部署により勤務形態が異なると、テレワークが一部の人に与えられた特別な権利で「ずるい」と感じる社員が増えてしまうケースも。マネジメントが難しいと感じているマネージャーも多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、在宅勤務による社内の不意公平感の原因や、解消するための方法をご紹介します。
出社勤務の人が「在宅勤務はずるい」と感じがちな主な理由
たとえばメールの返信が余りにも遅いときや、オンラインミーティングでは常にカメラオフで会議をちゃんと聞いているか怪しいときに不公平感を抱きがちです。
対面で会う機会が減る在宅勤務では、仕事をきちんとやっているアピールも必要です
・仕事に注力していることをアピールまたは可視化し、周囲を安心させる責任
・インターネット環境やPCカメラをオンにできるよう、仕事環境を整える責任
出社勤務の社員がテレワーク勤務の社員に不満を持っているとき、「テレワーク勤務の社員が実際に責任を果たしていない」もしくは、「責任を果たしていることが出社勤務の社員に伝わっていない」のどちらかが理由である場合が多いのです。
在宅勤務は「やる気が下がる」傾向もやや強い | 週4~5日の人のモチベーション管理は課題
産業医科大学の調査によると、在宅勤務の頻度が「週2~3日、週1日、月1日」といった中頻度および低頻度の社員は、仕事へのやる気・熱意が高いという結果でした。一方で、在宅勤務の頻度が週4~5日と高頻度の社員は、やる気が相対的に高くない傾向がみられました。
こういった調査結果や、働く人の体感としても「ずっと家にいるとだらけてしまう」という経験則があるからこそ、テレワーク勤務の社員が本当に働いているのかという疑念が広がりやすいのでしょう。
参考:産業医科大学研究グループ
「3万人を対象とした「コロナの健康影響調査」で分かったこと!」より
テレワークのモチベーション低下は「チーム力」に課題がある
株式会社リクルートキャリアの調査によると、テレワークの実施前後では、「働くモチベーションが低い」と回答した割合が8.4pt増加。テレワーク実施に伴い「チームの仕事が減った」という人に限ると「働くモチベーションが低い」は14.5pt増加したそうです。
テレワーク実施後の方が全体的に働くモチベーションが低下していますが、チームの仕事が減った人に限ると特に低下した人の割合が増加していることがわかります。(引用元:株式会社リクルートキャリア「新型コロナウイルス禍における働く個人の意識調査」より)
この調査から見えてきたのは、テレワーク下において仕事の全体像や重要性の把握がしにくいこと。また、上司や同僚からのフィードバックの欠如により、双方向の情報のやり取りが激減したことによりモチベーションの低下が引き起こされているという現状でした。
出社/在宅の「社内の不公平感」を解消するには何をしたらいい?
「仕事の全体像」を出社/在宅勤務を問わずにメンバーが把握できる環境づくりが重要
この不安の背景には「ストレス」もあります。
職場のストレス研究の第一人者である心理学者カラセック氏が提唱した「要求度-コントロールモデル(Karasek's Demand-Control model ,1979)」によると、仕事の要求度が高く、仕事の裁量が低いときに最もストレスが高くなるそうです。
仕事の要求度が高くても、裁量も高くなれば能動的に仕事をする職場として機能します
つまり、チームのメンバーが仕事の全体像を理解できるようなシステムを構築し、メンバーに明確な仕事の裁量を与えることが、ストレスマネジメントの観点から重要に。
テレワーク勤務と出社勤務の社員が混在する中、仕事の全体像を把握し、お互いの進捗状況の理解や意思疎通のためには、気軽に利用できるコミュニケーションツールの導入が重要になってきます。
目的に応じた社内コミュニケーションツールを導入する
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まとめ
「直接会っていない人をマネジメントするのは難しい」と感じることもあるでしょうが、ご紹介したコミュニケーションツールなどを使い、意思疎通や情報共有に務め、新たなマネジメントスキルを磨くことが、社内の不公平感の解消にも会社の利益のためにも重要となるでしょう。