オンライン授業とは?生徒・学校(塾)と保護者側のメリット/デメリットと進め方

コロナ禍をきっかけに、学校や塾に浸透したオンライン授業。しかし、正しい受け方やメリットとデメリットを把握していないと効率のいい学習ができないこともあります。この記事ではオンライン授業の特徴からメリット/デメリットをご紹介します。

インターネットを通じて教師と生徒がリアルタイムに授業を行うオンライン授業。親にとっては「子どもたちが自宅で学習するため、交通費や時間を節約できる」「親が子どもたちの学習状況を確認しやすく、指導することも可能」といった利点もあります。

しかし、コロナ禍で急速に進んだため、生徒はもちろん、保護者側の中にもメリットやデメリットをきちんと把握していない人も少なくないのではないでしょうか。
 
 

オンライン授業とは何か?オンライン授業の定義と種類

オンライン授業とは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどを利用し、インターネットを介して行われる授業のことをいいます。
 
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オンライン授業には大きく分けてリアルタイムに映像を配信しチャットなどでやり取りする同時双方向型の「ライブ配信授業」と、事前に収録した授業動画を生徒が自分のタイミングで視聴する「オンデマンド配信授業」の2つの形式があります。

オンライン授業、特にオンデマンド授業は大学受験予備校などで以前から行われていましたが、新型コロナウイルスの流行による全国一斉休校をきっかけに、ライブ配信授業も学校や塾に浸透しました。
 
 

通信教育とオンライン授業の違いとは

通信教育は、郵送や電話などを使って、教師と生徒が間接的にやりとりすることで学習を進めるもの。学習のペースや時間は受講者の自由で、分からない問題は、郵送やメールなどで質問します。

一方、オンライン授業は、ネットを通じ、講師の授業を動画や音声で視聴します。授業はリアルタイムもしくはオンデマンド配信され、チャットやビデオ通話などを通じて、講師や他の受講者とコミュニケーションを取りながら学習を進めることができます。
 
 

オンライン授業の基本的なやり方

オンライン授業は同期型か非同期型か、共同学習か個人学習かどうかで、以下のような方法を採ることができます。
 
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オンライン授業というと、授業の配信をまず思い浮かべますが、オンラインツールの進化により共同学習も行うことができるようになりました。ただし、ツールを使いこなす能力が必要なので、実際に取り入れられるのは中学生~高校生以上の生徒向けの授業になるでしょう。

オンライン授業の配信はオンデマンドかライブかで大きく異なります。オンデマンド配信授業の場合、課題や授業で使うプリントをネットを介して配布。Google ClassroomやYouTubeの限定公開などで授業動画が配信され、生徒が個人で学習する形式が多くなっています。
 
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多くの学校で活用されているGoogle Classroom。ビデオ会議や課題の配布・提出などをネット上で行うことができます。その他にはClassiもよく利用されています。

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Google Classroomでそれぞれの立場から行えることは上記の通り。Classroomはウェブ版とモバイルアプリ版があり、Gmail、Google ドキュメント、Google カレンダーなどのツールと共に利用することができます。

【詳細】オンライン授業の種類

オンライン授業の形式は「オンデマンド配信」「ライブ形式(集団)」「ライブ形式(マンツーマン、個別)」「ハイブリッド形式」の4種類です。特徴を以下の表にまとめました。
授業形式 学習方法 特徴
【非同期/個人学習】オンデマンド配信 事前収録された授業をひとりで視聴 好きなタイミングで授業を視聴できる
【同期/個人学習】ライブ形式 ライブ授業を個人で視聴 マンツーマン授業のため、生徒のペースに合わせることができる
【同期/共同学習】ディスカッション形式 ライブ授業を集団で視聴 教師と生徒全員がコミュニケーションを取ることが可能
ハイブリッド形式 オンラインか通常の対面授業か選択可能 生徒の自由度が高い

アフターコロナでもオンライン授業は続いているの?

オンライン授業が脚光を浴びたのは元々、2020年のコロナ禍です。コロナ禍の中でも子どもの学習に悪影響が出ないように急ピッチで全国的に整備が進みました。
 
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しかし、オンライン授業の目的が「感染症対策」であれば、アフターコロナでは「オンライン授業は不要ではないか」という見解が強まるのも無理はないことです。実際にアフターコロナでもオンライン授業は続いているのでしょうか。

たとえば東京都の高等学校では、2023年時点でオンライン授業では出席として認められないという対応になっています。一方、義務教育の場合は学校の判断によっては出席扱いになることも。

一方、東洋経済education×ICT編集部が2022年12月に全国の教職員600人を対象に行った調査によると、「現在もオンライン授業を行っている」と回答した人は21.5%。なお、この数字は2020年5月以降5回行われた調査の中でもっとも高い数値となっていました。

つまり、全国的にはオンライン授業を行う機会はコロナ禍と比べて少なくなった一方、いまも実施されており、定着しつつあるようです。
 
 

オンライン授業のメリット・デメリットとは?

オンライン授業のメリット/デメリットを以下の画像に簡単にまとめました。
 
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メリットとデメリットは学校や塾、生徒、保護者でそれぞれ異なります。学校や塾側はコスト削減がメリットな一方、生徒とのコミュニケーションが取りにくくなるという面も。また、生徒側は学習環境を自由に選べますが、孤独感が強くなりやすいです。保護者のメリットは負担が少なくなることですが、自宅にネット環境を整える必要があります。

【詳細】オンライン授業における学校・塾のメリット・デメリット

オンライン授業における学校・塾のメリットとデメリットを解説します。
 
 

【メリット】教室運営費の削減ができる

オンライン授業は、教室や設備などの物理的なスペースを必要としません。そのため、塾の場合はテナントの賃借料や光熱費などの固定費の削減が可能。また、消耗品や備品などの変動費を削減することができます。
 
 

【メリット】集客対象が広くなりやすい

オンライン授業では地理的な制約がなくなります。そのため、近隣だけでなく、遠方や海外の生徒も対象にすることができます。また、時間的な制約の緩和も可能。そのため、平日や昼間だけでなく、週末や夜間も授業を提供することができます。
 
 

【メリット】「同じ授業」を比較的長い期間にわたって活用できる

オンライン授業は、教材や動画などのコンテンツを事前に作成しておく必要がありますが、逆にいえば一度作成したコンテンツを何度も再利用することが可能。また、コンテンツの更新や修正も容易に行うことができます。
 
 

【デメリット】生徒とコミュニケーションがとりづらい

直接対面することのないオンライン授業では、教師が生徒の表情や態度などの非言語的な情報を読み取りづらくなります。そのため教師と生徒の間に信頼関係や親密感が築きにくくなることもあります。
 
 

【デメリット】安定した通信環境が必要

オンライン授業では、ネット回線が必須。さらに安定した配信をできるデバイスも重要です。回線が切れたり、画像や音声が乱れたりすると、オンライン授業の品質や効果に影響を与えたり、生徒にストレスを与えることもあります。
 
 

【詳細】オンライン授業における生徒のメリット・デメリット

オンライン授業における生徒のメリットとデメリットをご紹介します。
 
 

【メリット】学習環境を自由に選べる

特に非同期型の個人授業では、生徒が学習環境を自由に選べるというメリットがあります。つまり自宅だけでなく、カフェでも授業を受けることが可能。気分転換に授業を受ける場所を変えられるのは大きなメリットでしょう。
 
 

【メリット】学習スタイルなどに応じて柔軟に学びやすい

オンライン授業では、生徒は自分のペースやレベルに合わせて学習することができます。例えば、同期型のオンライン授業では、教師の指示に従って進めることもでき、非同期型のオンライン授業では、自分で計画を立てて進めることもできます。
 
 

【メリット】授業を繰り返し受けやすい

生徒はオンライン授業を録画し、何度も見直したり、復習したりすることができます。また、授業中に分からなかったことや気になったことをメモしたり、教師や他の生徒に質問したりすることもできます。
 
 

【デメリット】孤独感が強まりやすい

自宅などでひとりで受けるオンライン授業は、教師や他の生徒と直接会うことが少なくなり、友だちとのつながりや支えを感じづらくなりがち。そのため、孤独感や不安感を抱きやすくなってしまいます。
 
 

【デメリット】集中力が続きづらい

オンライン授業では、生徒は自分の学習環境を自由に選べますが、逆に気が散りやすいということでもあります。例えば、自宅でオンライン授業を受ける場合、家族やペットなどの他の人や物に気を取られたり、テレビやゲームなどの誘惑に負けたりする可能性も。そのため、生徒は自分で学習計画を立てたり、目標を設定したりする能力が求められます。
 
 

【詳細】オンライン授業における保護者側のメリット・デメリット

オンライン授業における保護者のメリットとデメリットをご紹介します。
 
 

【メリット】親の負担が小さくなる場合がある

自宅で学習できるので、送迎が不要です。また特に塾の場合、対面授業よりオンライン授業の方が授業料が安い場合が多く、金銭的負担が軽くなるケースがあります。
 
 

【メリット】子どもの自立心やコミュニケーション能力が育まれる

オンライン授業は漫然と先生に言われたことをこなすのではなく、自主性が求められる勉強スタイルなので、子どもの自立心を育みます。また、チャットで質問するなどインターネットを介したコミュニケーション能力が培われます。
 
 

【メリット】子どもの興味や能力に応じたコースや講師が選べることも

特に塾の場合、どの分野の授業をどんな先生から学ぶか選択の幅が広がるので、講師が少ないニッチな学問であっても、子どもが興味を持った分野を伸ばしてあげやすくなります。
 
 

【デメリット】自宅に安定したインターネット環境と学習環境が必要

オンライン授業には、安定したネット環境と学習環境が必要。パソコンやスマートフォンなどのデバイスや、ヘッドセットやマイクなどの周辺機器、高速で安定したインターネット回線などです。

また、静かで快適で集中できる学習スペースも必須。そのため、オンライン授業によってあらたに費用負担や手間などが増えてしまう可能性もあります。
 
 

オンライン授業と対面授業の比較

オンライン授業と対面授業を比較すると、下記の表のようになります。
 
 
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子どもが部活や習い事で多忙を極める場合など、好きなタイミングや隙間時間で視聴できるオンライン授業が適しています。

【教師側】オンライン授業の効果的なやり方

学校の授業には単なる学習効果だけでなく、同級生とのかかわりあいなどコミュニケーションの場としての機能が求められます。実際にオンライン授業に対して、生徒からは「友達に会えなくて寂しい」という不満が生じがちです。

裏を返せば、オンライン授業は集団授業よりも個別指導との親和性が高く、授業効果が出やすいという側面があります。「勉強のための授業」「集団よりも個別」というポイントを押さえたオンライン授業であれば、満足度が高く学習目的が達成されやすいでしょう。オンデマンド配信を中心に、課題の提出を重視し、理解不足の生徒には補習の機会を与えるなどの工夫も有効です。

個別指導以外だとオンライン会議ツールを利用したグループディスカッションも効果的です。対面授業のグループディスカッションだと、物理的に席の近い生徒でグループを組むことが多く、グループ内での役割も固定化しやすく発言する生徒がいつも同じという風景がよく見られます。
一方、オンラインによるグループディスカッションだと、シャッフル機能でメンバーを振り分けることにより役割の固定化を防ぎ、発言の機会が増えると共に主体的に取り組む生徒が増加します。
 
 

【生徒側】オンライン授業の効果的な受け方や勉強法

オンライン授業の効果的な受け方としては、第一に環境の整備が重要。 安定した通信環境と授業の内容を把握しやすい端末を用意しましょう。
スマートフォンでもオンライン授業は受けられますが、共有された資料や黒板の文字が認識しやすいよう、なるべくディスプレイが大きなPCやタブレットを利用した方が良いでしょう。

集中して学習できる環境を整えたら、学んだことが定着しやすくなるよう、ノートを取る、復習する、質問するといった、対面授業でもオンライン授業でも変わらない勉強の基本を実践することが大切です。
 
 

子どもが安心して学べるオンライン学習環境を作るには?

オンライン学習環境は、学校・学習塾と保護者の両方が協力して作る必要があります。それぞれの役割について見てみましょう。
 
 

学校・学習塾の場合

学校・学習塾は、子どもが安心して学べるオンライン学習環境を作るために、オンライン授業の目的や内容、時間などを事前に明確に伝えること、オンライン授業に適したツールやプラットフォームを選ぶこと、子どもとのコミュニケーションを積極的に行うことが大切。

オンライン授業の課題をしっかりと共有し、子どもとのコミュニケーションを積極的に行うことで、生徒の孤独感解消に繋がります。
 
 

保護者の場合

保護者の場合、もっとも大切なことは子どもの学習環境を整えること。また、学習意欲をサポートし、子どもに学習計画や目標を立てさせたり、定期的な進歩や理解度を確認したりしましょう。
 
 

子どものオンライン授業のおすすめサイトやアプリ

「子どもが対面授業が苦手だからオンラインで学習させたい」「子どもをオンライン塾に通わせることを検討している」といった場合に適した、オンライン授業形式で学習できるおすすめサイトやアプリをご紹介します。
 
 

スタディサプリ

「スタディサプリ」はプロ講師による授業動画4万本が見放題のオンデマンド配信型のオンライン塾です。
 

スタディサプリには小学講座/中学講座/高校講座/大学受験講座/ ENGLSHと、小学生から社会人の英語学習まで網羅した幅広いカリキュラムが用意されています。中学講座からは動画授業見放題の「ベーシックコース」に加え、担当コーチが付きスケジュール作成や指導を行う「個別指導コース」があります。リクルートホールディングスの子会社であるリクルートマーケティングパートナーズが運営しています。

引用元: スタディサプリ公式サイト

・料金
小学講座/中学講座/高校講座/大学受験講座
ベーシックコース 月額2,178円、12か月払い21,780円(月当たり1,815円)

中学講座/高校講座/大学受験講座
個別指導コース(高校以降の名称は合格特訓コース)月額10,780円

・科目
小1~2 算数、国語
小3~6 算数、国語、理科、社会
中学~高校 算数、英語、国語、理科、社会

・無料体験など
14日間の無料体験あり(個別指導コースも含む)
 
 

東進オンライン学校

「東進オンライン学校」は東進と四谷大塚の実力講師陣による、通信教育に近い形の小中学生向けのオンライン塾です。
 

東進オンライン学校は毎週配信される授業を受ける形式になっています。授業を受けるだけでなく確認テスト、月例テストがあり理解度を確認することができます。小学部では実学年だけでなく1学年上のカリキュラムを選択することが可能。なお特定の講座・教科だけの申込みはできません。小学部は中学受験塾の老舗、四谷大塚が授業を担当。運営会社は東進ハイスクールを運営する株式会社ナガセです。

引用元: 東進オンライン学校公式サイト

・料金
小1~2   月額2,497円、12か月払い26,136円(月当たり2,178円)
小3~中3  月額3,762円、12か月払い39,336円(月当たり3,278円)

・科目
小1~2 算数、国語
小3~6 算数、国語、理科、社会
中1~3 算数、英語、国語、理科、社会

・無料体験など
14日間お試し入会あり。申込後14日以内に解約すると全額返金。
 
 

すらら

「すらら」は2012年度e-ラーニング大賞文部科学大臣賞を受賞した自宅学習向け無学年式のデジタル教材です。
 

すららは無学年式なので先取り学習も戻り学習も可能。多くの塾や学校で導入されており、ゲーム感覚で子どもが自ら学びたくなる対話型アニメーション教材です。自動でつまずきが診断されて克服できるプログラムを搭載したドリルも用意があります。株式会社すららネットが運営しています。

引用元: すらら公式サイト

・料金
【入会金】
 小中・中高5教科コース  7,700円
 小中・中高3教科、小学4教科コース 11,000円

【利用料金】
〈毎月支払いコース〉
 3教科(国・数・理・社)コース
  小中コース、中高コース 月額 8,800円

 4教科(国・数・理・社)コース
  小学コース 月額8,800円

 5教科(国・数・理・社・英)コース
  小中コース、中高コース 月額10,978円

〈4か月継続コース〉
 3教科(国・数・理・社)コース
  小中コース、中高コース 月額8,228円

 4教科(国・数・理・社)コース
  小学コース 月額8,228円

 5教科(国・数・理・社・英)コース
  小中コース、中高コース 月額10,428円

・科目
小1~2 算数、国語
小3~6 算数、国語、理科、社会
中1~3 算数、英語、国語、理科、社会

・無料体験など
すらら特別無料体験」【ページからレクチャー機能の一部を体験することができます。
 
 

まとめ

コロナ禍で始まったオンライン授業。アフターコロナとなり、制限はなくなってきたものの、メリットの大きいオンライン授業を引き続き行っている学校や塾もあります。学校・塾側、保護者側はオンライン授業をしっかりと理解することで、生徒・子どものデメリットをなるべく減らすことも可能です。

オンライン塾やデジタル教材も活用しつつ、子どもの勉強方法の選択肢を伸ばしましょう。