【2024年版】将来性の高い仕事10選:AI時代に「人間ならではの需要が高まる」仕事とは

AI時代には「人間だからこそできる仕事」の価値が高まり、需要も高くなります。具体的にどのような仕事内容や業種の需要が高まるのか、「将来性の高い仕事」を10個紹介します。

2020年のコロナ禍以降、急速に普及した「テレワーク」。テレワークが普及する中、企業は業務効率化や社員が自宅からでも仕事が可能な状況を整えるためにDX化を促進させました。その中でも、特に注目されているのがAI(人工知能)の業務活用です。

業務の多くがデジタル化し、なおかつAIが普及していく中で「将来的にAIに人間の仕事の大半は奪われてしまうのでは?」と危惧している方も多いでしょう。デジタル化された業務の処理をAIが担当する時代がやってくるのは、予想しやすい出来事の1つでもあります。
しかし実際は、AIの普及により「人間でしかできない仕事」の価値が高まり、需要が高くなる業種もあります。
 
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詳しくは後述しますが、「一定程度の市場規模がある」「AIに代替されづらい」「人間でなくては出来ない工程がある」仕事は、AI時代にも残っていく仕事であると考えられます。

この記事では、AI時代に「人間ならではの需要が高まる」仕事について、その特徴と具体的な職種10個を紹介します。
 
 

将来性の高い仕事とは?

AIが普及しても将来性の高い仕事とは、どのような特徴があるのでしょうか?
 
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市場規模が大きいものや、そもそもAIに代替されづらい仕事、人間でなくてはできない工程が含まれている仕事は今後も人間の手が必要な仕事と言えます。

一定程度の市場規模がある

まず「一定程度の市場規模」の有無を確認してみましょう。市場規模が大きい業界・業種は、AI技術を取り入れながらも人間の手を必要とする業務も多く、残っていく可能性が高いと言えます。なお、ニュースメディアなどで華々しく取り上げられる新しい業種・職種は、他の業種と市場規模を数値で比較すると「極めて小さな業種でしかない」こともあります。
 

市場規模が大きい職種・業界は、AIで自動化できる業務があっても、AI活用によって新たに人の手を必要とする仕事も増えてきます。一方で、コールセンターや一般事務などの限定的な職種はAIに代替され、将来的になくなる可能性が高いです。

引用元: 市場規模マップ

無論、市場規模が小さくとも「この市場は伸びる」と確信できるならばその業種・職種に身を投じるのも良いでしょう。あくまで「一定程度の市場規模があり」「AIなどを活用したDX化の余地がある」もしくは「人間でなくては出来ない工程があり、人間ならではのバリューを発揮できる仕事」である場合は、将来性があると言えます。
 
 

AIに代替されづらい

AIに代替されづらい業務とは、個別への対応や臨機応変な対応が求められる仕事です。このような職種・業種は、完全にAIが代替することは難しく、今後も人による対応が必要とされます。
 
 

「人間でなくては出来ない」工程が含まれている

繊細な作業やサポートが必要な仕事や、生活に密着している業種の中には「人間でなくてはできない」工程が含まれています。AI技術の活用が進んでも、人間の意思決定や判断が必要な職種は残ります。また、AIシステムの運用や管理なども人間でなくてはできない仕事です。
 
 

【詳細】AIに代替されづらい「人間に求められる仕事」とは?

では、AIに代替されづらい「人間に求められる仕事」とは具体的にどのような仕事でしょうか?
 
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「身体や精神に関する仕事」や「クリエイティビティが求められる仕事」はAIより人間のほうが優れています。また、高いヒューマンスキルやコミュニケーションもAIに代替されにくい仕事です。また、AI技術を活用するなど人間でなくてはできない工程がある仕事も、なくなる可能性は低いでしょう。

身体や精神に関する仕事

身体や精神に関する仕事とは、心や身体の悩みを聞いたり援助したりする仕事のことです。たとえばセラピストやカウンセラー、看護師などが該当します。相手の気持ちに寄り添ったり、個別の課題を見つけて一人ひとりにあった対応が求められ「空気を読む力」も重要視されます。きわめて繊細な業務かつ、相手の身体や精神に直接影響を与えるため「人間がやる仕事」としての重要度が高いです。
 
 

高いヒューマンスキル、コミュニケーションスキルが求められる仕事

ヒューマンスキルとは、人間関係を円滑にするためのスキルです。高いコミュニケーションスキルやリーダーシップで他社との関係を構築し、現場管理やスムーズに仕事を進める役割を担います。顧客対応や社内の人材育成にも必要とされており、高いヒューマンスキル、コミュニケーションスキルが求められる仕事はAIでは補えない分野です。
 
 

「人間でなくては出来ない」工程がある

たとえば、工場の製造工程は自動化できる業務が多くある一方で、管理や運用、意思決定を行うには必ず人間の手が必要です。人間でなくては出来ない工程には、細やかなサポートが求められます。
 
 

クリエイティビティが求められる仕事

ゼロから新しいものを生み出すクリエイティブな仕事は、AIよりも人間が得意としている分野です。AIで代替できるものもありますが、人の心を動かす創造性が求められる仕事にはまだ人の手が必要とされています。
 
 

将来性の高い仕事2選:高いヒューマンスキルが求められる仕事

高いヒューマンスキルが求められる仕事とは、以下のような職種です。
 
 

【1】士業(弁護士、公認会計士など)

たとえばChatGPTを使ったAI法律相談ツールなども出始めていますが、これはあくまで相談レベルや、弁護士の補助レベル。弁護士は、国家資格が必要となる専門性の高い職業。希少価値のある仕事として需要は高いでしょう。

また、同じく士業である公認会計士も国家資格が無くては業務自体ができません。AIによって業務の効率化はあっても、最終的な判断は人間に委ねられ、高いヒューマンスキルが求められます。
 
 

【2】コンサルタント(経営、ITなど)

コンサルタントとは、専門的な知識や知見を活かしてクライアントの課題を解決するための提案を行ったり、問題を解決する仕事です。代表的な分野にはITコンサルティングや経営コンサルティングが挙げられます。

コンサルタントの仕事のうち、情報収集などはAIが代替することも可能ですが、そもそもコンサルティングは意外と泥臭い仕事でもあり「現場の信頼」を勝ち取るまでにも時間がかかるものです。細かなケアや、複雑な判断などをAIが下すことは難しいでしょう。人間のコンサルタントにはより専門性の高いスキルが求められるようになるでしょう。
 
 

将来性の高い仕事2選:人間でなくては出来ない仕事

人間でなくては出来ない仕事には以下のようなものがあります。
 
 

【3】建築・リフォーム

建築・リフォーム系の仕事は、生活するうえで欠かせない仕事であり人間でないとできない仕事のひとつです。たとえば、周囲と調和のとれた設計・建築は人でないとできません。また、現場監督などもAIにはできない仕事です。

また近年は3Dプリンターを使った建築物が注目を集めています。いわゆる「ポップアップショップ」のような短期しか使用しない建造物などは3Dプリンターが代替していく可能性もあるでしょう。一方で多くの建造物は施工主の希望を正確にヒアリングし、人と人とで作り上げていくものでもあります。外装工事も内装工事も、やはり人間の手が必須です。
 
 

【4】食品関連

「人間が口にするもの」を製造・販売する業種である食品関連も、今後なくならないとされている仕事のひとつです。食品関連は「人間が口にするもの」を製造・販売する業種です。
AIの活用や「完全調理ロボット」といった産業用ロボットの導入が進む一方、原料の買い付け、確保などの工程には人の手が必要不可欠。たとえば仕入れであれば「人間が舌で確認し、美味しいと確信できるからこそ自信をもって提供できる」という面もあるでしょう。

食の安全性を確保したり、食べる人の好みや食材や調理といった細やかな気配りは、手仕事だからできることです。
 
 

将来性の高い仕事3選:クリエイティビティが必要な仕事

クリエイティビティが必要な仕事には、以下のような職種があります。
 
 

【5】ITエンジニア

ITエンジニアは2030年には最大79万人の人材不足が予測されている職種です。特にAI人材は経済産業省が公表している資料では、AI需要は 2030 年に2018 年比で「約 3 倍」と見込まれており将来性が高いといえます。
一方で「従来型IT人材」と呼ばれるサービスの保守・運用人材は「人余り」も指摘されており、AI時代に対応できるITエンジニアであることもまた求められる職種と言えるでしょう。

参考:経済産業省
 
 

【6】デジタルマーケティング関連

デジタルマーケティングとは、SNSや検索エンジンなどネットを通じた商品・サービスのマーケティング活動のこと。
「ビッグデータの収集・解析」はAIが得意とする領域の1つですが、得たデータから人の行動を分析し、マーケティングに結びつけるには人の手が必要です。企業のマーケティング予算がマスからソーシャルに移行する流れが続く限り、今後もデジタルマーケティング関連は需要が高い仕事と言えるでしょう。
 
 

【7】インフルエンサー

インフルエンサーは、比較的最近登場した職種のひとつで、SNSを中心に活動し世間に大きな影響を与える人たちのことです。AIを使って生み出された架空の「AIインフルエンサー」も登場していますが、オリジナル作品やプロデュースにはクリエイティブな発想が求められます。
 
 

将来性の高い仕事3選:身体や精神に関する仕事

身体や精神に関する仕事は、具体的に以下のような職業です。
 
 

【8】医療関連(医師、看護師など)

コロナ禍以降、オンライン診療が広く浸透したことに加え、医療分野の研究ではAIを用いた画像診断・解析も行われています。一方で対面での処置や患者のケアは人でなければできない仕事です。医師も看護師も国家資格が必要なこともあり、AIロボットが現場に導入されるとしてもあくまで補助的な役割に留まる可能性があるでしょう。
 
 

【9】介護士

日本では高齢化が進んでおり、総務省の調査によると2023年1月1日時点の老年人口は3,588万8,947人。2030年には約3,716万人まで増えると予想されており、総人口の約3分の1が高齢者になると言われています。高齢者が増える一方で労働人口は減るため、介護士は今後もなくならない仕事と言えるでしょう。
 
 

【10】保育関連の仕事

人のケアやサポートをするという点では、子どものお世話をする保育士や学童職員といった保育関連の仕事も常に需要があります。AIが代替できない仕事として、今後なくなることはないでしょう。
 
 

AIを活用したDX化が進む中、働き方について考えるべきこと

AIを活用したDX化が進む中、働き方も変革のときを向かえており、個人でも以下の点について考えておく必要があります。
 
 

【新卒の場合】意欲を持てる仕事かどうか

ここまで「AIによってなくなる仕事」や「AI時代でも将来性の高い職種」を紹介してきましたが、AIに置き換わる仕事でも「人間の役割が完全になくなるわけではない」のも事実です。

どの分野で新卒として働き始めるとしても、人間だからこそ発揮できるバリューを検討し積極的に行動することは大切です。逆に言えば「ルーティンワークを毎日こなす」発想で仕事をすれば、それはAIに置き換わる可能性があります。
だからこそ意欲的に働けそうな職種・業種を見極めましょう。
 
 

【中途・転職の場合】リスキリング

中途・転職の場合は、新しいビジネスモデルや変革に対応できるように新しいスキルや知識を学ぶこと(リスキリング)に積極的に取り組む姿勢が大切です。事務作業や簡易的な仕事がAIで自動化される分、人でしかできない仕事にどこまで対応できるようになるかがポイントです。AI化やDX化に対応できるスキルや知識を習得すれば、将来のキャリアアップにもつながるでしょう。
 
 

AIによってなくなる仕事とは?

ルーティンワークやマニュアル化できる業務は自動化され、将来的にAIによってなくなる可能性があります。
AIによってなくなる仕事については、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

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まとめ

AIの導入や普及によって、新しく必要とされる仕事、今後もなくならない仕事の需要はますます高まってきています。一方で、AIの影響でなくなる仕事があるのも事実。仕事の在り方が変わってきていることから、早いうちから10年後、20年後も対応できるスキル・知識を身につけておきましょう。