【完全ガイド】移住先に仕事はある?地方で働く意味って何?移住先での30代以降の働き方

地方移住したくてもなかなかできない要因のひとつが仕事。本当に地方では仕事が少なかったり給与が低かったりするのでしょうか。移住先での仕事の見つけ方や多種多様な働き方について解説します。

都会から田舎へ移り住むことを考える人が増えていますが、移住先での仕事はどうやって探せばいいのでしょうか?地方でもできる仕事はたくさんありますが、できればスムーズに仕事を見つけたいところ。
しかし、自分に合った仕事を見つけるポイントは?地方で働くことにどんな意味やメリットがある?と悩んで、なかなか一歩を踏み出せない人もいるでしょう。

この記事では、地方への移住を考えている30代以降の方に向けて、移住先での仕事探しや働き方についてご紹介します。
 
 

移住先の地方で働くメリットとデメリット

都会と比べて地方には仕事がないというイメージがありますが、実際に地方に移住することで仕事面に対するメリットとデメリットがあるのは事実。
例えば、生活コストが低い、リラックスした生活環境を得られる、移住支援制度が適用される場合があるなどのメリットがあります。一方で、仕事の選択肢が限られる、車なしでの生活が難しいといったデメリットもあります。
 
 

【メリット】移住支援制度が適用される場合も

移住支援制度とは、地方への移住を促進するために、国や地方自治体が移住者に対して提供している支援制度のことです。
 
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移住支援制度では、移住者に対して移住支援金が支給されており、2023年度からは子育て支援金として子ども1人あたり100万円が加算されます。他にも起業支援金、就業支援金があり、地方によっては移住先の地域を訪れて情報収集や体験ができる移住体験ツアーの費用を補助する制度もあるなど、さまざまな支援が用意されています。

条件を満たした地方移住では、国や自治体が行っている移住支援制度の恩恵を受けることができる場合があります。さらに、一部の自治体では就業支援や家賃補助、事業拡大支援など、総合的なサポートを提供しているところもあります。
 
 

【メリット】生活コストの低さとリラックスした生活環境

物価には地方格差があり、特に大きな差が出るのが家賃です。総務省が調査した「小売物価統計調査(構造編)年報 2020年」の「地域別格差」によると、最も物価が高かったのは東京都。最も物価が低かった宮崎県の物価水準と比較し、1.10倍という結果でした。

そのため、東京23区または条件を満たした首都圏在住の方が家族で地方に移住する場合によっては、年間100万単位で家賃が安くなる可能性があります。
 
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地方に移住した場合は、生活費を抑えられる可能性が高いでしょう。都市部と同じ家賃を払ったとしても、より広い家に住めます。

家賃に限らず地方では物価が比較的低いので、リーズナブルな生活が送れることが魅力です。満員電車の心配もないので、都市の喧騒から離れ、自然豊かな環境でゆったりとストレスの少ない暮らしを楽しむことができます。
 
 

【デメリット】仕事の選択肢が限られる可能性

地方に移住すると、都市部に比べて仕事の選択肢が限られる可能性があります。特に専門的な職種や高い給与の仕事を求める場合は、都市部と比較し競争が激しくなることがあります。
 
 

【デメリット】車なしでの生活が難しい場合も

地方都市を除いては、公共交通機関の整備が不十分な場合も多く、地方の中心部でも車がないと生活が不便になることがあります。運転免許証や車を所有をしていない場合、運転に慣れていない場合は、かなり不便に感じるでしょう。事前に交通手段について確認することが重要です。
 
 

地方移住における「仕事選び」:地方で働きやすい職種の例

地方移住先でも仕事を続けやすい職種にはどんなものがあるでしょうか。地方で働きやすい職種を紹介します。
 
 

リモートワーク可能な仕事

リモートワークやテレワークが可能な仕事なら、ネット環境が整っていればどこでも仕事が可能です。
 
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テレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用し、職場やオフィスといった場所の制約を受けず、好きな場所で仕事ができる働き方のこと。リモートワークとも呼ばれます。

場所や時間を選ばずに働けるので地方移住ではリモートワークが活用できる職種が注目されています。IT関連やクリエイティブな仕事などの職種があります。
なお、テレワークの勤務形態やメリット/デメリットについては以下の記事で詳しく解説しています。参考にしてください。
「テレワーク」とは?在宅勤務とは実はイコールではない - メリット/デメリットや勤務形態解説 -

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「テレワーク」とはteleとworkを組み合わせた造語で、時間と場所の制約を受けないワークスタイルを指します。テレワークは大きく分けて「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」の3種類。本記事ではテレワークの種類と働き方について解説します。

地域に根ざした仕事:地域おこし協力隊、農業、林業など

地方に移住する際には、地域の特性や需要に合わせた仕事もチェックしてみましょう。地域おこし協力隊として地域の振興やイベントの企画運営に携わることもできます。他にも農業や林業などの地域資源を活かした仕事もあり、支援制度や補助金を出している地域もあります。このような地域に密着した仕事なら、地域の魅力を発信しながら働くことが可能です。
 
 

フリーランス・自営業

地方移住では、フリーランスや自営業として独立する人も多く見られます。例えば、地方で暮らしながら都市部の企業から業務委託で案件を請け負うというのは現実的な選択肢のひとつです。
また「自営業」として地方ならではのニーズや特産品を活かしたビジネスを展開することも良い選択でしょう。地域課題に取り組む社会的事業であれば、補助金として最大200万円までの起業支援金を受け取れます。自身のスキルや趣味を活かして独自のビジネスを築くチャンスです。
 
 

地方移住する場合の「地域の選び方」

地方移住する場合は、どの地方に移住するかも大事なポイントです。
 
 

地方都市:都会と田舎の中間地点、二拠点居住も実現しやすい

完全な移住ではなく、都会と田舎の良いとこどりをした「二拠点居住」なら地方移住のハードルは低くなります。
 
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二拠点居住は、平日はこれまで通り都会で仕事や生活をし、休日だけ地方で過ごすというイメージです。

都会と田舎の中間である地方都市なら、都市の利便性と自然環境を両立しています。新幹線や飛行機などを使ったアクセスも比較的良好なため、二拠点居住が実現しやすい地域です。具体的には、福岡県の福岡市や北九州市、広島県、宮城県の仙台市などがあげられます。
 
 

地元:慣れ親しんだ街へのUターン

地元の町や故郷に戻る「Uターン移住」も選択肢のひとつ。慣れ親しんだ地元ならではの人脈やつながりを活かして、新たな仕事やビジネスを展開することができます。
 
 

「移住支援の手厚さ」を基準に選ぶという手もある

地方自治体によっては移住支援制度や就労支援、住宅支援などの手厚い支援を提供している場合もあります。移住先が決まっていないなら、移住支援の有無や内容を考慮して選ぶのも良いでしょう。
 
 

【年代別】移住による仕事事情

年齢によっては、理想だけで地方移住を決めるべきではないケースもあります。お金に直結する仕事選びは、生活スタイルや生活環境の変化を踏まえたうえで検討しましょう。
 
 

【30代の場合】移住目的と仕事内容、給与水準のミスマッチに注意

30代の場合、移住の目的と仕事の適性を考える必要があります。子育て環境や教育環境を重視するならば、その条件を満たせる仕事環境が求められます。ただし、給与水準に関しては都市部と比較して低くなる可能性が高くなります。理想と現実のギャップが大きくならないように、経済的な面も考慮しましょう。
 
 

【40代の場合】キャリアアップのチャンスはあるが雇用条件には注意

40代の場合、長年の経験やスキルを活かしてキャリアアップのチャンスがあります。移住先では、地方企業での経営や管理のポジションに就くことも可能です。ただし、雇用条件や給与水準には注意が必要。都市部との比較や生活費の面でよく考慮しましょう。
 
 

【50代の場合】起業など様々な選択肢が大きく広がる

50代の場合、豊富な経験や知識を活かして起業する人も多く見られます。地方移住をきっかけに自身のビジネスを立ち上げることで、地域に貢献したり新たな挑戦をすることも可能です。また、地方では50代といっても若手の労働力としても認められやすい場合もあります。
 
 

【筆者の場合】30代以降の地方移住先での働き方のリアル

筆者の場合は、地元で子育てをしたいという理由から、出産を機にUターンを経験しています。子育てのサポートをしてくれる人が近くにいるという安心感はありますが、やはり仕事の給与面はかなりシビア。職種は同じでも、地域全体の給与水準が低いため、給与は3分の2程度になったというのがリアルなところ。

テレワークなら都心部での仕事を移住先でも引き続き行えますが、逆を言えば、地方に移住してからテレワーク可能な仕事を見つけることも可能です。仕事の選択肢が広がるので、給与の面においてはクリアできる可能性が高くなります。暮らしや環境といった面で地方移住に興味がある人にはおすすめの働き方です。
 
 

まとめ

移住先の働き方には、テレワークで都心部の仕事を継続する方法や、地域おこし協力隊のように地域の活動に貢献するもの、新しいジャンルの仕事に挑戦したり自分で起業したりと様々な働き方があります。

働き方に不安がある場合は、移住先の就業支援サポートを受ける方法もあります。移住の相談をしながらどんな働き方があるのか教えてもらえるため、相談してみるといいでしょう。