テレワークによって自宅で過ごす人たちが増え、ライブ配信によるショッピングが気軽に楽しめるようになりました。また、ライブ配信では商品の紹介だけでなく、配信者との会話や視聴者同士の交流もできるため、SNSのようにコミュニケーションできるという側面も。
特に通販専業のお店や個人のクリエイターは、顧客とのコミュニケーションや販促を積極的に行っています。
ライブコマースの魅力や事例、トレンド、未来やおすすめのアプリなどを5分でわかりやすく解説します。
ライブコマースとは?ライブ配信とECを掛け合わせた新しい販売手法
ライブコマーズでは、たとえば商品が食べ物の場合、販売者がライブ配信で調理。その場でECに誘導して生産者から視聴者(顧客)に食材を直送するといったことができます。
芸能人やインフルエンサーがライブコマースを行い、商品を販売する動きも活発になりました。たとえばau PAY マーケットのライブコマースサービス「ライブTV」で、お笑いコンビ「しずる」など吉本興業の芸人が話題の商品を紹介、販売する『生配信!よしもと市場』は2021年3月にスタートし、2023年3月現在も配信が行われています。
また、2021年11月に楽天グループが「楽天市場ショッピングチャンネル」を開設するなどライブコマースが日本でも定着しつつあります。
ライブコマースには、配信者と視聴者の双方向コミュニケーションによる強い結びつきを実現し、実店舗での接客と同じように購買満足度を得てもらえること、配信のエンターテインメント性によって視聴者がファンになってくれること、視聴者同士の交流が生まれコミュニティが形成されるといったメリットがあります。
ライブコマースのメリット:視聴者とのコミュニケーションによる購買意欲の高まり
ライブコマースのメリット :数千人~数万人に同時にアプローチ可能
例えば2021年4月1日放送の『クローズアップ現代』(NHK総合)では「コロナ禍で“爆売れ”急拡大ライブコマース」を特集。放送内では、福岡で中古ブランド品店を経営し、ライブコマースに取り組み月1億円以上売り上げる李成倫さんが取り上げられました。
李さんは福岡に住みながら中国に住む5万人近くをターゲットとし、テレビショッピングさながらの話術でライブ配信を敢行。配信中に寄せられたコメントにもすぐに答え、番組内で紹介されたライブ配信では10時間以上かけて700万近くを売り上げていました。
ライブコマースのメリット:インフルエンサーの起用も可能
販売にエンターテインメント性を付加し、そのインフルエンサーのファンも集めることができ、話題を呼びやすくなります。
ライブコマースの成功事例:コクヨ中国、UNIQLO LIVE STATION
コクヨ中国
コクヨも中国でライブコマース!
中国市場でもコロナ禍によりオンライン販売の需要が高まり、コクヨの中国支社が消費者と対話しながらライブ販売を行い、ライブコマースを中国最大手のECモールで展開しています。2021年11月「独身の日」にインフルエンサーを起用したライブコマースの販売実績はなんと20分で日本円およそ3千万以上、ライブ閲覧者100万人以上達成!中国での事業拡大にはライブコマースを有効に実施し続けなければならないですね。
UNIQLO LIVE STATION
ライブコマースを始める前に準備しておくべきこと
・配信の目的と何を売るのか
・配信者(ライバー)は誰か、配信場所はどこか
・配信ツールは何を利用するのか
・配信の告知・集客
・配信機材は何にするのか
配信の目的と何を売るのか
配信者(ライバー)は誰か、配信場所はどこか
また、配信を実際に行う場所の確保も必要。社内や貸会議室などを利用する場合はあまり問題になりませんが、たとえば飲食店の店内を利用したい場合は、事前に配信場所として利用する許可が必須です。
配信ツールは何を利用するのか
たとえばZ世代は、
・TikTokで商品の存在を知る
・YouTubeやInstagramなどで、インフルエンサーがその商品を紹介している動画や画像をチェックする
・TwitterやInstagramで、実際にその商品を使っている人の口コミを調べる
・商品を購入する
といった導線で商品を購入するので、商品の認知を高めたいのであれば、TikTok動画が配信ツールとして最適なケースがあります。一方で、「直接商品を販売する」ことが目的であれば、インスタライブの方が向いているでしょう。
ライブコマースの配信ツールとしてよく利用されるプラットフォームには「HandsUP」や「TAGsAPI」が挙げられます。また「Instagram」のインスタライブを使用した配信も増えています。
配信の告知・集客
配信機材は何にするのか
ライブコマースの始め方 | ライブコマース導入に使えるアプリ・サービス5選
HansUP(ハンズアップ)
SHOPROOM(ショップルーム)
TAGsAPI(タグズエーアイピー)
TAGsAPIは自社ECサイトにライブコマースを導入できるツールで、専任コンサルタントによるサポートがあり、操作もシンプルで簡単です。アパレルブランドのベイクルーズが運営する「ベイクルーズストア」や、ウェルネスセレクトショップ「FiNC MALL」などで導入されています。
引用元: TAGsAPI公式サイト
ライコマ
自社ECサイトでのライブ配信でもシームレスな購入導線を実現するライコマ。ユニクロやSHIPSのECサイトでは、ライコマのECカート連携機能を活用して自社サイトにおけるスムーズな購入体験を提供しています。
引用元: ライコマ公式サイト
Instagram(インスタグラム)
Instagramにおけるライブコマースの方法は、「Instagramライブ」配信中に、商品ページへのリンクの表示や、コメント欄で購入方法の案内を行い、配信後にはストーリーズに保存して、見逃した人や再度見たい人にもアクセスできるように行います。Instagramは多くのユーザーが利用しているSNSなので、気軽にライブコマースに参加してくれる可能性が高く、インフルエンサーとのコラボレーションもしやすくなっています。
引用元: Instagram公式サイト
ライブコマースの成果を分析するための指標や方法
①定量効果
・視聴者数
・購入者数
・購入率
・平均単価など
②定性数値
・視聴者のコメント
・レビューや口コミ
・配信者の評判など
まずは「誰が見ても同じ認識を持つ」ことが可能な定量効果をきちんと測定することから始めましょう。
ライブコマース導入当初は配信を行うだけで精一杯で、定量効果の把握も大変ですが、余裕が出てきたら「質」にかかわる定性的な部分にも注目しましょう。
海外のライブコマースの動向や日本のライブコマースの課題と未来
アメリカでは、AmazonやFacebookなどの大手企業がライブコマースに参入しています。またヨーロッパでは、ZalandoやH&Mなどのファッション系企業がライブコマースを展開しています。
日本ではまだまだライブコマース自体の認知度が低いですが、将来的には中国や欧米からノウハウや技術の導入が進むことにより、専門的なサポートやプラットフォームが充実し市場の拡大が期待されます。
まとめ
日本でも多くのEC事業者やブランドが取り組み始めています。今後ライブコマース専用のプラットフォームや機能がさらに充実し、より多様な業界や商品カテゴリーでライブコマースが展開されることが予想されます。ぜひチャレンジしてみてください。