コロナ禍をきっかけに注目を集めた「オンライン会議アプリ」。コロナ禍の当時は「Zoom」が代表格でしたが、今や各社がさまざまなオンライン会議向けアプリやツールを出しており、ツールごとに時間制限が異なったり、「議事録作成」「スマホアプリ対応」など各種機能の有無にも違いがあります。
どれが自分や自社のオンライン会議に合っているのか分からない方もいるでしょう。
そこでこの記事では、無料で利用できるオンライン会議向けアプリ10種類をピックアップ。それぞれの時間制限の、機能、使いやすさなどを比較してみました。
無料で使えるオンライン会議向けアプリの主な選び方
まずは、無料で使えるオンライン会議向けアプリを選ぶ際のポイントを3点をご紹介します。
「時間制限は何分まで」か
オンライン会議の制限時間はアプリと参加人数によって異なります。たとえばZoomの無料プランでは40分まで。一方、Google Meetでは1対1では24時間まで可能ですが、3人以上では60分までとなります。
つまり、参加人数と会議に必要な時間を考えてアプリを選ぶことが大切です。
「スマホアプリ対応」か「ブラウザのみ対応」か
新幹線のワーク向け車両などで「スマホで会議に参加しなければならない」というシチュエーションが発生することもあるでしょう。そんなときにスマホアプリもリリースされているか、それともブラウザのみかというのは重要なポイントになります。
スマホアプリがリリースされている場合、操作性が保証されているため快適に使える可能性が高いですが、ブラウザだと「共有された資料がうまく見れない」「音声が途切れがち」ということもあります。
「完全無料」か「無料トライアル」か
完全無料のアプリは、その名の通り、料金を支払うことなく利用できるもの。しかし、無料アプリは一般的に有料の上位プランも用意されており、無料版は利用できる機能に制限があることが多いでしょう。
一方で、無料トライアルができるアプリは、ほとんどの場合で一定期間、有料プランの全機能を試すことが可能。この期間を使って、ニーズに合っているかを判断することができます。ただし「合っていない」と感じたときに、スピーディーに解約できるかどうかは重要になります。
無料で使えるオンライン会議向けアプリ6選
では、無料で使えるオンライン会議向けアプリ6選をご紹介します。
【無料で使えるオンライン会議向けアプリ:1】Zoom
Zoomはオンライン会議やウェビナーに使われるWeb会議サービス。画面共有やチャット機能も備えています。世界中で利用されており、リモートワークに欠かせない存在となっています。
時間制限:40分
Zoomの無料アカウントの場合、参加人数に関わらず、ミーティングの制限時間は
40分となります。
また、無料版の制限人数は
100人までです。
スマホアプリで使えるか:可能
Zoomはスマホアプリが用意されています。
App Storeもしくは
Google Playからインストールしましょう。
利用のメリット・デメリット
Zoom無料プランは小規模なミーティングやオンラインセミナーなどに最適で、コストを抑えつつ基本的な機能を活用できるのが大きなメリットと言えます。
一方、制限時間が45分という点がデメリット。筆者の場合、多くの会議が1時間を超えるため、「時間内に会議を終わらせる」ことに気を取られ、本題をスピーディーにまとめようとして、結果おろそかになってしまうこともあります。
【無料で使えるオンライン会議向けアプリ:2】Google Meet
Google MeetはGoogleが提供する無料のWeb会議ツール。ブラウザやアプリから簡単にアクセスでき、セキュリティも万全。Googleカレンダーやメールなどの他のGoogleサービスとの連携も魅力です。
時間制限:60分(3人以上)
先述した通り、Google Meetの制限時間は1対1の場合は24時間ですが、3人以上の会議では
60分となります。
また、会議の参加者の上限は100人です。
スマホアプリで使えるか:可能
Google Meetはスマホアプリが用意されています。
App Storeもしくは
Google Playからインストールしましょう。
完全無料で使えるか:可能
Google Meetは完全無料で利用することが可能。上位プランとして、Businessエディションなどが用意されています。
利用のメリット・デメリット
Google MeetはGoogleアカウントさえ持っていれば手軽にミーティングをすることが可能。特に1対1では制限時間が24時間のため、時間を気にすることなく会議をすることができます。
一方、無料プランでは録画機能が利用できない点がデメリット。個人的にあとで見返したい会議がある場合はGoogle Meetを使うことができません。
【無料で使えるオンライン会議向けアプリ:3】Microsoft Teams
Microsoft Teamsは、Microsoftが提供しているコラボレーションプラットフォームで、オンライン会議を行うことができます。
時間制限:60分
Microsoft Teamsの無料版の制限時間は
60分。
1対1から最大100人まで会議をすることができます。
スマホアプリで使えるか:可能
Microsoft Teamsはスマホアプリがあります。
App Storeもしくは
Google Playからインストールしましょう。
完全無料で使えるか:可能
Microsoft Teamsは完全無料でオンライン会議をすることができます。
有料版はMicrosoft Teams Essentialsなどがあり、会議が30時間まで、300人まで参加することも可能です。
利用のメリット・デメリット
Microsoft TeamsはMicrosoft 365アプリと連携し、Word、Excel、PowerPointなどのファイルを共同編集できる点が大きなメリット。打ち合わせをしながら直接資料を修正することなどもできます。
しかし、だからこそ他社システムとの連携が限定的。自身やクライアントがOfficeアプリを使っていなければ、あまりMicrosoft Teamsを選ぶ意味はありません。
【無料で使えるオンライン会議向けアプリ:4】Webex Meetings
Webex Meetingsは、Cisco社が提供するオンライン会議用アプリ。日本ではあまり主流ではありませんが、世界的なシェアは53%あり、もっとも使われている会議用アプリです。アカウントなしでも会議に参加可能となっています。
時間制限:40分
3人以上の無料プランの会議の制限時間は
40分となっています。
なお、参加人数は最大100人です。
スマホアプリで使えるか:可能
Webex Meetingsはスマホアプリがあります。
App Storeもしくは
Google Playからインストールしましょう。
完全無料で使えるか:可能
Webexは完全無料プランがあります。無料プランでも、録画やホワイトボードの利用などが可能。
有料版として、月額1,700円の「Webex スターター」や月額2,700円の「Webex ビジネス」などがあります。
利用のメリット・デメリット
Webexは無料でも利用できる機能が充実していることが大きな特徴。ほかのオンライン会議アプリでは無料プランは録画できないことも多いものの、Webexはローカル録画が可能となっています。
一方、ネックとなるのは、会議時間が40分までという点。長い会議ではなかなか利用しにくいアプリとなっています。
【無料で使えるオンライン会議向けアプリ:5】Skype
Skypeは無料でオンライン会議ができるほか、テキストチャット、音声通話も可能なアプリ。オンライン会議としての特徴は、通話中にリアルタイム字幕をつけられることです。
時間制限:24時間
Skypeの無料プランのビデオ通話の制限時間は
24時間。ほとんどの会議をカバーすることが可能。
なお、参加人数は自分を除いて最大99人です。
スマホアプリで使えるか:可能
Skypeはスマホアプリがあります。
App Storeもしくは
Google Playからインストールしましょう。
完全無料で使えるか:可能
Skypeは完全無料で利用することができます。
有料版として、Skypeクレジットが用意されています。
利用のメリット・デメリット
筆者は長年Skypeを利用しており、普段からクライアントとSkypeでテキストチャットでやりとりしているため、オンライン会議中もチャットを見返してスムーズにやり取りできる点が最大のメリットだと感じています。
一方、複数人でビデオ通話をすると重くなってしまうため、基本的には1対1のミーティングにしか利用していません。複数人で会議をする場合は他のオンライン会議向けアプリを利用しているため、Skypeだけに頼ることができない点がデメリットです
【無料で使えるオンライン会議向けアプリ:6】Discord
Discordはもともとゲーマー向けのボイスチャットツールでしたが、その高い通話品質と使いやすさから、ビジネスのオンライン会議にも使われるようになりました。テキストチャット、ボイスチャット、ビデオ通話、画面共有などの機能があります。
時間制限:なし
Discordのビデオ通話の時間制限はありません。最大10人までと接続することができます。
スマホアプリで使えるか:可能
Discordはスマホアプリがあります。
App Storeもしくは
Google Playからインストールしましょう。
完全無料で使えるか:可能
Discordは完全無料で利用することが可能。
有料版として、「Discord NITRO CLASSIC」「Discord NITRO」が用意されていますが、オンライン会議目的なら無料版で充分です。
利用のメリット・デメリット
Discordは無料プランでビデオ通話が無制限で使えるにも関わらず、画面共有ができるなど、ほかのオンライン会議向けアプリと遜色ない機能が使える点が特徴です。
しかし、「プライベート向け」という印象もまだ強いため、「オンライン会議でDiscordを使いましょう」という提案が自社の風土に馴染むかは何とも言えないかもしれません。UIがやや独特で、使い慣れていないと操作もなかなかしにくいと感じる方も多いかもしれません。
【無料トライアルあり】オンライン会議向けアプリ4選
次に、有料版の無料トライアルがあるオンライン会議向けアプリをご紹介します。
RemoteMeeting
RemoteMeetingは高品質なビデオ会議が可能なオンライン会議ツール。会議の録画やAIを利用した議事録作成などの機能もあります。
月額料金は990円(税別)ですが、14日間の無料トライアルが用意されています。
Fresh Voice
FreshVoiceは高いセキュリティ性と柔軟な接続性、手厚いサポートが特徴で、オンライン会議を安心して行えるサービス。官公庁や金融機関などでも利用されています。
価格は1拠点当たり1万6,500円。14日間の無料トライアルがあります。
LoopGate
LoopGateは官公庁や地方自治体向けのテレビ会議ソリューション。据え置きの専用機もありますが、ほかにもパソコンやタブレットなどから会議に接続することができます。
料金は利用シーンによって異なりますが、1週間の無料トライアルがあります。
Lite FreshVoice
先ほどご紹介したFreshVoiceはクラウド型とサーバー版ですが、Lite FreshVoiceはブラウザ版。機能に大きな違いはありませんが、こちらの方がより手軽に導入することが可能です。
価格は1拠点当たり1万6,500円。14日間の無料トライアルがあります。
【詳細】無料で使えるオンライン会議向けアプリの比較基準
ここまでに合計10個のアプリを紹介してきましたが、選択肢が多いと、どのアプリを選ぶべきか決めかねることがありますよね。そんな時は、迷っているアプリを以下の基準で比較してみるといいでしょう。
利用人数や利用時間
アプリによって利用時間や参加可能人数が異なるため、開催する会議の規模や予定されている時間によって選ぶことが重要です。
たとえば「会議の開催時間が1時間以上に及ぶ」場合、無料のオンライン会議アプリの中からツールを選ぶならばSkypeの利用を検討する価値があります。Skypeは24時間まで会議が開催できるため、ほとんどの需要をカバーできるでしょう。
利用のしやすさ
セットアップの簡単さや直感的な操作ができるかどうか、といった点は、会議のスムーズな進行に大きく影響します。また多様なデバイスに対応しているか、必要な機能に簡単にアクセスできるかも、ツール選びの重要な基準です。
迷った場合は、スマホアプリでの利用に対応しているオンライン会議向けアプリを選んだうえで、UIにクセがないものを採用すると良いでしょう。
無料のオンライン会議向けアプリを利用する注意点:有料版との違いは?
無料のオンライン会議向けアプリと有料版の主な違いは、利用できる機能の範囲、会議の制限時間、参加人数の上限、セキュリティやサポートのレベルなど。
多くの無料アプリでは、会議の持続時間に制限があり、通常は会議が一定時間を超えると自動的に終了します。これに対して、有料版では制限なく長時間の会議を行えることもあります。
また、無料版は参加者数が限られるのに対し、有料版ではそれ以上の人数が参加できることも。セキュリティに関しても、無料版では基本的な保護はされていますが、有料版ではさらに高度なセキュリティ機能や管理ツールが利用できます。
無料版のオンライン会議アプリを選ぶ際には、会議の規模や目的を考慮し、これらの制限や機能の違いを理解しておくことが大切です。
まとめ
この記事では、無料で利用できるオンライン会議向けアプリ10選を紹介し、それぞれの時間制限の有無、参加可能な人数、スマホアプリの有無などの特徴を詳しく見てきました。メリット・デメリットや、選ぶ際の注意点なども参考にして、ニーズに合った最適なオンライン会議アプリを見つけてください。
以上、コクヨが運営するテレワークメディア「在宅百貨」がお届けしました!