在宅勤務者がなりやすいワーカーホリックとは?
まずは、ワーカーホリックについて、その定義や症状などについて解説します。ワーカーホリックの症状に当てはまっている項目がないか、チェックしてみましょう。
ワーカーホリックの定義
ワーカーホリックとは、常に仕事をしていないと気がおさまらず趣味やプライベートな時間も、仕事をすることだけを考えて働き続けている状態のことです。日本語に直訳すると「仕事中毒」と、その名の通り仕事をしないと気が済まない中毒状態にあると言えます。周りからは仕事熱心な方だと思われがちですが、働きすぎにより体調や精神面の支障をきたす場合もあります。
在宅ワーカーがワーカーホリックに陥りやすい理由
出勤している時は、オフィスで仕事に励み、タスクを終えたら自宅でプライベートな時間と、空間的にオンオフを切り替えることが可能です。しかし、在宅ワークでは常に自宅にいるため、明確な区切りがなく、いつまでも仕事ができてしまうという問題点があります。明日やればいいことを今日やってしまうなど、延々とタスクが増えていくといったケースも。また、働いている姿を会社の人に見られないことから「サボっていると思われるのではないか」という恐怖心が働き、必要以上に働いてしまうこともあります。
ワーカーホリックによって引き起こされる症状
ワーカーホリックの状態をそのままにしておくと、心身にさまざまな症状が現れることがあります。当てはまるものがないか、以下の症状をチェックしてみましょう。放っておくと心身の健康を害する症状や病気につながることもあるので、早めの対策が大切です。
めまい、頭痛
めまいや頭痛はさまざまな要因によって引き起こされるため、原因を特定するのは難しいのですが、常に仕事について考えてしまう癖のある人は、ワーカーホリックが原因になっている可能性があります。
よく眠れない、睡眠不足
ワーカーホリックの人は、常に仕事のことを考えてしまうため緊張状態が解けにくいです。十分にリラックスできていないため、睡眠の質も浅くなりがちです。それだけではなく、集中力が続かない、ミスが増えるなど、仕事に影響を及ぼすこともあります。
食欲の減退
ワーカーホリックの状態では、仕事以外にストレスを発散する方法がありません。その結果が食欲に現れてしまうことがあります。病気や身体的な異常がないのに食欲不振になっている時は、ワーカーホリックになっている可能性があるので、注意が必要です。
自律神経失調症
自律神経失調症とは、心や体に不調が現れる状態です。ストレスなどが原因で、自律神経が乱れることによって起きると言われています。身体的な症状は、倦怠感、耳鳴り、動悸、多汗など。精神的な症状としては、不安、緊張などがあります。
ワーカーホリックになりやすい人の5つの特徴
ワーカーホリックになりやすい人には、いくつかの特徴があります。5つ紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
①健康よりも仕事を最優先にしてしまう人
体調不良になっても仕事を遂行しようとしてしまう人は、ワーカーホリックに陥らないよう気を付けてください。仕事に多くの時間を使いたいと考えるあまり、早朝出勤や自主的な残業が多くなってはいませんか。これにより慢性的な睡眠不足に陥ってしまう人がいます。また、仕事を中断せずデスクで食事をしていたり、休憩時間にも仕事をしていたりする場合は要注意です。食事や休憩の時間にも仕事をしていないと不安である場合は、中毒症状である可能性があります。
②仕事以外に熱中できることがない人
趣味や打ち込めるものがない人は、休みの日に特にすることがなく、持て余す時間を仕事で埋めようとしてしまいます。成果が目に見えてわからない趣味や娯楽に費やす時間やお金がもったいないと感じ、仕事をしている方が良いという考え方はワーカーホリックの人に多いです。
③家族や友人との時間をおろそかにしがちな人
仕事に時間を割いてしまい、プライベートの時間がおろそかになってはいませんか?家族や友人との約束を破ってしまったり、誘いを断ってしまうなど交友関係が希薄になっている人も、ワーカーホリックになりやすいので当てはまる人は注意してみましょう。
④スマホに業務連絡が来ていないか常に見てしまう人
スマホから社内メールを見られる設定にし、終業後でも連絡できるようにしている人も多くいる昨今。その習慣から、家に帰っても仕事のメールが来ていないかチェックしてしまっている人も多いのではないでしょうか。食事中、睡眠前などメールを確認しなくては気が済まなくないと感じていたり、オフラインの状況を嫌い、常に人と連絡がとれる状態を維持しようとしたりしている人は要注意です。プライベートとのオンオフがつけられず、 仕事をしている意識もないまま時間を使ってしまっていることがあります。
⑤職場での評価や立場を過度に気にしてしまう人
だれでも少なからず、「自分を必要としてほしい」「頼ってほしい」という思いを持ち、評価されることに喜びを感じるものです。しかし、それがエスカレートすると、次第に「出世したい」「今よりももっと上を目指したい」などの欲求が高まり、仕事中毒になってしまう恐れがあります。一見、目標意識が高く向上心があるように見えますが、評価を気にするあまり、強迫観念が生まれ、常に仕事のことを考えてしまう状態になることも。評価制度に準じるあまり、仕事を成果でしか見れなくなり、正常な判断ができなくなってしまう場合があります。
在宅勤務者がワーカーホリックにならないための予防策
ここでは、ワーカーホリックにならないための予防策をお伝えします。早めの対策を行って、ワーカーホリックの悪化を防ぎましょう。
食事と睡眠を十分とる
まずは、食事や睡眠といった生活習慣から見直しが必要です。特に在宅ワーカーは仕事とプライベートが密接になりがち。食事中はスマホを見えないところに置き、食事だけに集中できる環境作りをするのがおすすめです。睡眠は、成人が必要だと言われている6〜8時間は必ず確保するようにしましょう。
新しいことに挑戦する
視野を広げて、新しく挑戦できることを探してみましょう。新しい趣味や熱中できることを見つけるとストレス解消になり、プライベートとのオンオフを区切りやすくなります。なるべく仕事と関係のない事柄が好ましいです。
交友関係を大切にする
一人でいるとどうしても仕事のことを考えてしまう場合は、人と会う予定を作ってみましょう。友人や家族に話を聞いてもらうことで、気分転換やリラックスになりますよ。特に在宅ワーカーであれば、家族との時間が作りやすいので、在宅であるメリットを活用してみてください。仕事のことを忘れて楽しい時間を作れるよう、自分で努力していくことが大切です。自分を冷静に見つめなおす良い機会にもなります。
異動・転職を視野に入れる
転職や異動など、職場の環境を変えてみるのも効果的です。疲れている時ではなく、休日や朝などに自分とじっくり向き合ってみましょう。自分一人で決められない場合は、社外の人に相談するのもおすすめです。状況を知っている家族や友人、転職相談所などの専門家に相談すると良いでしょう。客観的な立場からアドバイスしてもらうことで、新たな気づきが得られることもあります。
自分の働き方を見つめ直してワーカーホリックの対策をしよう
ワーカーホリックの症状や、なりやすい人の特徴を知っておけば、適切な対策によって悪化を防ぐことができます。仕事に熱中できるのはとても素敵なことですが、「仕事好き」が「仕事中毒」にならないよう、注意が必要です。オンとオフの切り替えをして、上手に仕事と向き合っていきましょう。