「これから需要が増える仕事」10選:業界例と役立つ資格の例も解説

労働市場が変化していく今後に備えて「これから需要が増える仕事」を知っておくことは大切。これから需要が増える仕事とはどんな仕事なのでしょうか? ご紹介します。

テレワークやハイブリッドワークといった働き方が定着し、なおかつAI、IoT、ビッグデータなどの先端技術が進歩した近年、労働市場のニーズもまた大きく変化しつつあります。
特にコロナ禍~アフターコロナに学生時代を過ごし、新社会人となった方々は、学生時代に人生観が変わるほどの社会の変化を体感しているはず。仮に新卒で就職したとしても「これからどんな仕事が、需要が増えていくのだろう」というのは常に気になることでは?
この記事では、これから需要が増える仕事を10選ピックアップし、それぞれの職種の特徴や求められるスキルを解説します。
 
 

そもそも「これから需要が増える仕事」とは?

「これから需要が増える仕事」とは、将来的に社会や経済の変化に伴って必要性が高まる職種を指します。
そして2024年現在は、AIの発展により「人間の仕事が奪われる」「多くの仕事がなくなる」とも言われています。
そのような状況であっても「慢性的に人材が不足している場所」や「AIでは解決できない仕事」は需要が増えていくと言えるでしょう。
 
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たとえば人間同士のコミュニケーションがどうしても必要な仕事や、クリエイティビティが必要な仕事などです。また、医療、介護、看護など、少子高齢化に伴い需要が高まる業界もこれからますます人手不足になると思われます。

これから需要が増える業界の例

これから需要が増える業界の典型例として、医療、介護、物流、IT業界が挙げられます。 まず医療や介護、物流はAIが代わることのできない職業です。特に医療や介護は医師免許や介護職員初任者研修などが求められ、AIが代替できない領域が絶対に残る業種・職種の1つです。

IT業界は「AIそのものを手掛ける側」という特徴があります。AI・IoT・ビッグデータ関連の技術者や、それらを活用したサービスを開発するエンジニアが求められるでしょう。2030年には最大79万人のIT人材が不足するとの試算も、経済産業省は発表済みです。

一方で「人手が余り気味」だったり、需要が不安定になりやすい職種もあります。
 
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逆に航空業、観光業、飲食は需要が不安定になりがち。また、コスト高が続いたことにより、アパレル業界も雇い止めを行っている傾向にあります。

【男女共通】これから需要が増える仕事10選

ここからはより具体的に「これから需要が増える可能性が高い仕事の例」を10個、在宅百貨編集部が選定したうえでご紹介します。
 
 

【1】ITエンジニア

まずは先にもご紹介した「ITエンジニア」です。AIやビッグデータ、IoTなど先進的な技術を使った開発を手掛ける側の人材に位置付けられます。先端技術を活用した開発ができるエンジニアは、今後、特に重宝されるでしょう。
 
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なおAIなどの技術を直接的に扱うことができない場合でも、エンジニアには安定的なニーズが見込まれます。AIを間接的に扱ったWebサービスも、今後はさらに増えていくでしょう。
すると、
・Webサービスの見た目や裏側を作るエンジニア
・Webサービスのインフラを担当するエンジニア
・Webサービス開発の進捗管理やディレクションを担当するPM
なども必要となるためです。
 
 

【2】コンサルタント

コンサルタントは企業や組織の課題を分析し、解決策を提案する専門家です。経営戦略、IT、人事、財務など、様々な分野に特化したコンサルタントがいます。

コンサルタントは意外と「泥臭い」仕事の1つです。分析力やプレゼンテーション能力が求められる職種ではありますが、その分析やプレゼンを「信用できる」と周囲に印象付ける人柄や努力も必要です。
そのため優秀なコンサルタントは、顧客企業に「その企業の社員より早く出社し、その企業の社員の誰よりも遅くまで残る」という場合もあります。先進的な技術が発展としたとしても、その導入可否を決めるのは人間であり、裁量を持つ上司などの信頼を勝ち取る役目も人間のものです。
よってコンサルタントのニーズも底が堅いでしょう。
なお基本的に求められる能力は論理的思考力、分析力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力など。MBA(経営学修士)などの高度な専門知識を持つ人材や、業界経験が豊富な人材が適しています。
 
 

【3】データサイエンティスト

データサイエンティストは、ビッグデータを分析し、ビジネスに役立つ知見を導き出す専門家です。企業のデータ活用ニーズの高まりにより、ビッグデータ解析が必要な現場ではエンジニアやコンサルタントよりも採用ニーズが高いケースもあります。
データサイエンティストには、統計学、機械学習、プログラミングなどの専門スキルが必要です。
またビジネス理解力、コミュニケーション能力、課題発見力も重要です。 何故ならばデータサイエンティストに業務を委託する側の経営者らは、統計学や機械学習の専門家であるとは限りません。また統計的に何らかの答えが出たとしても、その答えを経営にどう生かせるかのアドバイスや知見が得られないのであれば、業務を依頼した価値がないと感じやすいでしょう。
つまり専門性が極めて高い業務だからこそ、専門外の人とのコミュニケーションも意識した「人間らしい振る舞い」も求められる役職と言えます。
 
 

【4】Webマーケター

Webマーケターは、オンライン上でのマーケティングの戦略立案と実行を担当します。たとえば、リスティング広告、SEO施策、SNSマーケティング、ランディングページの最適化などがその仕事です。
テレビ、新聞、雑誌、ラジオに代表されるマスメディアの広告市場が衰退傾向にある中、インターネット広告市場は伸長。2022年にはネット広告が3兆912億円、マスメディア広告が2兆3,985億円となり、両者の広告費は逆転しています。
先端技術がどれだけ発展しようとも、それらを導入する民間企業や行政、個人などが現れなくては市場は拡大しません。つまり「広告手段」としてWebマーケティングは今後も定着し、市場が伸びていく可能性が高いです。
 
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Webマーケターには、データ分析力、企画力、クリエイティブ思考、コミュニケーション能力が求められます。
またデジタルマーケティングの専門知識だけでなく、消費者心理や市場動向の理解も必要です。
 
 

【5】動画編集者

インターネット広告市場が今後も伸びる可能性が高いのは前述の通りです。そして広告市場において、注目されているクリエイティブが「動画」です。
YouTubeやSNSでの動画需要の高まりにより、動画編集者の需要は増加しています。動画編集者には編集ソフトの操作スキルがまず求められます。
またクライアントとのコミュニケーション能力や納期管理、またその動画を見た視聴者が「どのタイミングで離脱してしまいそうか」「どういったカットに不快感を感じるだろうか」「どの部分に字幕が必要だろうか」といった細かな気遣いも重要です。

ちなみに筆者の知人の、心理学系のYouTuberの方は「ブレス(呼吸音)」を長尺の動画でもショート動画でも全てカットするという工夫をしています。その理由は「YouTube動画は意外と電車で音声だけ聴いている人も多い。イヤホンで呼吸音を耳にするのは想像以上に気持ち悪い」からだそう。
そうした細かな工夫や視聴者への配慮も、求められる職種の1つでしょう。
 
 

【6】キャリアカウンセラー

キャリアカウンセラーは、個人のキャリア形成を支援する専門家です。終身雇用の崩壊やキャリアの多様化により、「働き方」の考え方も大きく変わりました。
転職やフリーランスへの転身が当たり前になる中、転職支援や独立支援のニーズも高まり、キャリアカウンセリングのニーズは高まっています。

なおキャリアカウンセラーの仕事は大きく分けて「企業向け」「個人向け(※学生向け含む)」に分けられます。
企業向けの仕事内容としては「研修」など社員育成のサポート。
個人向けとしては就活・転職活動の支援やキャリア指導などが挙げられます。セミナー講師として登壇することも多いです。
 
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「転職」や「独立」などはその人の一生を変える可能性がある、大きな決断です。そうした決断を間近で見守る存在になるからこそ、キャリアカウンセラーにはAIには代替されづらいレベルのコミュニケーション力が求められます。
 
 

【7】営業職

営業職は対面営業からインサイドセールスまで、多様な形態があります。
ちなみに先にご紹介した「キャリアカウンセラー」は人材紹介会社などでは、法人向けのリクルーティングアドバイザーを兼ねることがあります。このリクルーティングアドバイザーは、実質的に「インサイドセールス」です。つまりキャリアカウンセラーが営業の仕事をする場合もあるということです。
近年は各企業の情報収集スキルが上昇傾向にあり、製品に関する基礎知識などは企業担当者が既にある程度保有した状態で、細かな疑問点などを確認するために「問い合わせ」をしている場合が多いです。
また「担当者の人柄」や「対応力」を確認する意味合いで、問い合わせしていることもあります。
よって営業職には、コミュニケーション能力、交渉力、提案力、粘り強さのほか、商品知識や業界理解も必要となります。
 
 

【8】看護師

「少子高齢化」の影響も、今後の仕事の需要について考える際は見逃せません。
まず「看護師」の需要は高い水準で推移すると予想されます。一般社団法人日本病院会が行った調査(2023年)では75%の病院が「看護職員が不足している」と回答。
看護師になるには国家試験(※准看護師は都道府県の試験)合格が必須のため、看護師をサポートするロボットが今後登場したとしても「看護師そのものが代替される」ことは考えづらく、人手不足が今後も続くでしょう。
看護師には医療知識、看護技術が求められます。また、チーム医療を実践する上で、他の医療スタッフと連携するコミュニケーション能力も重要です。
 
 

【9】介護士

介護士も「看護師」と同様に、需要は今後さらに高まると予想されます。厚生労働省の調査データ(2021年)によると、介護職員数は2040年には約69万人不足すると予測されています。
なお介護士は看護師と比較し「資格なし」でも業務可能な点が特徴。ただし、免許がないとできない仕事も現場に多数あります。よって現実的には介護福祉士の資格取得を目指すこととなるでしょう。
現場で働き始めるハードルは低いものの、実質的には資格がないと困る場面が多いことから「AIに代替されづらい職種」と言えます。
介護士には、介護技術、コミュニケーション能力、共感力のほか、認知症ケアなどの専門知識も必要とされます。
 
 

【10】物流

物流は、商品の輸送、保管、在庫管理などを担う業界です。EC市場の拡大や越境ECによる輸出入の拡大によって物流の重要性が高まる反面で、厳しい残業規制や「再配達件数が高止まりしている」ことなどが原因で、物流コストの問題が表面化しています。
その解決策として「ドローン配達」に国内外で期待が集まっていますが、ドローンの性能や騒音の問題が立ちふさがる上、人口密集地域や集合住宅への配達の難しさという課題があります。
そのためトラックドライバーなどへの採用ニーズは高い状態が続くでしょう。
また物流のニーズ自体もさらに高まる可能性が高く、倉庫管理主任者や物流技術管理士・国際物流管理士などの資格を保有し、ロジスティクス全般に関する専門知識がある方へのニーズも安定的にあるでしょう。
 
 

「これから需要が増える仕事」に役立つ資格やスキルの例

これから需要が増える仕事に関わるにおいて役立つ資格やスキルをご紹介します。
 
 

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は「高度 IT 人材となるために必要な基本的知識・技能を持ち、実践的な活用能力を身に付けた者」を対象とする、ITエンジニアとしての基礎知識を証明する国家資格です。
令和4年度まで上期・下期に一回ずつ開催されていましたが、現在はCBT方式で随時受験できる「受験しやすい国家資格」という特徴があります。
ITエンジニアに求められる基礎知識全般が出題範囲に含まれているため、資格取得することで、システム開発やネットワーク構築に必要な知識を身につけることができます。
 
 

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修(旧:ホームヘルパー2級)は、言わば介護の基礎知識を学ぶための「入門資格」です。
「資格」と名が付いてはいますが、実際には「初任者研修講座」を開講するスクールに通って講座を受けたうえで修了試験を受ければ合格可能です。講座をしっかり受ければ修了試験自体は難しくなく、難易度は易しめです。
高齢者や障がい者の介護を行う上で必要な知識と技術を身につけることができます。介護業界において、この資格は将来的に介護福祉士を目指すための足がかりになるでしょう。
 
 

まとめ

これから需要が増える仕事は、社会や経済の変化に伴い、今後ますます重要性が増す職種です。ITエンジニアやデータサイエンティスト、看護師や介護士など、さまざまな分野で需要が高まっています。これらの仕事に就くためには、関連する資格やスキルを身につけることが重要です。将来性のある仕事を選び、安定したキャリアを築くために、今から準備を始めましょう。