在宅ワークの「座りすぎ」が体に与える影響って?腰痛対策とイスの選び方も紹介

在宅ワークの「座りすぎ」が体に与える影響って?腰痛対策とイスの選び方も紹介

在宅ワーク中は、トイレに行くなど以外はどうしても座りっぱなしに。座りすぎは心身に悪影響を与えるため注意が必要です。そこで今回は、長時間の座りっぱなしが体に与える影響やストレッチなどの対策、座ることが多い人に向けたイスの選び方を紹介。併せて、座ることが多い人におすすめのイスも見ていきましょう。

長時間座りすぎの人が急増中!

ノートパソコンを操作する女性
新型コロナウイルスの影響で、自粛期間や在宅ワーク中に座りすぎる人が増えています。長時間座りすぎると体にどんな影響があるのか、詳しく見ていきましょう。

日本人の身体活動は減少傾向にある

買い物を通販で済ますなど、私たちの生活はどんどん便利になっています。しかし、そうした利便性に伴い、運動量が減少している問題があります。厚生労働省が発表したデータ(※)によると、90年代後半を境に労働・家事・通勤といった日常生活での身体活動は年々減少。こういった背景からも、運動不足になる人は少なくありません。
さらにコロナ禍の影響を受けて、日本人の身体活動は減少していく一方です。

コロナ禍によって座る時間が増加中

実は「日本人は座っている時間が世界一長い国民」というデータがあります。オーストラリアの研究機関が、世界20カ国を対象に「平日の総座位時間」を調査。その結果、日本人は世界最長の「1日7時間」と、最も座っている国民ということが分かりました。
さらに、コロナ禍で在宅ワークを行っていた人は、そうでない人に比べて業務時間中の座位時間が1日平均で1時間以上も長く、身体を動かす時間は約30分間短くなっているそうです。(※)このように、日本人の座りすぎはもともとの国民性に加えて、コロナ禍でさらに顕著になったと言えます。

座りすぎの目安時間は約8時間

座りすぎの目安は約8時間とされています。その理由は、1日に座っている時間が8時間以上になると、罹患リスクや死亡リスクが高まると言われているからです。(※)心身の健康のために、在宅ワーク中も座りすぎには注意しましょう。

座りすぎが体に与える影響とは?

腰に手をあてる女性
長時間座った状態を続けると、身体にさまざまな影響が出てきます。具体的な影響と対策法について一つずつ確認していきましょう。

お尻や腰の痛み

座りすぎは、お尻や腰の痛みを招きます。座った時にお尻が痛くなる原因は、お尻の主な筋肉である大臀筋(だいでんきん)にあります。長時間同じ姿勢が続くことで、太ももや腰にかけて大臀筋の緊張状態が続くのが痛みの原因です。その上、体重によって圧迫されて、大臀筋とその周囲の血流が悪くなるのも痛みの要因とされます。
一方で腰痛を発症するのは、筋肉の動きが少なくなって筋肉が凝り固まってしまうのが原因です。その他、長時間座ることの影響として、在宅ワークを開始した従業員の70.5%が筋骨格系の痛みを感じたというデータもあります。

代謝の低下と血流の悪化

座った状態が長時間続くと、全身の筋肉の70%を占める下半身の活動が停止状態に陥ります。その中でも「第二の心臓」と言われるふくらはぎの筋肉が働かないため、代謝が低下して肥満や糖尿病のリスクを招いてしまうことも。
さらに、座りすぎると血流が悪化します。高血圧の原因にもなるので、身体にかなりの負担がかかると言えるでしょう。

メンタルへの影響

座りすぎは身体の健康だけでなく、メンタルヘルスにも影響を与えます。1日12時間以上座っている人は、6時間未満の人と比べて、メンタルの調子が悪いと答えた人が約3倍も多いことが研究で分かりました。
さらに在宅ワークにより、同居人と物理的な距離が近い状態で働いていると、ストレスによる負の感情が伝播しやすいという研究結果もあります。つまり、在宅ワークで座りすぎの状態でいると、自分はもちろんのこと、他人にも悪影響を与えかねません。

座りすぎで体を痛めない3つの対策

お尻や腰など、体が痛いと在宅ワークに集中できません。ここでは、座りすぎで身体を痛めない3つの対策方法を紹介します。どれも簡単な内容なので、さっそく生活に取り入れてみてくださいね。

①イスにクッションを敷く

イスの素材が硬い、またはお尻の肉が薄いと、お尻に痛みが出やすい傾向にあります。今使っているイスが硬いと感じる場合は、クッションを使うことで改善が可能です。
例えば、低反発素材のクッションは身体に触れる感触がやわらかく、心地よいと感じやすいです。お尻の肉が少ない人は、弾力性のあるものが良いでしょう。このように、クッションと一口に言ってもさまざまなタイプがありますので、自分に合うものを見つけてみてください。

②腰やお尻への負荷を軽減させる座り方をする

身体を痛めないよう、イスに座る際は深く腰かけ、軽く背もたれに体重を預けるよう意識しましょう。この時、お腹を軽くへこませて骨盤を立てるように意識するのがコツです。猫背でもなく、反り腰でもない位置で腰を固定すると負担がかかりにくくなります。
同じ姿勢を継続するのが難しい場合は、クッションやコルセットを補助として利用する方法もあります。ただし、コルセットは体に合ったものを正しく使用して初めて効果を発揮するので、自分に適したものを慎重に選んでくださいね。

③1時間ごとにアラームをセットする

アラームを設定する男性
在宅ワーク中は、座りすぎによる健康リスクを軽減するために、1時間ごとに1、2分立つ時間を作ることが大切です。パソコンのアラーム機能を使えば、仕事に没頭して立つのを忘れてしまうのを防げます。Macは「設定→日付と時間→時間のお知らせ」で設定が可能です。Windowsは「コントロールパネル→ツール→タスクスケジュール」で設定してください。
その他、スマートフォンでアラームを設定するのも手軽でおすすめですよ。

【座ることが多い人向け】自分に合うイスの選び方

メガネをかけた女性
座りすぎが身体に良くないと分かっていても、デスクワークでは避けられないもの。ここからは長時間座ることが多い人に向けて、できるだけ身体に負担がかからないイスの選び方を紹介します。

①身体に負担をかけない機能性で選ぶ

イスを選ぶ際は、身体に負担をかけづらい機能があるか確認するのがおすすめ。特に意識したいのが、座面の調節機能、ヘッドレスト、肘置きの有無です。
<座面の調節機能>
座面が短くても長くても血行不良の原因になってしまうことが多いので、座面を調整できるものが理想です。なお、座面は膝が90度に曲がる高さが理想とされています。
<ヘッドレスト>
ヘッドレストが付いていると後傾姿勢を取りやすく、首に負担がかからない体勢を維持できます。
<肘置き>
肘置きに両腕を乗せることで、肩への負担を軽減できます。その上、身体の左右のバランスが取りやすく、不自然な姿勢になりにくいですよ。

②腰へのサポート性で選ぶ

座りすぎで特に影響が出やすい、腰まわりをサポートしてくれる機能があるイスを探すのもおすすめです。しっかりと腰をサポートしてくれるハイバックタイプや、リクライニング機能付きのイス、寄りかかると背もたれが倒れるロッキング機能付きなど種類は豊富なので、自分に合ったものを選んでみてくださいね。

③クッションの耐久性で選ぶ

在宅ワーク用のイスは、クッション性のあるものが良いでしょう。クッションだけを買い替えることはないので、型崩れしづらい硬さのものを選ぶのがおすすめ。座面はもちろん、背もたれにもクッション性のあるイスを選ぶと、長時間座り続けても疲れを感じにくくなります。

④イスとデスクの高さで選ぶ

デスクに対してイスの座面の位置が高い、もしくは低いと、腰や背中を痛めてしまうことがあります。おすすめは、デスクの天板からイスの座面までの高さが25~30センチ前後のものです。
その他、足裏全体が床についているかも確認することが大切。在宅ワーク用のイスは、ジャストサイズのものか、高さが調節できるものを選ぶと良いでしょう。

座ることが多い人におすすめのイス「ingLIFE」

在宅ワークを含む、さまざまなアクションをすべてダイニングチェアーで行う家庭は多いものです。コクヨは、在宅ワークに励む人に向けて“仕事・食べる・遊ぶ”ができるマルチオブジェクティブチェアー「ingLIFE」を発表しました。ここでは「ingLIFE」の特徴や魅力を紹介します。

リビング空間に合うおしゃれなデザイン

「ingLIFE」は、リビング空間に合うデザイン、素材、カラーを展開しています。キャスターなしの4本脚Ver.は、リビングライクなオフィスに最適です。リビングに置いておくことで、仕事も食事も「ingLIFE」1つで快適に。

充実したさまざまなファンクション

①体を固めない、自由な動きに寄り添う360°グライディング
座る人の動きに合わせて、ゆっくりとした動きで寄り添います。同じ姿勢になりづらく、座る人を優しくサポートします。
②優しく包んでくれるワイドな背もたれ
大きな背もたれは、左右の動きにもしっかりと対応。デザインは木タイプとクッションタイプから選べます。
③ゆったり座れるワイド座面
幅が広くゆったりとしたワイド座面は、グライディングの動きとともに自由な座り方を受け止めます。ゆとりを持って座れるので、窮屈さを感じません。

ingLIFEスペシャルサイト

座面がゆっくり揺れ、体感を自然に整える機能性。リビングに調和する優しいフォルムと素材感。「集中する」「くつろぐ」「ご飯を食べる」を楽しむワーキングチェアー。

自分に合ったイスで「座りすぎ」を改善しよう!

ストレッチをする女性
座りすぎはさまざまな健康リスクを招きます。体だけでなく心の健康も守るために、座りすぎには注意しましょう。自分に合ったイスを選ぶことで、座りすぎによる身体の痛みを緩和し、在宅ワークや日々の生活をより豊かにできるはず。対策方法やイスの選び方など、できることから実践してみてくださいね。