新幹線通勤はつらい?メリットや自治体の補助例や定期代目安を解説

長距離を通勤するイメージのある新幹線通勤。「つらいのでは?」というイメージもありますが、実際はどうなのでしょうか。この記事では、新幹線通勤のメリットや、実際に新幹線通勤をしていた筆者の体験談をご紹介します。

地方から都心に通勤する新幹線通勤。「移動時間がかかりそう」「交通費が高額」というイメージがありますが、本当に新幹線通勤はつらいのでしょうか? 実は、新幹線通勤にはメリットも多くあり、自治体や企業によっては、新幹線通勤者に対する補助金制度もあります。

この記事では、新幹線通勤のメリットやデメリット、補助金制度の例や定期代の目安などを解説します。
 

新幹線通勤はつらい?

新幹線通勤がつらいと感じるかどうかは、個人の価値観やライフスタイルによって異なります。
 
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地方に住みながら都会に通勤する人は、田舎暮らしやリゾート暮らし、地元などでの暮らしを楽しみつつ、仕事はきちんとしているような人が多いでしょう。

定期券代が高くても通勤手当や地方自治体の補助金制度でカバーできる場合や、通勤時間が長くても新幹線の車内で仕事や趣味を楽しめる方であれば、新幹線通勤はつらくないと感じるかもしれません。
 
 

【結論】地方の家賃と定期券の価格、身体的な負担を総合的に考慮

新幹線通勤の最大のメリットは、都心部よりも安い家賃で暮らしつつ、豊かな自然や文化などを通じて生活の質を高めることができること。
一方、長時間の新幹線通勤は身体的に負担がかかったり、ストレスになったりすることも。また、長時間の通勤は疲労や睡眠不足を招くこともあります。

そのため、新幹線通勤は地方の家賃と定期券の価格、身体的な負担やストレスのバランスを見極めることが必要です。
 
 

【例】新幹線通勤の定期代の目安

新幹線通勤の定期券代は、通勤区間や乗車クラス、利用回数などによって異なります。
たとえば、東京まで通勤できる地方の駅からの新幹線の定期代の目安は以下の通り。

■東海道新幹線
1ヶ月 3ヶ月
東京~小田原 73,930円 210,710円
東京~熱海 86,990円 247,960円
東京~三島 93,930円 267,690円
東京~静岡 136,330円 388,590円
東京~浜松 188,400円 536,960円
■東北新幹線
1ヶ月 3ヶ月
東京〜小山 78,740円 224,480円
東京〜宇都宮 103,940円 296,200円
東京〜那須塩原 132,120円 376,550円
東京〜新白河 145,160円 413,680円
東京〜郡山 181,840円 518,240円
■上越新幹線
1ヶ月 3ヶ月
東京〜熊谷 71,260円 203,100円
東京〜本庄早稲田 81,130円 231,230円
東京〜高崎 103,600円 295,270円
東京〜上毛高原 129,370円 368,680円
東京〜越後湯沢 151,620円 432,100円

ちなみに新幹線通勤はそもそも安い?高い?

たとえば小田原から新幹線通勤をする場合、定期の購入費用と、通勤のたびに毎回乗車券を購入する費用を比較してみました。

・東京~小田原 運賃・特急料金(通常期/指定席) 片道 3,810円
・1日の乗車運賃 3,810円×2=7,620円
・月に20日間の出勤 7,620円×20日=152,400円

【都度乗車 1か月の運賃】152,400円
【定期1か月分の料金】73,930円

つまり、定期券を購入すると1か月で78,470円安く通勤することが可能です。
 
 

新幹線通勤利用者向けの補助金制度がある自治体の例

新幹線通勤の定期券代が高いというデメリットを軽減するために、一部の自治体では、新幹線通勤利用者向けの補助金制度を設けています。例えば、以下のような自治体があります。
自治体名 月額上限
埼玉県熊谷市 2万円
栃木県小山市 1万円
栃木県宇都宮市 1万円
群馬県沼田市 2万円
群馬県みなかみ市 3万円
新潟県湯沢市 5万円

新幹線通勤に対する勤務先の通勤手当の上限も要チェック

新幹線通勤利用者向けの補助金制度は、自治体からの支援だけでなく、勤務先からの通勤手当も含めて考える必要があります。通勤手当は、勤務先によって支給額や上限額が異なりますが、一般的には、在来線の通勤定期券の価格を基準にしています。そのため、新幹線通勤の定期券代が通勤手当の上限額を上回る場合は、自己負担が増えることになります。
 
 

新幹線通勤のメリット

新幹線通勤のメリットをまとめました。
 
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意外と通勤圏内の地方も多い

新幹線は長距離移動が可能となるため、自分が住みたい地方が通勤圏内に。例えば、静岡県や山梨県、群馬県などは東京から新幹線で1時間以内で、充分通勤圏内。また、新潟県、福島県なども2時間掛ければ通勤可能です。地方は、東京とは違った魅力があり、自然や歴史、グルメや温泉などを日常的に楽しむことができます。
 
 

地方は家賃が安い

都会は家賃が高く、広さや立地などにも地方に比べて制限があります。しかし、地方では、家賃が安く、好立地の環境で住めることもあります。

筆者が不動産サイトで調べたところ、たとえば世田谷区の平均家賃は8.7万円でしたが、静岡市は約5万円ほど。家賃を大幅に節約できるのは大きなメリットです。
 
 

新幹線はほぼ確実に座席に座ることが可能

在来線の通勤は満員電車で座ることはほとんどできないイメージがありますが、それに比べると新幹線は座っての乗車がしやすい傾向にあります。

ちなみに新幹線の定期は、自由席のみ利用が可能です。
 
 

新幹線の車内でも仕事ができる&電源確保が可能

すべての新幹線に設置されているわけではありませんが、、車両や座席によってはWi-Fiサービスの利用や電源コンセントの利用が可能。その場合、通勤時間を有効に活用して車内でメールの返信や書類作成、スマートフォンの充電ができます。
 
 

在来線よりもはるかに出勤しやすい

当然ながら、新幹線は在来線に比べて同じ区画を走行しても圧倒的に時間を短縮できます。

■東海道新幹線(7時台)
新幹線 在来線
東京~小田原 33分 1時間26分
東京~熱海 43分 1時間58分
東京~三島 50分 2時間18分
東京~静岡 59分 3時間26分
東京~浜松 1時間24分 4時間52分
■東北新幹線(7時台)
新幹線 在来線
東京〜小山 40分 1時間25分
東京〜宇都宮 52分 1時間51分
東京〜那須塩原 1時間8分 2時間51分
東京〜新白河 1時間26分 3時間38分
東京〜郡山 1時間18分 4時間36分
■上越新幹線(7時台)
新幹線 在来線
東京〜熊谷 37分 1時間9分
東京〜本庄早稲田 46分 在来線の乗り入れなし
東京〜高崎 56分 1時間52分
東京〜上毛高原 1時間4分 在来線の乗り入れなし
東京〜越後湯沢 1時間6分 3時間56分
つまり、たとえば通勤時間に「1時間」という時間を取っていた場合、在来線で通うよりも新幹線で通勤した方が都心より遠い場所から通勤することができます。
 
 

新幹線通勤のデメリット

新幹線通勤のデメリットをまとめました。
 
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定期券代が高い:通勤手当の支給上限を上回るケースも

厚生労働省「令和2年就労条件総合調査」によると、通勤手当の平均額は月11,700円。一方、たとえば東京~三島での通勤を考えた場合、新幹線の通勤定期券は、月額約9万円台と平均額を大きく上回ることになります。 このようにみると、新幹線通勤の定期券代は、通勤手当の支給上限を上回ることも多く、企業によっては自己負担が増えるケースもあります。
 
 

通勤時間が長くなることが多い

新幹線の移動時間は大幅に短縮できますが、在来線と違い本数が少なくなることもあるため、一本逃すと、待ち時間と併せてトータルの通勤時間が長くなることも。
 
 

終電が早くなる

たとえば東京〜高崎間の終電は在来線が23:19で、新幹線が23:00。東京~宇都宮間の終電は在来線が23:08で、新幹線が22:44。
つまり、終電は在来線よりも早くなることが多い傾向にあります。
 
 

まとめ

新幹線通勤は、自分が住みたい地方が通勤圏内になるという点や満員電車を避けられるといった点は大きなメリット。一方、定期券代が高いことや通勤時間が長くなるというデメリットもあります。
移動時間も楽しめる、自宅は都会よりも落ち着いた田舎で生活したいなど、個人が生活の中で大切にしたいライフスタイルや価値観によって検討することが必要です。

なお筆者自身も、都内のIT企業に地方から新幹線通勤していた経験を持つ一人。使用していた新幹線は、上越新幹線。都内までの通勤定期は月10万円ほど。筆者の場合は、当時の勤務先企業の通勤手当の上限の範囲内であったため、問題なく通勤定期を入手することができました。新幹線の車内でも問題なく仕事ができたほか、都内に住んでいる時よりも「座ることができる」メリットが大きく「早朝の満員電車で押しつぶされながら立ちっぱなし」というストレスは減りました。新幹線の中で寝ることもできます。

住環境が良くなったことも大きく、特に子どもがいる方や、ペットを飼っている方などには地方移住+新幹線通勤はおすすめできる選択肢の1つです。 一方で勤務先自体も都内の最寄り駅からやや遠かったため、新幹線通勤になってからは乗り換え含めてドアトゥドアで2時間。往復4時間の移動となりました。この点は負担でもあり、結果として段々と「週数日はテレワーク」といった働き方へと自分の仕事を切り替えていったのも正直なところです。

なお「月10万円」などの通勤手当の補助を受けることが難しいケースもあるでしょう。その場合は、たとえば「週の大半は地方でテレワークしつつ、必要に応じて時折出勤」などとすることで、定期券を購入せずに都内に出勤するという手もあります。 また本記事内でご紹介した通り、新幹線通勤の利用者向けの自治体の補助を使うという手もあります。

「新幹線通勤の定期代が、勤務先企業の通勤手当の範囲内か」
「該当する地方自治体に補助制度があるか」
「仮に定期代が一部自腹になったとしても、地方に住むメリットが上回るか」
「勤務先企業はテレワークが可能か。週5日の出勤は不要か」
といった点を事前にチェックしておけば、新幹線通勤は意外と身近な出勤の手段になり得ます。