先に導入されれば、社員も多くのメリットを得られます。
 
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リモートワークが導入されることで、社員は通勤の負担やムダな会議から解放されます。また、職場の環境や人間関係に不満がある場合は、ストレス軽減の効果も。プライベートに割く時間が増え、仕事と家庭のバランスもとりやすくなります。

通勤の負担が軽減される

リモートワークが導入されれば、社員はオフィスに通勤する必要がなくなります。オフィスと自宅の往復にかかる時間を有効活用できるほか、肉体的な疲労も軽減されます。

特にオフィスが都会に位置している場合、混雑によって電車の乗り降りだけでも体力を消耗するものです。リモートワークが許可されれば、より多くの時間を家族と過ごせたり、フレッシュな状態で業務に臨めたりとプラスの効果が生まれます。
 
 

ムダな業務・会議が減る

リモートワークが常態化することで、これまで惰性で継続していた報告業務や定例の会議を見直すきっかけになります。必要な業務や会議だけに絞られることで、業務の効率が上がり、余計なストレスや残業が減ります。
 
 

職場でのストレスが減る

職場の人間関係や職場環境に不満がある場合、自宅で働けるようになればストレスから解放されます。直属の上司や同僚との関係に悩んでいたり、設備の老朽化などによる職場環境の悪さを感じていたりすれば、オフィスで働くだけでストレスが溜まるものです。

リモートワークなら、自身で環境を整えたうえで快適に働けます。また、飲み会などが苦手な場合も、誘われる機会が減るためストレス軽減につながります。
 
 

自分の仕事に集中できる

オフィスで上司や同僚と一緒に働いていると、簡単な雑用をお願いされたり、電話対応が必要になったりするため、意外と自分の仕事に集中できません。リモートワークなら周囲から話しかけられることがなく、自分宛の必要な連絡しかこないため、集中して業務に取り組めます。
 
 

ワークライフバランスが改善する

リモートワークなら、通勤にかかる時間や飲み会の機会が減り、業務効率の向上によって残業も少なくなるため、ワークライフバランスを改善しやすくなります。プライベートにより多くの時間を割けるようになり、育児や介護、趣味、自己啓発などに使えます。
 
 

リモートワークが企業にもたらす3つのデメリット

リモートワークにはさまざまなメリットがある一方、デメリットもあります。企業にとっては、社員の管理や情報漏洩の防止が課題となります。
 
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リモートワークによって各社員が別の場所で働くようになると、企業としては社員の管理が難しくなります。また、社員同士のコミュニケーションが減ることで、業務に支障が出ることも。パソコンや資料の持ち帰りによって情報漏洩のリスクも高まります。

これらのデメリットがあることから、ツイッター社やホンダ社はテレワークを撤廃。決断の理由は、ツイッター社の場合はCEOに就任したイーロン・マスク氏の意向で企業としての生産性を高めるため、ホンダ社の場合は現場主義や対面でのコミュニケーションを重視するためといわれています。
 
 

社員の管理が難しくなる

リモートワークの場合、上司は部下がどのような業務をどのようなペースで進めているか正確には把握できません。業務時間中にさぼっていたとしても、うまくはぐらかされてしまえば深く追求することが難しくなります。

日報などで細かく報告を要求すれば状況はわかりますが、大きな手間がかかります。システムでタスクを管理するなど、社員の状況を可視化する仕組みが必要です。
 
 

社員同士のコミュニケーションが減る

リモートワークでは、社員同士が同じ空間を共有する機会が減るため、コミュニケーションも少なくなります。従来であれば、自然に行なわれていた情報共有が滞ってしまい、業務に支障をきたすことも。必要な情報がタイムリーに伝わっているか、情報共有の頻度や手段を見直す必要があります。
 
 

情報漏洩のリスクが高まる

リモートワークをするには、パソコンや資料を自宅に持ち帰る必要があります。結果として、オフィス外に持ち出す際の紛失のリスクや、自宅のネットワークを利用することによるコンピューターウイルスへの感染リスクが生じます。

従来以上に情報セキュリティを強化するとともに、リモートワーク時の情報・機器の取り扱いについてルールを厳格に定めることが大切です。
 
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リモートワークでは、上司や同僚と会う機会が減るため、業務上必要な情報がタイムリーに共有されないことも。また、毎日の通勤がなくなることで運動不足になりやすい点にも要注意です。

共有される情報量が減る

リモートワークの導入によって、ムダな会議が減るのは望ましいことです。しかし、情報共有という観点で重要な役割を果たしていた会議まで省略されてしまえば、業務に支障をきたす可能性があります。上司に連絡を取って確認する必要が生じたり、認識の食い違いによって業務がやり直しになったりといった不都合が発生しかねません。
 
 

運動不足になりやすい

リモートワークによって通勤の必要がなくなれば、日々の運動量も減ることになります。自宅から駅、駅から会社までの徒歩が実はよい運動になっていたということも。健康維持のためには、意識的に運動する必要が出てきます。
 
 

仕事環境の整備に手間がかかる

パソコンやネットワークの設定が苦手な場合、自宅の仕事環境を整えるのに手間がかかる可能性もあります。会社指定の方法でパソコンをネットワークに接続したり、会社の社内フォルダにアクセスしたりする際、意外と設定につまずくことも。うまく設定できない社員をサポートするため、チームのメンバーやIT関連の部署に負担がかかる場合も少なくありません。
 
 

まとめ|リモートワークのよい面を引き出す工夫が大切

本記事では、リモートワークのメリット・デメリットについて、企業と社員それぞれの視点で紹介しました。組織・個人それぞれの立場でデメリットをカバーする仕組みを整えれば、リモートワークは大きな恩恵をもたらしてくれます。

筆者もリモートワークを開始した当初は、仕事中に子どもが話しかけてきたり、座りっぱなしによって腰が痛くなったりとうまくいかない部分がありました。しかし、勤務時間を早めて子どもが寝ている間に業務を進めたり、通勤に充てていた時間を使って子どもと運動したりすることで、今では快適に働けています。

リモートワークに取り組む際は、ぜひよい面を引き出す意識でさまざまな工夫をしてみてください。