コクヨ発!越境学習的複業「pandoor」が会社員に与える成長のチャンス

副業解禁やテレワーク及びワーケーションの広がりなど、企業に勤めながらも柔軟性が高い働き方を実現できる「仕組み」そのものは近年、普及が進んでいます。
しかし、実際にはその恩恵を受けられていない正社員の方も少なくないのでは?

・副業(複業)が解禁されたとはいえ、副業できるほどにはビジネススキルに自信が無い
・副業(複業)に挑戦する前に、まずはスキルを培えるようなチャンスが欲しい
・副業(複業)と本業は両立が前提で、本業に悪影響も与えたくはない

と考えている方は多いでしょう。

そこでコクヨが2024年にサービスを開始したのが、複業サービス「pandoor(パンドア)」です。
pandoor(パンドア)はいわゆる「副業サービス」「副業エージェント」とは毛色が異なり、本業との両立を前提に、越境学習的に複業にチャレンジできる点が特徴。法人にとっては、複業を絡めた一種の研修や越境学習に位置付けられるサービスであり、コクヨのサポートを受けながら社員の成長を大きく促すものです。

ではpandoor(パンドア)は、会社に勤める「働き手」にとってはどのような価値を持つものなのでしょうか。コクヨ「pandoor」事業リーダーの、小山幸乃さんにお話を聞きました。
 
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小山幸乃さん 2004年コクヨ入社。オフィス空間の設計デザイン業務を経て、働き方研究やワークプレイス、ワークスタイルコンサルティング業務に携わる。2021年から社内複業の形で「人材領域」の新サービス構築に取り組む。2023年より現部署にて『pandoor』事業を立ち上げ、リーダーを務める。

 
 

コクヨが生み出した新時代のプロボノ的複業「pandoor(パンドア)」

– コクヨが複業サービス「pandoor(パンドア)」をスタートしました。働き手にとって他の副業サービスと何が違うのでしょうか?

小山:一言で言えば「本業と両立しやすい、越境学習的な複業サービス」である点が、他の副業サービスと全く違います。
 
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副業解禁は多くの会社で進んでいますよね。しかし、副業求人は「既に高度な専門性がある人」しか応募しづらいようなものも多いです。
また副業とは言え、週数日レベルのコミットを求められることも多く、意外と本業との両立が難しいのではないでしょうか。

・新卒で大手に入社後、一社でしか働いたことが無く、社内で培ったスキルが社外でも本当に通用するのか不安がある
・一社だけでのスキル形成には限界を感じる
・スキル面に不安があるので副業および複業を始めることへのためらいもある ・本業との両立にも不安がある

といった方は潜在的に多いと思うのですが、そうした方の受け皿になり得る「本業と両立できる、成長のチャンスとしての複業サービス」は意外なほど、世の中に存在しないです。
 
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その点に着目したのが、今回サービスを開始した「pandoor(パンドア)」です。従来の副業マッチングよりは、むしろ「プロボノ」に近しい側面があると思います。

– プロボノは本業で培った専門性やスキルを社会に還元する社会貢献活動ですよね。「スキルのボランティア」と呼ばれることがあります。

小山:プロボノは社会貢献活動であることは前提ですが、スキルのボランティアを行いつつ「自分のスキルが社会に通じるか不安を抱いている方が、まず力試しできる」といった特徴もあります。
 
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よって、プロボノは「成長の機会を得ることを目的に、会社員が外部で働く」ための現実的な手法の1つではあります。
一方で本業が忙しい中で、チャンスが得られるとはいえ、終業後の時間や土日をボランティアに使うことに抵抗がある方もいると思います。
加えてそもそも原則無償の取り組みでありながら、本業との両立に不安もあるとなれば一歩を踏み出せない方も多いでしょう。

– 確かに、プロボノは「ボランティア色」が強すぎる印象があります。複業の第一歩としてプロボノをするというイメージはあまりないかもしれません

小山:そこで「本業の会社に勤めながら、その勤務日数のうち、週1日を他社での複業に充てられる」制度を各社が取り入れられるように、法人向けサービスとして開始したのがpandoor(パンドア)です。
 
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会社員にとっては週1日、別の企業で社外経験を積むことができ、本業の勤務先では任せてもらえないような仕事に取り組むチャンスが得られます。
そして勤務先企業(※送り出す側)にとっては、社員の実践的なキャリア形成をサポートし、他社での業務経験を自社に持ち帰ってくる効果も期待されます。pandoor(パンドア)は、送り出す側の企業にとっては一種の「研修」に近しい制度だと言えるでしょう。
受け入れ企業にとっては、新しい形での複業人材の採用に繋がり、経営課題などに対する外部の知見を得られる機会にもなります。
 
 

会社員が「週1日」だけ社外で働く意味とは

– 会社に勤めながら「週1日だけ社外で働くことができる研修」のような仕組みが「pandoor(パンドア)」で、勤務先に制度が導入されると、会社員は他社で週1日働けるようになるということですよね。

小山:その通りです。ちなみに「週1日」とは、20%工数を意味しています。つまり「週1日稼働する」「1日2時間弱、週5日稼働する」など、20%工数であれば柔軟な働き方が可能です。

– 「週1日」ないしは「20%工数」の稼働によって、具体的に会社員が社外で得られる経験とは何でしょうか。

小山:良い意味での「カルチャーショック」です。

たとえば新卒で大企業に入社し、30代まで勤め続けているとしましょう。すると特定の部署・部門の仕事には精通したとしても、複数の分野を跨ぐ働き方は難しいと思います。ベンチャー企業の担当者のように、大企業の若手が「マーケティングもブランディングも採用広報も横断的に担当する」のは現実的ではないですよね。そもそも30代の若いうちから、抽象度の高い上流工程の役割を与えてもらえる人は、ビジネスパーソンの中でも一握りではないかとも思います。

そうした方がpandoor(パンドア)の仕組みを用いて、週に1日、ベンチャー企業で継続的に働くとします。すると本業では経験したことがなかった、スピード感のある働き方や一人一人の決裁権の大きさなどに刺激を受けるはずです。

実際にpandoor(パンドア)で複業にチャレンジされている方にお話を聞くと、いきなり経営トップと直に話せるような環境を得られることに刺激を感じていらっしゃるケースもあります。
また大企業でのやり方、働き方が通用せず、良い意味で「井の中の蛙だったな」と自分の働き方やスキル形成を見直すきっかけにしている方もいます。

このように、本業ではなかなか与えられなかった大きな決裁権や「チャンス」が、社外では与えてもらえることがあり得ます。社外で得た経験や自信は本業に戻ってからも、元々の仕事に良い影響を与えるでしょう。
 
 

会社員には「成長の機会」が足りない?

– これまでに度々「成長」「チャンス」という言葉が出ています。ビジネスパーソンには「成長の機会」が、そもそも足りないのでしょうか?

小山:もちろん本業を通じて得られる経験やスキルは、ビジネスパーソンの方にとって貴重なものです。しかし終身雇用が崩壊し、いまの日本で働くには「一社での勤務経験のみ」や「一社だけで培ったスキル」は不十分なものだと感じている方も多いです。

事実、pandoor(パンドア)の事業企画を練っている際に行ったリサーチでは

・ビジネスパーソンのうち7割の方は「成長のために仕事をしたい」
・ビジネスパーソンのうち3割の方は「スキルに不安がある」

とのことでした。総じて、少なくない数の方が「スキルに不安があり、仕事を通じて成長をしたい」と考えていると言えるのではないでしょうか。

「スキルに不安があるため、専門性を身につけたい」というビジネスパーソンの潜在的な願望は非常に大きなものだと思います。副業・複業とは別に「リスキリング」が話題になっているのは、その現われの1つではないでしょうか。

– pandoor(パンドア)を利用して会社員が「自分の成長」を主目的として複業をする場合、その業務での報酬は発生しますか?

小山:2024年11月現在は、報酬は発生しません。pandoor(パンドア)を通じた複業は、本業での「研修」や「越境学習」のようなものと位置づけられるためです。 もちろん本業の給与は、複業を始める前と変わらず支払われます。本業の給与や福利厚生はそのままに、複業ができます。

また将来的には、pandoor(パンドア)の複業案件での稼働に対し、通常の副業(報酬をお支払い)スキームのサービス拡充を行うことも想定しています。
 
 

pandoor(パンドア)があれば「スキルが無くても複業ができる」?

– 「スキルがなくて不安」な方は、pandoor(パンドア)を利用して複業することにも不安を抱くと思います。会社員の方はどの程度のスキルがあれば、pandoor(パンドア)の複業にチャレンジしやすいですか?

小山:その業界・業種での勤務経験があれば「直接的には担当したことが無い領域」であっても、複業案件の紹介は可能です。

たとえば「現場で技術的な経験は積んだけれど、マネジメント経験はない」「代理店や開発会社、下請けへの指示出しなどディレクション経験はあるけれど、技術的な知見は薄い」といった場合、それぞれマネジメント職や専門職のご紹介も可能です。

– 働き手にとっては本業に悪影響を与えることなく、スキルの幅を広げるチャンスを得られる可能性があるということですね

小山:その通りです。一社で働くだけでは「技術的な知識はあってもマネジメントの経験はない」というように、自分自身の業務範囲からはみ出る部分については全く経験が積めなくなってしまうことが珍しくないものです。その「はみ出る部分」を経験できるような、複業案件のご紹介が可能です。

ただしある程度の勤務経験や知識は、ご紹介にあたって必要となることが多いです。本業と関係性が薄い「異業種への応募」や「全くの実務未経験」の場合、残念ながらご紹介できる複業がないこともあります。

– 逆に「専門性を活かし、もっともっと経験を積みたい」という場合、スペシャリストを求める企業の複業案件の紹介を受けることも可能ですか?

小山:もちろんです。柔軟にご相談いただければと思います。

– pandoor(パンドア)を会社員が利用したい場合、まずは何をすべきでしょうか?

小山:pandoor(パンドア)は一種の研修や越境学習のようなものとして、法人単位で導入いただくサービスです。
勤務先企業(※送り出す側)にとっては、会社に還元できる「大きな成長」を社員が遂げるための手段の1つです。
そのため勤務先企業の人事担当者の方などに「こういうサービスがあるのだけれど、うちの会社でも導入できないだろうか」とご紹介いただければ、幸いです。
その会社にお勤めの一人一人の方が、新しい成長の機会を得るチャンスになりますし、コクヨとして成長のサポートを提供させていただきます。
その経験は本業に戻ってからも必ず役立ちますし、送り出す側の企業にとっては社員育成の貴重な機会になるでしょう。
 
 

pandoor(パンドア)公式サイトはこちら