「働く」とは?いまの時代に会社で働くことの意味や「仕事」「労働」の違い

副業の解禁が進んだことや、コロナ禍をきっかけとしたリモートワーク普及などによって、働き方が大きく変化しています。なおかつ終身雇用制が当たり前だったかつてと異なり、今はフリーランスや副業といったさまざまな選択肢を持てるようになっています。「会社で働く」ということの意味をあらためて探りつつ、その意義について解説します。

副業の解禁が進んだことや、コロナ禍をきっかけとしたリモートワーク普及などによって、働き方が大きく変化しています。なおかつ終身雇用制が当たり前だったかつてと異なり、今はフリーランスや副業といったさまざまな選択肢を持てるようになっています。
そこでこの記事では「会社で働く」ということの意味をあらためて探りつつ、その意義について解説します。
 
 

働き方は多様化している

前提として現代社会では、働き方の多様化が進んでいます。従来の9時5時の固定勤務や終身雇用モデルとは一変し、フレックスタイム制、在宅勤務、ギグワーク、フリーランスなど、個人のライフスタイルや価値観に合わせた柔軟な働き方が選択できるようになってきました。
 
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かつての「大企業で働くこと」が絶対的な価値観ではなくなり、ベンチャーやスタートアップ企業で働いてからフリーランスに転身するという人も。働き方は年々多様化しています。

いまの時代に「会社で働く」ことの意味を見直してみよう

働き方が大きく変わる中で、なお「会社で働く」ことの意味は何でしょうか。「働く」だけならば独立・起業といったキャリアが考えられることも事実です。
結論から言えば「会社で働く」ことの意味は「大企業に勤務するか」「中小企業やスタートアップに勤務するか」で大きく異なるでしょう。たとえばスタートアップであれば、ストックオプションの付与を受けられる可能性が高いといったメリットがあります。つまり大企業と中小ではそれぞれ異なる特徴があり、個人の価値観やライフスタイルに応じて選択することが重要です。
大企業で働くことには高い給与水準や充実した福利厚生、社会的信用の獲得といったメリットがあります。また中小と比べ、規模感が大きなプロジェクトに参画できるチャンスも得やすいでしょう。
一方で中小企業では幅広い業務経験を積める機会や、出世のしやすさ、経営層との距離の近さなどが魅力です。その企業が上々を目指している場合は、前述の通り、ストックオプションの付与なども魅力となり得ます。

つまり「いまの時代に会社で働くこと」は単に収入を得るだけでなく、個人の成長や生活の質、社会との関わり方に大きな影響を与える選択です。そして、仮に大企業での働き方にも中小やスタートアップでの働き方にも魅力を感じないならば、独立や起業というキャリアも視野に入るでしょう。
 
 

【詳細】そもそも働くことによって得られるものとは?

そもそも働くことは単なる生活の糧を得るための手段ではありません。働くことを通じ、個人の成長や社会との関わりを深める機会にもなりえます。
 
 

社会、他者とのつながり

働くことは単に生活費を稼ぐ手段だけではなく「社会とのつながり」を築く重要な役割を果たします。「自分が企画した製品が世の中の家電量販店などに流通した」「自分が設計した建物に多くのテナントが入ったり、お客様が来てくれたりした」など誰かの役に立つ瞬間は、大きなやりがいとなるでしょう。
また職場は他の人と交流し、協力する場でもあります。チームでプロジェクトを進める過程で、同僚と意見を交換し、協力し合うことで、信頼関係が築かれます。こうした得られた人間関係や同僚との相互理解は、人生を彩る大切なことの1つです。働くことを通じて得られる充実感や満足感は、単なる「お金を得る手段」と割り切ることができるものではありません。
 
 

自己実現

「働くこと」が自己実現に繋がるケースもあります。自分の好きなことや得意なことを仕事にすることで、やりがいとともに満足感を得ることができるでしょう。
たとえば「ハンドメイドが好き」な方が、ハンドメイドに関連する商品企画を立てて、製品化にこぎつけるのは「自己実現」の1つではないでしょうか。
自分の好きなことや長年頑張ってきたことと仕事を上手に結び付けると、思いがけず大きな成果が生まれることがあります。これもまた「働くこと」の意味です。
 
 

仕事に対する報酬

もちろん経済的な報酬も、働くことの意味の1つです。安定した収入は生活を支え、将来の不安を軽減します。また報酬は単に金銭的なものだけでなく、昇進や評価、スキルアップなど、様々な形で個人に返ってきます。
 
 

「仕事」「労働」の違いを意識すると「会社で働く」ことの意味が見えてくる

「仕事」と「労働」の違いを意識してみるのも、いまの時代に「会社で働く」ことの意味を考え直す際に参考になるかもしれません。この2つは似たような意味を持つ言葉ですが、微妙な違いがあります。
「仕事」は個人が情熱や興味を持って取り組む活動を指し、自己実現や社会貢献の要素が強いです。一方、「労働」は主に経済的な対価を得るための活動を指します。
 
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つまり「労働」は実生活においては役に立つもの。
 
 
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しかし、労働は必ずしも個人の興味や情熱に基づくものではありません。古代では苦役だったり罰であったりもしました。そのため、社会的に意味があると感じやすいのはやはり「仕事」の方。

社会貢献や自己実現をより感じたい場合は、労働ではなく「仕事」をする必要があるといえます。つまり自分がしたい「仕事」と「会社でできる仕事」が一致していると、働くことは「労働」よりもはるかにやりがいが感じられるものになるはずです。
 
 

「働くこと」をストレスに感じてしまいがちな主な理由

「働くこと」は人生の重要な部分を占めていますが、同時に多くの人々にとってストレスの源となっていることも事実。働くことをストレスに感じてしまう主な理由をご紹介します。
 
 

「他者貢献できている」とあまり実感が持てない

働くことがストレスになる理由の一つに、自分の仕事が他者にどれだけ貢献しているかを実感できないことがあります。特に会社組織の中では、自分の役割が全体の中でどのように位置づけられているかが見えにくくなることがあります。
 
 

「生活費を稼ぐ」以外の目的が持てない

働くことの目的が生活費を稼ぐことだけとなってしまっている場合、仕事に対するモチベーションが低下し、ストレスを感じやすくなります。自己実現や社会貢献といった目的を持つことで、働くことがより意味のあるものになります。
 
 

時間や場所の自由が無い

固定された時間や場所で働くことが求められる場合、個人のライフスタイルや価値観に合わないことがあります。特に、家庭や趣味とのバランスを取りたい人にとっては、時間や場所の自由がないことが大きなストレスとなります。
 
 

テレワークによって「働く」ことの意味は変わった?

「労働は苦役だった時代がある」と書いた通り、働くことの意味合いは時代によっても少しずつ移り変わっていきます。
すると近年、働くことの意味合いが大きく変わったのは「コロナ禍におけるテレワーク」ではないでしょうか。
オフィスに縛られず、好きな場所で働けるようになったことで「働く場所」という概念が希薄化し、個人の主体性を尊重する働き方が目立つようになりました。 一方で会社で働く意味を「社会との繋がり」に求めるのであれば、繋がりを極めて感じづらくなる働き方でもあるでしょう。
テレワークは「働き方」にどのような影響を与えたのでしょうか。

結論から言えば、テレワークで生産性が落ちるタイプの方は出社回帰が望ましいでしょう。
一方で、会社に所属しながらにして、自由度が高い柔軟な働き方を実現できる余地が広がった のも事実です。
 
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ハイブリッドワークなどの制度が整っている企業であれば、出社日には対面でMTGやクリエイティブな議論を実施。それ以外の日は在宅ワークをしたり、サテライトオフィスやコワーキングスペースで仕事をするといった働き方もできるでしょう。
 

会社に所属しながらにして「自由な働き方」をする余地が生まれつつある

会社に所属しながらでも、ハイブリッドワーク、研修型ワーケーション、オフィスのフリーアドレスや集中ブース、副業の解禁などによって自由な働き方ができる余地が生まれつつあります。詳しくご紹介します。
 
 

ハイブリッドワーク

ハイブリッドワークは、オフィスワークとリモートワークを組み合わせた働き方です。従業員は週の一部をオフィスで、残りを自宅やサテライトオフィスで働くことができます。
 
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ハイブリッドワークでは対面でのコミュニケーションの利点を活かしつつ、個人の生活スタイルに合わせた柔軟な勤務が可能に。仕事とプライベートのバランスを取りやすくし、従業員の満足度向上にもつながっています。

なお、ハイブリッドワークについては以下の記事で解説しているので参考にしてください。
ハイブリッドワークとテレワークの違いは?メリットと普及率や実際の出社率、課題 -

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テレワークは、完全に自宅で仕事をする働き方。一方、ハイブリッドワークは、オフィスに出社する日と自宅で仕事をする日を組み合わせて働くことを指します。この記事では双方の働き方の違いや課題について解説します。

研修型ワーケーション

ワーケーションという言葉が示すように、仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた新しい働き方が注目されています。特に、研修型ワーケーションは、リゾート地や地方都市で業務を行いながら、同時にスキルアップや新しい経験を積むことができ、社員のモチベーション向上はもちろん、地域活性化にも貢献できます。

ワーケーションについては以下の記事で解説しているので参考にしてください。
ワーケーションの先人から学ぶ「アフターコロナで出社回帰する企業は”勿体ない”」理由 -

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コロナ禍で一気に増えた企業のテレワークやワーケーション。アフターコロナとなったいま、企業のテレワークの見直しの分岐点となっています。コロナ後のテレワーク、ワーケーションのあり方について、ワーケーションの先人から話を聞きました。

オフィスに「フリーアドレス」や「集中ブース」を導入する企業の増加

従来の固定席制度ではなく、フリーアドレス制を採用する企業が増えています。これにより、従業員は日々の業務内容や気分に応じて最適な場所を選んで仕事ができるようになります。
 
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また、集中作業が必要な際に利用できる「集中ブース」の設置に取り込む企業も。オフィス内でも多様な働き方に対応できる環境が整備されつつあります。

副業解禁

多くの企業が副業を認める方針に転換しています。副業は、従業員に新たな経験や学びの機会となり、本業にも良い影響を与える可能性があります。ただし、労務管理や情報セキュリティの観点から、適切なルール設定が必要です。
 
 

まとめ:「会社で働く」際の働き方はかなり柔軟なものになりつつあるかも

いまの時代に会社で働くことの意味は、単にお金を得るための手段である以上に「他者との繋がり」や「社会貢献」の意味があると言えるかもしれません。その上で大企業で働くならば巨大なプロジェクトに関わるチャンスが生まれやすく、中小企業やスタートアップで働くならば昇進のしやすさや上場へのチャレンジなどがモチベーションになり得るでしょう。

一方で働き方の変化を「嬉しい」と思っていない方もいるかもしれません。たとえば「他者との繋がり」を重視する方にとっては、テレワークは必ずしも楽しい働き方ではないかもしれません。
一方でテレワークが拡大したことで、会社に勤務しながらにして自由度の高い働き方を実現するチャンスが生まれつつあります。さらに言えば「大企業で働く」「中小企業で働く」「会社に勤務しながらハイブリッドワークする」といった働き方のどれにも魅力を感じないならば、独立・起業の道もあります。
働き方の多様化は、一人ひとりのビジネスパーソンにとっては「自律性を持って働ける」という前提であれば好ましいことではないでしょうか。