「ノマドワーカー」とは、スマートフォン・タブレット・ノートパソコンなどを使用し、シェアオフィスやカフェなどで場所に縛られず仕事する人を指します。なおノマド(nomad)とは、「遊牧民」を意味する英語です。
ノマドワーカーには翻訳家やエンジニア、ライターなど、パソコンやスマホがあれば1人で働くことができる時間/場所の自由度が高い職業が向いています。一方でカフェなどで仕事をすることが多いため、セキュリティ面が重視される職業には向きません。
ノマドワーカーの主要なワークスペースのひとつ、シェアオフィス。在宅百貨でもTSUTAYAが運営するシェアオフィス「SHARE LOUNGE」の各店舗を取材してきました。画像はTSUTAYA BOOKSTORE 下北沢店のSHARE LOUNGEです。
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ノマドワークの定義 | リモートワーク/テレワークとの違い
実は、ノマドワーカーとフリーランスはイコールではありません。「ノマドワーカー」は働く場所/時間に制約がなければ、個人事業主でも会社員でもありえます。
なお「ノマドワーク」と似た言葉には、「リモートワーク」や「テレワーク」があります。
「テレワーク」とは、情報通信技術を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことをいいます。「テレワーカー」が「ノマド」とは限りません。 「リモートワーク」とは近年使われるようになった言葉で、広義ではオフィス以外で働くこと全般を指し、狭義では在宅勤務の会社員の働き方を指すことが多いです。こちらもリモートで稼働しているからと言って、時間/場所の制限が無いとは限りません。
ノマドワーカーは具体的に何をしているの?職種の例
ただしセキュリティ面を重視する企業ではカフェやシェアオフィスのWi-Fiの利用が禁止されており、制約がある場合も。そのため「イコール」ではないとはいえ、基本的にはフリーランサーとの相性が良い働き方といえます。
ノマドワーカーの働く主な場所 | シェアオフィスやカフェなど
ちなみにシェアオフィスやカフェ以外だと、防音の利いたカラオケや、お手軽にリフレッシュできる日帰り温泉のワークスペースを利用している人もいます。
シェアオフィスにはフリードリンク各種や軽食が用意されていることが多く、居心地の良い空間で集中して仕事をすることができます。こちらの画像は SHARE LOUNGE 代官山 蔦屋書店のフードコーナーの例。ナッツ類やバナナチップスなどが充実しています。
ノマドワーカーのメリット・デメリット
一方で自己管理やコミュニケーション、セキュリティ面のリスクなど、注意点やデメリットも存在します。
メリット:場所・時間・外見の自由、ストレスの軽減
キャプション:ノマドワーカーは観光地で働く「ワーケーション」が可能。また稼働時間も服装/髪型も自由。総じて「ストレスから開放されやすい」働き方です。
インターネット環境があれば、場所に縛られることなく仕事ができます。シェアオフィスやカフェはもちろん、観光地やリゾートを旅行しつつ仕事をすることも可能です。
<時間>
出社する必要がないので通勤時間を削減できます。決まった時間に縛られることもないため、働く時間も自分で自由に決められるのもメリットです。子育てや介護など、家庭の用事に時間を取られる状況にある人も自分の裁量で働くことが可能です。
<外見>
スーツでいる必要がなく、好きな服装で過ごせます。また髪型や髪色、ピアスなども基本的に自由です。
<ストレスの軽減>
場所を変え気分転換をしつつ、自分のペースで仕事ができます。会社の人間関係や、人と話すことによるストレスから解放される側面もあります。
デメリット:セキュリティ、ワークスペースのコスト、自己管理責任、非対面コミュニケーション
最大のデメリットは「セキュリティ」。出先で仕事をする働き方自体が情報漏洩リスクが高いため、向かない仕事がそもそも多いです。また働く場所探し自体も大変な他、体調管理などもすべては自己責任です。
知識がないと、機密情報などの情報漏えいや、公共のWi-Fiでウイルスに感染してしまうなどのリスクがあります。万が一、何かあった場合はすべて自己責任なので注意が必要です。
<ワークスペースのコスト>
ノマドワーカーの場合、仕事をする場所は用意されていないので、自分で見つける必要があります。カフェなら飲食代、コワーキングスペースなら使用料が発生します。特に都心部のシェアオフィスは設備が充実しているものの、割高な施設も多いので時間当たりのコストを把握し利用しましょう。
<自己管理責任>
特定の勤務時間がないため、生活リズムやタスクの自己管理能力が求められます。会社員であれば健康診断も会社主導で行われますが、そういった用意もないため自ら人間ドックを受けるなど体調の自己管理能力も問われます。
<非対面コミュニケーション>
基本はビジネスチャットツールを使ってやり取りをするため、オンラインコミュニケーションに慣れていないと相手に自分の意図を上手く伝えられず、円滑な仕事のやり取りに支障をきたすおそれがあります。気軽に疑問点が聞ける同僚なども存在しないため、細かなことが解決できないなどトラブルが起きてしまう可能性も考えられます。
ノマドワーカーに必要な条件/作業環境の作り方&あると便利なアイテム
スキル
ノマドワーカーに適した作業環境の作り方
ノマドワークに適した場所・環境の条件には「フリーWi-Fiや電源がある場所」「長時間の利用が可能な場所」「(できれば)個室」といったものが挙げられます。これら全ての条件を満たすスポットは地域にもよって違うでしょう。ちなみに筆者の場合は「バグース」などネットカフェがおおむねこれらの条件を満たしています。
そのほかには空港や新幹線の待合室やラウンジ、ネットカフェや漫画喫茶の個室、ビジネスホテルなども挙げられます。最近デイユースが可能なホテルも増えています。
持ち物 | 最低限必要なアイテム
エンジニアやブロガー、アフィリエイターなどノマドワークとの親和性が高い職種では、いずれも「パソコン」が必須です。ネットカフェなど店舗にPCが備え付けられている場合でも、PCは「持ち込み」をおすすめします。
たとえばエンジニアの場合、店舗の端末で開発環境を整備すること自体に時間がかかるうえ、端末のセキュリティソフトの関係上「インストールできないアプリ」などもあることが考えられます。
また不特定多数が触る可能性がある端末に、自身の個人情報を入力することは「働き方」として問題があるでしょう。
<スマートフォン>
ノマドワーカーは仕事のやり取りをメールやチャットツール、SNSですることが多いです。スマートフォンなら移動中にも返信が可能です。また移動する時の地図代わりにしたり、キャッシュレス決済をしたりと、手荷物を減らすのにも役立ちます。Wi-Fi環境が悪い際のテザリング用機器としても欠かせません。
<ポケットWi-Fi>
ポケットWi-Fiを携帯していれば、ネット環境が整っていない場所でも仕事ができます。またフリーWi-FIなどを利用するよりも、セキュリティ面で信頼性が高いです。
持ち物 | あると便利なアイテム
<電源ケーブルとモバイルバッテリー>
パソコンやスマートフォンのバッテリーの持続力は年々向上していますが、電源が切れてしまうと仕事になりません。
モバイルバッテリーを持っていれば、コンセントがない場所や緊急事態にも対応できます。電源ケーブルとバッテリーは、失くさないようポーチやテレワークバッグに一セットにして持ち歩くのをおすすめします。
<ワイヤレスイヤホン>
仕事中に周りの物音がうるさいと、気になって集中できないことがあります。外で仕事をすることが多いノマドワーカーには、ノイズキャンセリング付きのワイヤレスイヤホンがおすすめです。好きな音楽を聴きながら仕事ができるので、ストレスを感じにくいでしょう。通話できるタイプなら、そのまま電話に出ることやリモート会議に参加することも可能です。
ノマドワーカーにおすすめの便利なアイテム
Rooney(ルーニー):ワークスペースをそのまま持ち運べる
テレワークバッグ:仕切りとしても使えるスマートな収納
仕事の小物をひとまとめにできる、スマートな2面式の箱型収納バッグ。立てて置けるため、省スペースで小物が取りやすいだけでなく、周囲との仕切りにもなります。コンパクトなサイズなので、仕事用バッグに入れて持ち運べます。