意外と難しい「テキストコミュニケーション」の文章作成のコツ:テキストで業務連絡する際のポイントは?

ビジネスシーンにおいて主流になりつつあるテキストコミュニケーション。文章作成の具体的なコツについてご紹介します。

ビジネスチャットなどで効率的な情報共有やコミュニケーションが可能になったいま、ビジネスシーンにおいて「テキストコミュニケーション」は必須スキルと言って過言ではないのでは。
しかし、対面でのコミュニケーションとは異なり、テキストコミュニケーションには独特の難しさがあります。
この記事では、テキストコミュニケーションの重要性やメリット・デメリットと文章作成の具体的なコツについて詳しく解説します。
 
 

「テキストコミュニケーション」が重視される理由

テレワークやハイブリッドワークが普及したことで、社内外の人とのやり取りは「ビジネスチャット」が主流になりつつあります。緊急性の高いやり取りやクリエイティブな議論をしたいときは対面MTG、そうでないときはビジネスチャットでのやり取りと分けている部署も多いのでは?
テキストコミュニケーションは「相手の業務を遮らずに連絡できる手段」として定着しており、いまやビジネスマナーのひとつといえるでしょう。
 
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もっともテキストコミュニケーションにはメリットとデメリットがあります。それぞれ詳しくご紹介します。
 
 

【詳細】テキストコミュニケーションのメリット

テキストコミュニケーションのメリットは以下の通りです。
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【1】やり取りが残る

テキストコミュニケーションの大きなメリットは、やり取りが記録として残ることです。口頭での会話と異なり、後から内容を確認することができるため、情報の共有や引き継ぎがスムーズに行えます。
またトラブルが発生した際にも、やり取りの記録を辿ることで、原因の特定や解決策の検討がしやすくなります。
 
 

【2】相手の業務を遮らずに連絡ができる

テキストコミュニケーションは電話や対面での会話とは異なり、相手にとっては都合の良いタイミングで返信できるため、業務の中断を最小限に抑えられるメリットもあります。
対面での会議ややり取りが「同期的」な働き方だとしたら、テキストコミュニケーションを主軸にした働き方は「非同期的」と言えます。相手の時間を強制的に奪うことがない働き方と言えるため、緊急性が低い業務での連絡はテキスト主体の方が適するでしょう。
 
 

【3】複数人で情報共有しやすい

テキストコミュニケーションは、複数人で情報を共有しやすいというメリットもあります。メーリングリストやグループチャットを活用することで、関係者全員に同じ情報を伝達できます。また、やり取りの記録が残るため、新しいメンバーが途中から参加した場合でも、過去の経緯を把握しやすくなります。
 
 

【詳細】テキストコミュニケーションのデメリット

テキストコミュニケーションのデメリットは以下の通りです。
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【1】「感情」や「細かなニュアンス」は伝わりづらい

テキストコミュニケーションのデメリットとして、感情や細かなニュアンスが伝わりづらいことが挙げられます。
 
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たとえば対面で「了解」と返事をした場合、表情やニュアンス込みで伝えることができますが、テキストだけだとそっけない印象に。そのため、「了解です!」「ありがとう! 助かりました!」など、感嘆符込みで伝えるといいでしょう。

「言外のニュアンス」のようなものはほぼテキストコミュニケーションでは伝わらないため、ビジネスチャットなどでのやり取りは想像以上に「言語化能力」や「構成力」が求められるでしょう。
 
 

【2】緊急時の連絡には向かない

テキストコミュニケーションは、即時性に欠けるというデメリットもあります。相手がメッセージを確認するまでに時間がかかる場合があるため、緊急時の連絡には向いていません。重要な案件や締め切りが迫っている案件については、電話や対面でのコミュニケーションを併用するといいでしょう。
 
 

【3】一度に盛り込める情報はどちらかと言えば少なめ

テキストコミュニケーションでは、一度に盛り込める情報量が限られています。長文のメッセージは読みづらく、要点が伝わりにくくなってしまいます。長文になると読み手の負担が増し、重要な情報が埋もれてしまう可能性もあります。
できるだけ情報を簡潔にまとめるスキルが求められますし、迷ったら「一度に伝えることは一つに限定する」のが良いでしょう。
 
 

テキストコミュニケーションの文章作成のコツ

テキストコミュニケーションは想像以上に「言語化能力」や「構成力」が求められるのは、前述の通りです。そこでここからは、テキストコミュニケーションにおける文章作成のコツをご紹介します。
 
 

用件は「できるだけ1つに絞る」

テキストコミュニケーションにおいては、用件はできるだけ1つに絞りましょう。この根拠はメラビアンの法則。コミュニケーションにおいて、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%の割合で相手に影響を与えるという心理学の考え方です。
 
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つまり「何かを伝えたい」と思っても、一般的に言語で伝えられる情報は7%。大抵のコミュニケーションの場では、人は視覚情報や聴覚情報を頼りにしており、言語は「重視していない」と言っても過言ではないです。
想像以上に「テキストコミュニケーション」は伝わらないと思った方が良く、複数の用件を一度に長文で送っても中々伝わりません。
どうしても長文を送らざるを得ない場合は「不明点あればお電話ください」などと、他のコミュニケーションの方法も自ら提案することをおすすめします。
 
 

「行間を読む文章」はNG

テキストコミュニケーションでは、「行間を読む」ような文章は避けるべき。結論やその裏付けとなるデータ、根拠などが重要です。
 
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相手は手っ取り早く「結論」を知りたがっています。曖昧な表現や暗示的な言い回しは、誤解を生む原因となったり、相手に上手く伝わらない原因になったりします。明確で具体的な表現を心がけ、相手に正確な意図が伝わるようにしましょう。

迷ったら「結論から言えば」を可能な限り書き出しに持っていき、結論を箇条書きにしながら文章を書くことをおすすめします。
「結論」と「箇条書き」で情報がまとまるようになるので、読み手にとっては長文より意味が分かりやすいです。
 
 

結論を補足する背景や根拠も簡潔に述べる

結論だけでなく、その背景や根拠も簡潔に述べることが大切です。相手にとっても「結論に至った経緯」を理解できるよう、必要最小限の情報を提供します。ただし、長々と説明するのは避け、簡潔な文章を心がけましょう。
 
 

5W1Hも意識する

結論に何を書くか迷ったら、5W1H(Who, What, When, Where, Why, How)を意識することも効果的です。「誰が」「何を」「いつ」「どこで」「なぜ」「どのように」という情報を盛り込むことで、相手に伝えるべきポイントを整理して、上手く伝えることができます。

以下は書き方の例です。カッコ内は解説目的の補足のため、実際に文章を書く際は割愛して問題ありません。

・結論:◎◎部門(※誰が)にてビジネスSaaSを(※何を)2024年9月より(※いつ)、業務効率化を目的に(※なぜ)導入します。さらなる導入目的や料金の詳細、使い方などは後述します。不明点あれば対面MTGでもご説明します

といった書き方を意識しつつ、長文では伝わりづらい箇所は直接のコミュニケーションを持ち出すと簡潔です。
 
 

テキストコミュニケーションは「即レス」も重要

テキストコミュニケーションでは、「即レス」も重要なポイント。自分の返信を待つ相手の業務を停滞させてしまうことがあります。自分が返信できるタイミングで速やかに対応することで、円滑なコミュニケーションが実現します。ただし、深い考えが必要な場合は、一旦持ち帰って検討することも必要です。
 
 

テキストコミュニケーションで「冷たい印象」を与えないコツは?

テキストコミュニケーションでは、「冷たい印象」を与えないよう注意が必要です。絵文字や記号を適度に使用したり、相手の立場に立って丁寧な言葉遣いを心がけたりすることで、柔らかい印象を与えられます。また、相手の意見を尊重し、謙虚な姿勢で接することも大切です。
 
 

まとめ

テキストコミュニケーションは、ビジネスシーンにおいて欠かせないスキルとなっています。メリットを活かしつつ、デメリットを補うような工夫が求められます。用件を絞り、結論ファーストで伝え、簡潔な文章を心がける。即レスを心がけつつ、行間を読む文章は避ける。そして、冷たい印象を与えないよう、言葉遣いや態度に気を配る。これらのコツを押さえることで、効果的なテキストコミュニケーションが実現します。