チームビルディング研修に適したゲーム9選:短時間でできるものを厳選【室内・屋外別】

チームビルディング研修は、チームのメンバー同士が協力して課題に取り組むことで、コミュニケーション能力や協調性、リーダーシップなどのスキルを高める研修です。この記事は、チームビルディング研修に適したゲーム9選とゲーム以外の取り組み例を紹介します。

チームビルディング研修とは、チームのメンバー同士が協力して課題に取り組むこと。コミュニケーション能力や協調性、リーダーシップなどのスキルを高めることのできる研修です。チームビルディング研修では、一般的に以下の3つのプロセスを経て、チームのパフォーマンスを向上させます。

・アイスブレイク:緊張を和らげる
・関係構築:仲間同士の絆や一体感を強める
・フィードバック:成果や課題を共有し、改善策を考える

この記事では、アイスブレイクと関係構築のプロセスにおいて、ゲームを活用する方法について紹介します。
 
 

チームビルディング研修のプロセスと「ゲームをする目的」

チームビルディングのプロセスは「形成期」「混乱期」「統一期」「機能期」「散会期」の5つに分けられます。
 
 (15621)

特にゲームが取り入れられることが多いのが、そのチームそのものが集まったばかりである「形成期」と「混乱期」。仲間同士が打ち解けていなかったり、混乱している時期にアイスブレイクや関係構築を目的に気軽に取り組めるゲームを行うことが多いです。

アイスブレイク:緊張を和らげる

アイスブレイクは、緊張した雰囲気を和らげ、メンバーの緊張をほぐすことを目的とします。 チームビルディング研修の冒頭で行われることが一般的で、新しいチームメンバーが参加した場合や面識のない人同士が集まる場合に特に効果的です。
アイスブレイクのゲームを通じて、参加者同士のコミュニケーションを促進し、和やかな雰囲気を作り出すことができます。
具体的なゲームには「積み木自己紹介」や「バースデイ・ライン」等が挙げられます。
 
 

関係構築:仲間同士の絆や一体感を強める

関係構築は、チームメンバー同士のつながりを深め、信頼関係を築くことを目的とします。関係構築のゲームを通じて、メンバー同士がお互いをよく知る機会を提供し、コラボレーションやチームワークの向上につなげることができます。
具体的なゲームには「しっぽ取りゲーム」「ロゲイニングカード」や、近年ではパラリンピック種目として人気の「ブラインドサッカー」などが挙げられます。
 
 

チームビルディング研修に適したゲーム9選

ここでは、チームビルディング研修に適したゲームを9つ紹介します。室内と屋外で分けていますが、場合によってはどちらでもできるものもあります。また、アイスブレイク向けと関係構築向けにも分けていますが、両方の目的で使えるものもあります。それぞれのゲームについて、必要な道具や人数、時間などの条件と、やり方やポイントなどの説明をします。
 
 

【室内・所要時間5分~】積み木自己紹介:アイスブレイク向け

積み木自己紹介は、参加者全員の名前を順番に覚えていくアイスブレイクの一種。
その場にたとえば「佐藤さん」「高木さん」「山田さん」「梅田さん」がいたとしましょう。すると積み木自己紹介では「はじめまして。佐藤さんの隣の高木さんの隣の山田さんの隣の梅田さんの隣の、●●(自分の名前)です」と自己紹介します。

初対面で名前を覚えるのに適したゲームであり、また名前を間違ってしまったとしてもあくまでゲームであるのであまり失礼にならず、盛り上がります。
 
 

【室内・所要時間5分~】バースデイ・ライン:アイスブレイク向け

バースデイ・ラインは、参加者が言葉を使わずに誕生日の順に並ぶことに試みるゲーム。1月1日が先頭、12月31日が最後尾です。
参加者は言葉を使わずに、ジェスチャーで相互にコミュニケーションを取り、誕生日の情報を共有しながら並ぶ必要があります。
実際にやってみるとその人が「何月生まれか」は簡単に分かりますが、日にちの違いに意外と手こずります。同じ月の生まれと思われる人が何人かいた場合、どの人が前でどの人を後ろにしようか、ジェスチャーだけでやり取りして決める工程が盛り上がります。
 
 

【室内・所要時間10分~】2つの真実、1つの嘘:アイスブレイク向け

「2つの真実、1つの嘘」とは、参加者が自分自身についての簡単なエピソードを3つ述べるゲームです。その中で、2つのエピソードが真実であり、1つが嘘です。他の参加者は、どれが嘘かを見抜くことを試みます。
このゲームは興味を引き、参加者のエンゲージメントを高める効果があります。参加者同士がお互いのエピソードに興味を持ち、話題が広がることで、より活発なコミュニケーションが生まれます。
そのため「単なる自己紹介」をするよりも、より深く相互を知ることができます。アイスブレイク向けですが、関係構築にも適しているゲームです。
 
 

【室内・所要時間15分~】ペーパータワー:関係構築向け

ペーパータワーは、参加者が紙を積み上げていくシンプルなチームビルディングゲーム。参加者はチームごとに分かれ、A4用紙を出来る限り高く積み上げます。なおタワーは単に高いだけでなく、安定している必要があります。もっとも高く、安定しているタワーを作ったチームが優勝です。
参加者はタワーの安定性を確保するために、どのように協力し合うかを話し合いながら進めます。メンバー同士のコミュニケーション能力と問題解決能力、創造性が問われ、なおかつシンプルながら絆が深まるゲームです。
 
 

【室内・所要時間15分~】ドミノ倒し:関係構築向け

「ドミノ倒し」はもっともシンプルなゲームの一つです。参加者をチーム分けし、各チームに同じ数のドミノを渡します。ドミノは大人数のチームで並べるので、できるだけ多く用意しておくのがおすすめ。
各チームはそのドミノを並べ、倒します。もっとも長時間、ドミノを倒し続けられたチームの優勝です。
ドミノを安定させながら、出来る限り長く並べるには「どのようにコースを定め、ドミノを並べるべきか」。意外と戦略性があり、なおかつちょっとしたミスで倒れてしまうことからスリルもあり、盛り上がります。
 
 

【室内/屋外・所要時間10分~】しっぽ取りゲーム:関係構築向け

「しっぽ取りゲーム」とは、参加者が自分のしっぽを守りながら他の人のしっぽを取るシンプルなゲーム。
個人戦も可能ですが、チームビルディング研修で行う場合は参加者をチーム分けすると良いでしょう。チーム戦の場合は「より多く、相手のしっぽを取ったチームが勝利」します。 個人戦のように単にしっぽを多く取るだけでなく、相手を引き付ける攪乱役なども活躍します。攪乱役は直接的にしっぽを取るわけではないですが、アシスト役として役に立つでしょう。
「チーム戦」「個人戦」がどちらもでき、事前に用意するものも少なくて済み、室内でも屋外でもできるのでおすすめです。
 
 

【屋外・所要時間10分~】鬼ごっこ:関係構築向け

ドミノ倒しやしっぽ取りゲームと同様に、鬼ごっこもシンプルながらチームビルディング研修に向いています。ちなみにしっぽ取りゲームは「全員が鬼」をする、鬼ごっこの亜種としても位置付けられます。
鬼ごっこはアレンジの幅が広いため、研修の参加者の人数によってもルールを変えやすいです。たとえば「手つなぎ鬼ごっこ」では、鬼が一人捕まえるたびに、捕まった人も鬼と手を繋いで他の参加者を追いかけます。
逃げていても、捕まってからも楽しいのでちょっとしたレクリエーションとしてもやりやすいです。
 
 

【屋外・所要時間20分~】ロゲイニングカード:関係構築向け

「ロゲイニングカード」とは、チームで協力して街歩きをしながらお題カードに書かれた写真を撮影するチームビルディングゲームです。制限時間内にできるだけ多くのお題をクリアしたチームが優勝です。
参加者がお題を見つけたときの喜びや達成感を共有することで絆が深まる他、短時間に効率よく大量のお題をクリアするために「どの町を中心に歩いて撮影するか」といった戦略性もあり、研修に向いています。
屋外で行うことは「写真を撮影すること」なので、スポーツが苦手な社員が多い場合にも向いています。
 
 

【屋外・所要時間15分~】ブラインドサッカー:関係構築向け

本格的に屋外でゲーム形式のチームビルディング研修をするならば、パラリンピック種目でもある「ブラインドサッカー」もおすすめです。
ブラインドサッカーは、アイマスクをつけてプレーするサッカーであり、参加者は視覚を制限された状態でプレーします。プレーヤーはチームに分かれ、指示する人の声や音を頼りに攻撃や守備をし、指定時間内により多く得点したチームが勝利です。
指示する人は的確に言葉を選んで、メンバーを動かし、プレーヤーは他のメンバーからの指示を信じ、プレーする必要があります。

コミュニケーションやチームワークの重要性を五感で実感できる種目の1つで、なおかつルール自体はサッカーなのでシンプル。準備がやや大変ですが、本格的な屋外研修で「レクリエーションを兼ねた種目」として行うのも良いでしょう。
後述しますが、たとえばチーム単位でワーケーションをした際に行うのもおすすめです。
 
 

ゲーム以外のチームビルディング研修に適した取り組み例

ここまでは「ゲーム」を中心に紹介してきましたが、ゲーム以外の様々な取り組みでも絆を深めることはできます。
 
 

ウォーキング・ミーティング

ウォーキング・ミーティングとは、文字通り歩きながら会議をすることです。
会議時間がそのまま運動の時間となるため健康にいいばかりではなく、歩くことで血流や酸素の供給が良くなり、脳の働きや創造力が向上させる狙いもあります。
また、歩くことで新鮮な景色が見られるため、同僚らとのコミュニケーションも捗ります。

なお、ウォーキング・ミーティングについては以下の記事でも解説しているので参考にしてください。
Walking Meetingプロジェクト | コクヨのMANA-Biz

Walking Meetingプロジェクト | コクヨのMANA-Biz

Walking Meetingプロジェクト | コクヨのMANA-Biz

Appleの故スティーブ・ジョブズやFacebook CEO のマーク・ザッカーバーグ、オバマ元米大統領など、著名な経営者や政治家がこぞって実践しているという「ウォーキング・ミーティング」。ワークスタイル視点で紐解いたその効果とはいかに? オフィスワーカーの健康維持と生産性向上に一石を投じうる、新しいはたらき方の実験・研究レポートです。

料理対決

オフィスにキッチンがある場合や、合宿形式で研修を行う場合などに「料理対決」もおすすめです。参加者をチームに分け、お題に沿った料理をそれぞれが自由に作ります。
たとえば「予算内で品数を担保するにはどうしたらいいか」「制限時間内に効率よく調理するには、買い出しチームと調理班を分けた方が良い。どう分けようか」など、メンバー内で話し合ってプランを決める必要があります。

純粋に出来上がった料理を囲みながら、皆でごはんを食べるのも楽しく、おすすめです。
 
 

ワーケーション

研修を兼ねて地方でワーケーションをするのもおすすめです。ワーケーションとは仕事と休暇を兼ねた旅行のこと。旅先でリフレッシュしつつ、仕事の視野を広げる狙いがあります。
ワーケーションは、チームのパフォーマンスを高めることにも役立ちます。チームの満足度も上がるため、チームビルディング研修において有効な取り組みの一つです。

なお、「在宅百貨」では全国各地のワーケーションについて紹介しています。ぜひ参考にしてください。

まとめ

ここまでチームビルディング研修に適したゲームを多数紹介してきました。これらのゲームなどは参加者にとってもルールがシンプルで、取り組みやすいでしょう。
そして人事やマネージャーの方は、それらのゲームへの参加者の取り組み方や「人柄」「性格」をチェックすると良いでしょう。
 
 (15687)

イギリスのゲーム研究者のリチャード・バートル氏は、ゲームの参加者は「アチーバー」「キラー」「エクスプローラー」「ソーシャライザー」に分類できるとしています。ゲームを現実の仕事に置き換えた場合、チームに「キラーしか居ない」のでは一体感は生まれず、「ソーシャライザーしか居ない」ならば雰囲気こそ良くとも競争力は生まれないでしょう。

つまりゲームの参加者を4通りに分類し、実際の配属はどのようにすべきか、組み合わせを検討する良い機会になります。ぜひ「どのゲームをするべきかを考える」だけでなく、参加者の姿もチェックしてみましょう。

近年は働き方の自由度が高まっており、新卒や中途でも「週5日間、オフィスで隣で仕事をする」とは限りません。だからこそ対面でのチームビルディングや、その研修で見えてきた性格などをベースにしたメンバー同士の組み合わせの重要度は高まっています。 ぜひ「テレワークの時代」だからこそ、研修の機会も重要視して取り組みを行ってみてください。