ギャラリー画像を登録してください。
しかし、実際テレワークはオフィスワークと比べて生産性に違いはあるのでしょうか。この記事では、国内企業のテレワークの実施状況と、テレワークの生産性について解説します。
そもそもテレワーク(Telework)とは?
自宅以外での仕事も「テレワーク」となりますが、「テレワーク=在宅勤務」というイメージを抱いている人も少なくないでしょう。実際には「出先で中途半端な時間が余ったため、カフェで仕事をする」「移動中の新幹線で仕事をする」などもテレワークに含まれます。
【簡単図解】テレワークって結局どんな働き方?「向く仕事・向かない仕事」やメリット -
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの企業が導入したテレワーク。この記事では、そもそもテレワークとはどんな働き方か、また、そのメリットや課題について図解を交えながらご紹介します。
テレワークの実施状況
上場企業:70%が実施(明治安田厚生事業団調べ)
一方、テレワーク実施企業のうち、「従業員の7割以上がテレワークを実施している」と答えた企業は28%で、もっとも多かったのは「1~3割未満」の38%でした。
なお、平均的なテレワーク日数は「週2~3回」が40%で、もっとも多い数値となりました。
参考:企業における運動を活用した健康づくりに関するアンケート
全国平均:19%が実施(総務省調べ)
なお、全国ワーストで実施率が低かった県は青森県の7.2%。東北6県はすべての県でテレワーク実施率が全国平均を下回っていました。
参考:総務省「令和4年就業構造基本調査の結果」
テレワークとオフィスワークはどちらが生産性が高いの?
多くのケースでテレワークは生産性が下がる
たとえば、Adobeが2020年9月に発表した「COVID-19禍における生産性と在宅勤務に関する調査」によると、コロナ禍でテレワークが導入された日本企業の労働者の約4割が「在宅勤務は生産性が下がる」と回答したとのこと。
つまり、「感染症対策が楽になる」「通勤がなくなる」というメリットを差し引いても、働く当事者の半数近くが「生産性が下がる」と感じていたことになります。
「月刊総務」の調査データ:オフィス予算を増加する傾向も
しかし、「オフィスメイン」も前年と比べて2.1%増加。「テレワークメイン」は4%も下がっています。
「テレワークの方が生産性が高い」と答えた人は25.4%に留まってしまいました。
その声を受けて、全体の2割の企業が「オフィス予算を拡大方針」にあるのも特徴的。「オフィスとテレワークの融合」を目指す企業は変わらず多いものの、意見集約と決断のスピードを重視し、コミュニケーションの中心地としてのオフィスの価値を見直す企業が増えていると言えるでしょう。
【海外との比較】日本のテレワークの生産性は10か国中最下位
レノボが2020年7月に発表した「テクノロジーと働き方の進化」によると、「在宅勤務の生産性はオフィス勤務より下がる」と答えた人の割合は、日本は10か国(日本、米国、ブラジル、メキシコ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、中国、インド)中、1位の40%。2位の中国でも16%だったため、特異な数値となってしまいました。
なお、同調査によると、コロナ禍による在宅勤務開始時に新たに購入した機器の支出金額も日本はワースト1位のため、「日本は物理的にテレワーク環境が整っていないため、生産性が下がると感じる人が多い」ということが分かります。
日本のテレワークの生産性が高まりづらい理由
メンバーシップ型雇用
メンバーシップ型雇用は、労働者に職務を割り振る、いわゆる日本的な雇用形態。終身雇用や年功序列を採用しているところが多いです。一方、ジョブ型雇用は欧米に多く見られる雇用形態。職務に対して労働者を割り振り、仕事内容に応じた賃金が支払われます。
なお、メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用の違いについては以下の記事で解説しているので参考にしてください。
【完全ガイド】メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用との違いとは?日本型雇用の欠点と課題 -
近年、日本の労働市場では、メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用という二つの概念が注目されています。メンバーシップ型雇用とは、従業員が組織に所属することを前提とした雇用形態で、ジョブ型雇用とは、従業員が特定の仕事に対して報酬を得る雇用形態のこと。この記事は、ふたつの雇用の違いから日本型雇用の欠点と課題をご紹介します。
労働時間をベースにした管理手法
こうした点も、日本企業がテレワークに向いていない一因といえるでしょう
テレワークで見込まれる生産性の向上とは具体的にどのようなもの?
ミーティング時間が減ってコア業務に集中しやすい
通勤時間を業務に充てられる
時間が柔軟に使える
テレワークに向く仕事・向かない仕事
たとえば「指示が絶対」「セキュリティ上のリスクが高い」「一人ではできない」といった仕事内容の場合、テレワークに向いているとはいえません。逆に、成果が目に見えて評価しやすく、対面での打ち合わせもない業務の場合、テレワークに向いているといえるでしょう。
【簡単図解】テレワークって結局どんな働き方?「向く仕事・向かない仕事」やメリット -
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの企業が導入したテレワーク。この記事では、そもそもテレワークとはどんな働き方か、また、そのメリットや課題について図解を交えながらご紹介します。
テレワークの生産性を一層向上するには?
個人としては、自分の仕事の目的や成果を明確にする、仕事の進捗を定期的に共有する、他の社員とのコミュニケーションをオンラインで円滑に行うといった方法があります。
組織としては、まず社員にテレワークに必要な機器を与えた上で、オンライン上でフィードバックができる体制を整える、必要な情報はこまめに共有する、社員が孤独感を覚えないような環境づくりが必要となります。
まとめ
しかし、柔軟な働き方を求める人が増えている傾向にあるのも事実です。完全なテレワークでなくとも、自分のライフスタイルや仕事のスタイルに合わせて、オフィスに出社する日数や時間を選ぶことができる、ハイブリッドワークを導入するなど、従業員と企業の双方にとってメリットのある働き方が求められるでしょう。