たとえば世界経済フォーラムの「Future of Jobs Report 2025」によると、AIと情報処理技術により2030年までに1,100万の雇用が創出されるものの、900万の雇用が失われるとのこと。つまり、あと5年で失われる仕事というものが存在すると予想されています。
そのため、「将来性の高い仕事」というものを考える上では、「AIに代替されない」「人間しかできない」ということが重要になってくるでしょう。

AI時代の将来性の高い職業の特徴
AIの性能が飛躍的に進歩し、人間の仕事を代替することも予測される中で「なお将来性が高い、人間がやるべき仕事」とはどのような仕事なのでしょうか?


一定程度の市場規模がある
なお、ニュースメディアなどで華々しく取り上げられる新しい業種・職種は、他の業種と市場規模を数値で比較すると「極めて小さな業種でしかない」こともあります。

市場規模が大きい職種・業界は、AIで自動化できる業務があっても、AI活用によって新たに人の手を必要とする仕事も増えてきます。市場規模が大きな業種には「医療」「建設」「不動産」などが挙げられ、その業種のすべての職種が「AI」に置き換わるのはまだまだ非現実的です。
またAIを積極的に活用する側に立ち、DX支援を様々な業種に行うのも魅力的な選択肢です。総じて「一定程度の市場規模があり」「AIなどを活用したDX化の余地がある」もしくは「人間でなくては出来ない工程があり、人間ならではのバリューを発揮できる仕事」である業種や職種は、将来性があると言えます。

AIに代替されづらい職種か否かも判断
繊細な作業やサポートが必要な仕事や、生活に密着している業種の中には「人間でなくてはできない」工程が含まれています。人間による泥臭い判断や、温かみがある意思決定が必要な職種は残ります。たとえば身体や精神に直接的にかかわる職種などが該当します。

【詳細】AIに代替されづらい「人間に求められる仕事」とは?
総じてAI時代において、プログラミングやデータ分析などの専門的な技術力と、コミュニケーション力や共感力といった人間的なスキルを併せ持つことが重要になってきています。AIを使いこなす側に回るならば「技術力」が重要であり、人間的な共感力などを重視する立場に立つならば「人間ならではのコミュニケーション力」が重要視されます。2つの能力を合わせもつことができるならばより理想的です


そこで注目されるのが「クリエイティビティが求められる仕事」や「身体や精神に直接的にかかわる仕事」などです。より具体的に見ていきましょう。
身体や精神に関する仕事
高いヒューマンスキル、コミュニケーションスキルが求められる仕事
「人間でなくては出来ない」工程がある
クリエイティビティが求められる仕事
将来性の高い仕事2選:高いヒューマンスキルが求められる仕事
ここからは「AIに代替されづらい」ないしは「AIの普及後も、十分に将来性が高い仕事」などの具体例を見ていきましょう。

【1】士業(弁護士、公認会計士など)
すでにAIを利用した法律相談ツールなども出始めていますが、これはあくまで相談レベルや、弁護士をはじめとする本職の士業の補助レベル。

このように士業には「有資格者の人間でなくてはできない独占的な業務」が多いです。たとえば同じく士業である公認会計士も国家資格が無くては業務自体ができません。AIの進化により、定型的で単純な手続き業務はAIに取って代わられる可能性がありますが、士業における複雑な判断や専門的な知識の活用は、依然として人間の手に委ねられています。
【2】コンサルタント(経営、ITなど)
コンサルタントの仕事のうち、将来的に「情報収集」「図版作成」「プレゼンテーション向けのスライド作成」などはAIが代替する可能性があるでしょう。一方で複雑な戦略立案や、顧客との信頼関係構築には人間の専門家が必要です。そもそもコンサルティングは意外と泥臭い仕事でもあり「現場の信頼」を勝ち取るまでにも時間がかかるものです。細かなケアや、複雑な判断などをAIが下すことは難しいでしょう。人間のコンサルタントにはより専門性の高いスキルが求められるようになるでしょう。
将来性の高い仕事2選:人間でなくては出来ない仕事
【3】建築・リフォーム
しかし、顧客の要望を細かく理解し、美的センスと技術を組み合わせて独創的な空間を創造する能力は、依然として人間の専門家に求められています。
多くの建造物は施工主の希望を正確にヒアリングし、人と人とで作り上げていくものでもあります。外装工事も内装工事も、やはり人間の手が必須です。

【4】食品関連
一方で原料の買い付け、確保などの工程には人の手が必要不可欠。たとえば仕入れであれば「人間が舌で確認し、美味しいと確信できるからこそ自信をもって提供できる」という面もあるでしょう。
食の安全性を確保したり、食べる人の好みや食材や調理といった細やかな気配りは、手仕事だからできることです。

将来性の高い仕事3選:クリエイティビティが必要な仕事
【5】ITエンジニア
近年はITエンジニアというと「AI」に脚光が当たりがちです。今後さらにAI需要の増加も見込まれる中、AIに学習データを与えたり、AIを設計・作成するAIトレーナーという職業も需要が増えていくでしょう。しかしエンジニアの仕事は何も「AI」に関するものばかりではありません。

さらに経産省は2019年に発表した「IT人材需給に関する調査-調査報告書-」の中で今後IT需要が拡大する一方で労働人口が減少していくため、IT人口の需要と供給の差、つまりIT人材不足が最大79万人に拡大する可能性があると指摘しています。
このようにエンジニアの人材不足が指摘される背景には、エンジニアの仕事に「設計」が含まれるのが大きな理由です。非エンジニアの顧客とやり取りしながら仕様を取りまとめ、それをプログラマーのチームに伝達し、システムを仕上げていく工程は人間的です。そのため技術理解に加えてコミュニケーション能力が重視されます。
【6】デジタルマーケティング関連
デジタルマーケティングでは、AIによるデータ分析や自動化が進んでいますが、ブランドストーリーの構築や感情に訴えかけるコンテンツの作成には人間の創造性が不可欠です。2025年以降、AIツールを駆使しながらも、人間ならではの洞察力で効果的なマーケティング戦略の立案が求められるでしょう。企業のマーケティング予算がマスからソーシャルに移行する流れが続く限り、今後もデジタルマーケティング関連は需要が高い仕事と言えます。

【7】インフルエンサー
オリジナル作品やプロデュースにはクリエイティブな発想が求められます。AIによる自動的なレコメンドなどが生活の中で定着すればするほど、一種の逆転現象としてインフルエンサーの肉声によるレコメンドや「人間らしいコメント」が映える時代が来る可能性もあるでしょう。

将来性の高い仕事4選:身体や精神に関する仕事
【8】医療関連(医師、看護師など)
【9】介護士
【10】保育・教育関連の仕事
【11】心理カウンセラー
また、オンラインカウンセリングなどのデジタルツールを活用しながら、従来の対面カウンセリングの質を維持・向上させる能力も重要になってきています。AIを補助ツールとして活用しつつ、人間にしかできない深い心理的支援を提供する専門家として、その重要性は今後さらに増していくでしょう。
AIを活用したDX化が進む中、働き方について考えるべきこと
【新卒の場合】意欲を持てる仕事かどうか
どの分野で新卒として働き始めるとしても、人間だからこそ発揮できるバリューを検討し積極的に行動することは大切です。逆に言えば「ルーティンワークを毎日こなす」発想で仕事をすれば、それはAIに置き換わる可能性があります。
だからこそ意欲的に働けそうな職種・業種を見極めましょう。
【中途・転職の場合】リスキリング
また、継続的な学習がより重要になっており、オンラインプラットフォームやAIを活用した個別化された学習プログラムが普及しています。特に、AIと人間の協働スキル、データ分析能力、クリエイティブ思考力などが注目されています。