エアコン使用時に換気が必要な理由
窓を締め切ってエアコンを使用していると、部屋に空気がこもってしまいます。まずは、換気が必要な理由について詳しく見ていきましょう。
部屋の有害物質を排出するため
換気が必要な理由としてまず挙げられるのが、部屋の中の花粉・細菌・ウイルス・カビ・ハウスダストなどの有害物質や汚染物質を、部屋の外に出したり薄めたりするため。湿度や温度が高くなると、ダニやカビなどのハウスダストが増加してしまい、シックハウス症候群を発症する可能性があります。
シックハウス症候群の症状では、めまい・吐き気・頭痛・鼻炎・皮膚障害・呼吸困難などが見られます。マンションなどの機密性が高い住宅は、空気の入れ替えをしないと部屋の中の汚染された空気が外に出にくいので、定期的な換気が必要です。
換気機能が付いていない/十分ではないエアコンが多いため
ほとんどのエアコンには換気機能が付いていないため、使用時には空気の入れ替えが必要です。エアコン本来の機能は空気の温度を管理すること。一般的なエアコンは、部屋の空気を取り込んで部屋に戻す仕組みなので、外の空気を取り込まず換気できません。
なかには換気する機能が付いたエアコンもありますが、外気を取り入れる吸気口が小さく機能が十分ではない可能性があります。その場合も自分で空気を入れ替えることが必要です。
正しく効率的に換気するポイント
正しく効率的に空気を入れ替えるために、空気の通り道や換気のタイミング・時間を考慮しましょう。ここでは、効率的に換気するポイントを解説します。
空気の流れを作る
換気する際にまず考慮したいのが、空気の流れや風の通り道を作ること。窓の有無や数など住宅環境によって方法が異なるので、自分の家に合った方法を選びましょう。換気扇やサーキュレーターなどを併用して、空気の流れを作るのもおすすめです。
1時間に2回を目途に換気する
正しく効率的に空気を入れ替えるには、こまめな換気も大事です。1回あたり5分程度の換気を1時間に2回、少なくとも2時間に1回は行います。もしその頻度で換気できなくても、1回あたりの時間を伸ばさないようにしてください。換気時間を伸ばすと部屋の温度がキープできず、エアコンに負荷がかかってしまいます。
なお、冬場の換気は短い時間で十分です。冬場は部屋の中と外の温度差が大きい季節。暖かい空気は冷たいところに逃げようとするため、窓を開ける時間が短くても部屋の空気が外に出やすく、スムーズに空気を入れ替えられるでしょう。
【窓の数別】エアコン使用時の換気方法
窓の有無や数の違いによってエアコン使用時の換気方法は異なります。部屋の環境に合わせた方法を選んでくださいね。
【窓が2つ以上ある部屋】窓を対角線上に開けて換気する
部屋に窓が複数ある場合は、対角線上にある窓を2つ開けてください。窓と窓の直線距離が長い窓同士を選ぶと、空気の通り道ができます。もしも窓同士の距離が短いと、狭い範囲での換気になってしまうため非効率です。また、開ける窓が1つだと、空気が流れず部屋の中に滞留してしまいます。
風が入りにくい時は、空気を入れる側の窓を小さめに、出す側の窓を大きく開けましょう。風や空気は小さめの入口から勢いよく入り、大きい出口から出る性質を活かすのがポイントです。
【窓が1つある部屋】窓を開けた方向に風を送って換気する
部屋に窓が1つしかない場合は、扇風機やサーキュレーターなどの送風機を活用しましょう。部屋の入口のドアと窓を開け、窓の方向に向かって送風機を設置します。外の空気を取り込むのではなく、窓側に風が流れるように通り道を作って空気を逃がすのがポイントです。
なお、送風機は部屋の入口の方向に向けないように注意してください。入口の方向に向けてしまうと、窓から外の空気は部屋に入るものの、部屋の汚れた空気が外に出ず室内に滞留してしまい、効率的に換気できません。
【窓がない部屋】他の部屋からの空気の流れを利用して換気する
換気したい部屋に窓がない場合は、他の部屋の窓・ドアを開けて空気の流れを作りましょう。その際、換気扇やサーキュレーターを併用すると、より効率的に空気の入れ替えができます。
まずは、換気したい部屋のドアを開けてください。扇風機やサーキュレーターを入口のドアに向けて置くと、部屋の外に空気が流れます。次に、他の部屋の窓やドアを開けて、それぞれの部屋からの風が換気扇に送られるように風の流れを作ります。
この時に使用する換気扇は、トイレ・お風呂場・キッチンのどこでも構いませんが、特にキッチンがおすすめ。排気量が大きいので、空気の入れ替えが効率よくできます。なお、キッチンの換気扇を使う時は、キッチンから遠いところにある窓を開けると換気されやすいですよ。
【季節別】エアコン使用時の換気方法
次に、季節に応じたエアコン使用時の最適な換気方法を解説します。夏も冬も、エアコンに負荷をかけないように換気するのがコツです。
【夏場】エアコンの設定温度を少し高めにして換気する
夏場は、エアコンの設定温度を上げてから換気するのがおすすめです。こうすることで、部屋と外の温度差が少なくなるため消費電力を抑えられます。また、エアコンからある程度離れたところにある窓を開けて換気するのもポイント。エアコン近くの窓を開けると、窓から入る暑い空気をエアコンが吸い、負荷がかかるだけでなく吹き出し口が結露する原因にもなるので注意が必要です。
しばらくの時間家を空けた場合、まずは帰宅後に窓を開けて空気を入れ替え、それからエアコンをつけてください。最初に窓を開けることで部屋に溜まった暑い空気を外に逃がせるため、部屋の空気を効率的に冷やせます。
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【冬場】あらかじめ部屋を暖めてから換気する
冬場は、エアコンをつけてあらかじめ部屋を暖めてから換気します。そうすれば、窓を開けても部屋の温度を保ちやすいです。また、冬場も夏場と同様にエアコンからある程度遠くにある窓を開けてください。エアコン近くの空気が冷えてしまい、その空気を暖めようとエアコンに負荷がかかるためです。冬場の換気は結露やカビを抑制する効果もあるので積極的に行いましょう。
換気する際に意識したい2つの注意点
最後に、換気する際に意識すると良い注意点を2つ紹介します。換気する際は、体調や電気代のことも併せて考慮しましょう。
熱中症に気を付ける
夏場の換気では設定温度を上げてから窓を開けるため、部屋の温度が高くなるデメリットがあります。それにより懸念されるのが熱中症の危険です。もし換気をしている時に暑さを感じたら、熱中症予防のために設定温度を少し下げるなど注意しましょう。
エアコンをつけたまま換気する
換気の際は、基本的にエアコンはつけっぱなしで構いません。電気代はエアコンの起動時に多くかかるため、こまめにつけたり消したりするよりも、つけたままにしておいた方が節電につながります。実際、ダイキン株式会社の調査(※)では、エアコンを切って換気した場合とつけっぱなしで換気した場合とでは、つけっぱなしにしていた方が電気代を抑えられたことが分かっています。
エアコンを使用しながらの換気で、部屋に新鮮な空気を取り込もう
換気は、エアコンを使っている時でも必要です。部屋の構造や季節などによって換気方法が異なるため、自分の部屋や季節に合わせたやり方を試してみてください。適切に換気すれば、効率的に部屋の空気が入れ替わります。定期的に換気して、部屋を心地よく過ごせる快適な空間にしましょう。
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