「怒られるのが怖い」オフィスで委縮しがちな際に参考になる、仕事での克服方法

仕事でミスをして上司に怒られてしまうと、自信をなくしてしまい、次の仕事にも影響が出てしまうといった経験をしたことはありませんか? 怒られることへの不安を克服し、仕事で成長するためのコツをご紹介します。

アフターコロナで出社回帰の動きも高まっていますが、ここ5年ほどで社会人になった人の中には、オフィスで長時間ほかの社員と働くのが「はじめて」ないしは「経験が浅い」という方も少なくないでしょう。
これまでのリモートワークとは違い、直接接することで見えにくかった上司や先輩の怖い面が見えてしまったり、直接怒られたことで「対面でミスを怒られるのが苦手」という今まで見えなかった自分の一面が見えて悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、この恐れを乗り越えてより自信を持って仕事に取り組むための実践的なアドバイスをご紹介。マインド面から克服する方法から具体的な働き方の改善まで解説します。
 
 

「怒られるのが怖い」と仕事で感じてしまいがちなよくある理由

「怒られるのが怖い」と感じる理由は人によってさまざまですが、たとえば「怒られる」=「自分の存在が否定された」ように早合点してしまうことが一因に挙げられます。
相手にその意図がなくとも怒られることが攻撃されていると感じたり、怒られている自分を見られるのが嫌だという人もいるでしょう。
さらに怒られたことで委縮して相手との関係が悪化したと思い込んでしまい、それがさらにミスを生む原因になることも。
 
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特に新入社員や若手社員はミスを恐れるあまり萎縮してしまい、本来の能力を発揮できないことも少なくありません。
 
 

Z世代からは「テレワークでも怖さを感じる」という声も

ちなみにZ世代からは、怒られることについて「テレワークであっても怖さを感じる」という声があります。

退職代行サービス「EXIT」を運営するEXIT株式会社が2023年5月に発表した「Z世代の早期離職に関する利用者意識調査データ」によると、退職代行を利用したZ世代利用者のひとりは「テレワークで働きながら、電話やSNS上で、顔や性格も知らないような方から毎日怒られていたので、怖さやストレスを感じることが多かった」ことが退職を決意するきっかけになったとのこと。

「怒られるのが怖いのは、怒っている相手を目の当たりにするからではないか」と思いがちですが、実際は働く場所は関係ない様子。対面であろうとテレワークであろうと、まだ信頼関係を築いていない相手から怒られるのはやはり怖く、早期退職を選んでしまう若者すらいるようです。
 
 

【マインドセット篇】「怒られるのが怖い」気持ちを仕事で克服するには?

ここからは具体的に「怒られる」ことへの恐怖心を、マインド面から克服する方法をご紹介します。
 
 

「ミスをしない人はいない」と割り切る

完璧を求めすぎることは、かえって萎縮してしまう原因となります。「誰もがミスを犯すものだ」と割り切って認識し、失敗を恐れずにチャレンジすることが大切です。
 
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ミスは学びの機会であり「それを通じて成長できるものだ」と前向きに意識し、ミスをした自分自身に対して寛容になってみましょう。
 
 

攻撃的な言葉は全てスルーする

思い切って「攻撃的な言葉は全てスルーすること」を心がけてみるのもおすすめです。職場では、時に感情的な言葉が飛び交うことがありますが、それに対して過度に反応する必要はありません。
 
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「怒る」と「叱る」は別物。怒るは言っている本人のストレス発散のためだったりすることもありますが、「叱る」は相手への助言が含まれています。

相手がどのようなスタンスで自分に話しているのかを分析し、「怒る」はスルーしてしまいましょう。「怒り」はスルーして「叱る」に対して耳を傾けてみましょう。
 
 

相手の「感情」と「論理」を切り分けて考える

また、相手の「感情」と「論理」を切り分けて考えることも重要です。上司や同僚が感情のまま怒っている場合、その言葉自体には惑わされないようにし、自分がなぜ怒らせたのか、相手は何を伝えようとしているのか、その論理を分析してみましょう。
感情に振り回されず、冷静にその理由を分析すれば、問題解決の糸口が見つかりやすくなります。
 
 

【働き方篇】「怒られるのが怖い」気持ちを仕事で克服するには?

次に「具体的な働き方」の面から「怒られる」ことへの恐怖心を克服する方法をご紹介します。
 
 

社内の人との信頼関係を構築する

職場での信頼関係は、「怒られるのが怖い」という感覚を軽減する上で非常に重要です。上司や同僚とオープンなコミュニケーションを心がけ、互いの考えや期待を理解し合いましょう。
 
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たとえ上司から部下に「怒られる」という状況が発生したとしても、信頼関係があれば、部下からすれば「よりよくしたいからこその指摘だ」「自分のビジネスパーソンとしての成長を期待してくれているからこその指摘だ」というのが伝わるでしょう。

信頼関係がある上での「怒られ」であれば、怒られた側はミスそのものについてはその場で謝罪したり対策を提案したりすれば、それ以上その事案を引きずらず、また元通り仕事に戻ることができるでしょう。
 
 

報連相を徹底し、業務の進め方を見直す

「報告・連絡・相談」を徹底することでも、多くの問題を未然に防ぐことができます。特に、問題が小さいうちに上司や同僚に相談することで、大きなミスを回避し、怒られる機会を減らすことができます。
 
 

社内の人との深い信頼関係を構築するには?

「怒られ」と「社内の人との信頼関係」には深い関係があります。記事前半でもふれた通り、信頼関係がない状態での「怒られ」であれば、たとえ対面ではない「怒り」であろうと早期退職に繋がることすらあります。
一方で信頼関係があれば、その「怒られ」は今後の糧にもなります。信頼関係構築のコツは以下の通りです。
・マイクロマネジメントは互いにしない
・攻撃的な言葉使いをしない
・1 on 1の実施
・研修型ワーケーションの実施
 
 

マイクロマネジメントは互いにしない

マイクロマネジメントとは、上司が部下の作業を逐一チェックし、細かくマネジメントする方法。しかし、新入社員でもない社員に過度な管理や干渉を行いすぎると、互いの信頼関係を損なう可能性があります。
 
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上司は部下の自主性を尊重し、部下は自己管理能力を高めることで、健全な職場環境を作り出すことができます。適度な距離感を保ちつつ、必要な時にサポートし合える関係性を目指しましょう。
 
 

攻撃的な言葉使いをしない

攻撃的な言葉使いは相手を萎縮させ、信頼関係を壊す原因となります。上司が部下に攻撃的な言い方をしないように気を付けるのはもちろん、部下から上司、同僚同士の言葉も攻撃的にならないように気を付けましょう。
 
 

1 on 1の実施

定期的な1対1のミーティングは、上司と部下の間の信頼関係を深めるチャンスとなります。
 
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効果的に1on1ミーティングを行うには、まず目的を明確化しましょう。テーマは部下に決めてもらい、上司と部下でアジェンダを共有しながら事前準備を勧めましょう。実際にミーティングを実施し、現状確認や課題について話し合ったあとはフィードバックを行い、今後の計画を立てることが大切です。

研修型ワーケーションの実施

マイクロマネジメントを避けつつ、定期的な1on1ミーティングで話し合う機会を作ることで信頼関係を少しずつ築くことは可能です。しかし、それで育まれるのはあくまで仕事上での関係性のみ。お互いのプライベートに近い顔を知りつつ、ざっくばらんに今後の働き方などの話もすると、より信頼関係が深まることもあります。そこでおすすめなのが、「研修型ワーケーション」。

職場を離れた環境で行う研修型ワーケーションは仕事とリラックスした時間を組み合わせることで、普段とは異なる側面を見せ合い、互いの理解を深めることができます。

なお、ワーケーションについて以下の記事で解説しているので参考にしてください。
ワーケーションの先人から学ぶ「アフターコロナで出社回帰する企業は”勿体ない”」理由 -

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報連相を徹底し、業務の進め方を見直すには?

上司と部下の信頼関係を築くための業務の進め方のコツをご紹介します。
 
 

タスク管理

効果的なタスク管理システムを導入することで、業務の透明性が高まり、報連相がスムーズになります。
 
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タスクが溜まっているときは、「緊急度」と「重要度」で仕事を分けて、タスクに優先度をつけていくことをおすすめします。進捗状況を可視化することで、ミスを減らし、効率的に仕事を進めることができます。

ハイブリッドワークの導入

ハイブリッドワークとは、従来のオフィス勤務とリモート勤務を組み合わせた働き方のこと。週の一部をオフィスで働き、残りをリモートで働くことです。
 
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オフィスでの対面コミュニケーションとリモートワークのバランスを取ることで、効率的な業務遂行と充実したコミュニケーションの両立が可能になります。また、個々の事情に合わせた働き方を選択できることで、ストレス軽減にもつながります。

なお、ハイブリッドワークについては以下の記事で解説しているので参考にしてください。
ハイブリッドワークとテレワークの違いは?メリットと普及率や実際の出社率、課題 -

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フリーアドレス席を導入するのも一案

フリーアドレス席を導入することも一案です。たとえば人数が多いオフィスの場合、部下が上司に報連相したくても、席が離れていてなかなかタイミングが掴めないことも。ビジネスチャットだと返信のタイミングが分からず、やり取りがしにくくなることもあるでしょう。
一方、固定席を持たないことで、自由なコミュニケーションが生まれやすくなり、社内の風通しが良くなります。これにより、ミスを恐れずに意見を交換しやすい環境が整います。
 
 

まとめ

まず、「怒られた」といっても、自分の存在を否定されたわけではないことをきちんと知ることが大切です。怒られた内容をきちんと理解できれば、それが攻撃ではないことが分かり、さらなるミスの連発を防ぐことができます。
これまでのテレワーク環境から突然出社に代わり、戸惑う中で「怒られ」にどうしても慣れないという方は、まず自分のマインドを見直しつつ、対面で社内の人との人間関係をしっかり構築し、信頼関係を作ることをおすすめします。