たとえば「就業規則が厳しすぎる企業」「テレワーク禁止の企業」などで働いていると、「自由な仕事」に憧れるもの。しかし、「自由な仕事」と一言で言っても、実際どのような仕事か具体的な想像ができない方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は「働き方改革」を推進し、従業員の働きやすさを重視する「コクヨ」及び当メディア「在宅百貨」の目線で「自由な仕事」を紐解いていきます。
そこで今回は「働き方改革」を推進し、従業員の働きやすさを重視する「コクヨ」及び当メディア「在宅百貨」の目線で「自由な仕事」を紐解いていきます。
「自由な仕事」の条件ってどのようなもの?
ただ単に「自由な働き方」というと、実は定義が曖昧。より具体的に紐解くと「自由な仕事」の条件は、労働時間、働く場所、働く上での裁量権、髪型・服装の自由度の4つに分類できます。
働く「時間帯」や「労働時間の長さ」が自由
自由な仕事の一つの特徴は、働く時間帯や労働時間が自由に決められること。例えば、朝型の人は、早朝から仕事を始めて夕方に業務終了。逆に、夜型の人は、昼過ぎから仕事を始めて深夜まで働くといった形です。
また、一日の労働時間も自分のペースに合わせて調整可能。例えば、一気に8時間働くのではなく、2時間ずつ4回に分けて働くこともできます。このように、自由な仕事では、自分の体調やライフスタイルに合わせて、効率的に仕事を進められます。
また、一日の労働時間も自分のペースに合わせて調整可能。例えば、一気に8時間働くのではなく、2時間ずつ4回に分けて働くこともできます。このように、自由な仕事では、自分の体調やライフスタイルに合わせて、効率的に仕事を進められます。
働く「場所」が自由:コワーキングスペース利用やワーケーションなど
働く場所が自由に決められるというのも自由な仕事の条件のひとつ。会社という場所に縛られず、その時の状況や気分で自宅やコワーキングスペース、カフェなどの使い分けが可能です。
また、旅先などで仕事をするワーケーションも自由な働き方のひとつ。仕事と休暇を両立させることで仕事のストレスを解消できることや、新しい刺激やインスピレーションを得られます。
また、旅先などで仕事をするワーケーションも自由な働き方のひとつ。仕事と休暇を両立させることで仕事のストレスを解消できることや、新しい刺激やインスピレーションを得られます。
働くうえでの「裁量権」が大きい
働くうえでの裁量権が大きいということは、仕事のやり方や進め方が自由であるということ。これも「自由な仕事」に繋がります。上司などから仕事のやり方を細かく指示されるのではなく、内容や方法、進め方、スケジュールなどを自分で決めてコントロールすることで、自分の能力や責任感に応じて仕事を自己管理できます。
服装・髪型が自由
服装や髪型が自由に決められることは、「自由な仕事」の最大の特徴のひとつ。スーツや制服などの規定がなく、自分の好きな服やアクセサリーを着用できるということは非常に自由度が高いと言えるでしょう。好きなメイクや髪型を楽しめることは、仕事へのストレスを減らすことにも繋がります。
働く「時間」「場所」が自由な仕事3選
実際に働く「時間」や「場所」が自由な仕事を3つご紹介します。
システムエンジニア
システムエンジニアは高い技術力や専門性が求められる一方、高スペックなパソコンがあればリモートワークは可能。レバテックキャリアが2022年3月に公開した「ITエンジニアのリモートワーク事情調査」によると、社会人エンジニアのうち、リモートワークをしている人は全体の74%という結果でした。
リモートワーク前提で採用を行っている企業も少なくなく、IT業界の社員の中でももっとも自由な働き方ができる職業のひとつといえるでしょう。
リモートワーク前提で採用を行っている企業も少なくなく、IT業界の社員の中でももっとも自由な働き方ができる職業のひとつといえるでしょう。
ライター、編集者
ライターや編集者も、パソコンとネット環境があればどこでも仕事をすることが可能。基本的には期日までに納品をすればいつ、どこで、どのように仕事をしているかは問われません。専門性の高い分野の記事を書けたり、語学に長けている場合、希少性の高い人材として評価されやすいでしょう。
イラストレーター
イラストレーターもペン・タブレット、ネット環境があれば基本的にどこでも仕事ができる職業。PCのある自宅で作業する場合も多い一方、ペンタブだけ持ってコワーキングスペースなどで仕事をすることも可能です。
働く時間の融通が効きやすい仕事3選
「働く時間の融通を効かせやすい」という意味で、自由度が高い仕事を3つご紹介します。
デリバリー
Uber Eatsなどのデリバリー業は、自分の働きたい時間に働くことができ、非常に自由度が高いです。
しかし、配達に使用する自転車やバイクは基本的に自分で用意する必要があります。また、デリバリー需要の高い時間帯が限られるため、自分の空いている時間と需要が一致しない場合、稼ぎにくいという一面もまたあるでしょう。
しかし、配達に使用する自転車やバイクは基本的に自分で用意する必要があります。また、デリバリー需要の高い時間帯が限られるため、自分の空いている時間と需要が一致しない場合、稼ぎにくいという一面もまたあるでしょう。
タクシー運転手
タクシー運転手も働く時間に縛られない職業です。日勤や隔日勤務といった勤務形態を選ぶことが可能で、勤務時も営業区域内ならば好きな場所を走ることが可能です。
コールセンター
コールセンターは24時間稼働している場所も多く、その場合、従業員はシフト制で働いています。例えば夜型ならば夕方~朝までの時間帯にシフトに入ることで、自分に合った働き方が可能になります。
働くうえでの「裁量権」が大きい仕事4選
働くうえで「裁量権が大きい」という意味で、自由度が高い仕事を4つご紹介します。
コンサルタント
コンサルタントとは、企業や組織の課題や問題を分析し、解決策や改善策を提案する仕事。責任も大きい一方、これまでの経験や専門知識など、スキルを活かして仕事を行うため、裁量権はおのずと大きくなります。
営業職
営業職と一口に言ってもさまざまありますが、基本的には自分の営業スタイルや戦略を考えて、顧客との交渉や契約を行うのが仕事。そのため、上司から仕事の方針を細かく指示されるよりも、自分で考えて行動する機会の方が多いでしょう。
マーケター
マーケターもコンサルタントと同じく、仕事を行う上で「自身のマーケティングスキル」が大きな役割を担うため、裁量権が大きい仕事のひとつ。
たとえばWebマーケターであれば「SEO対策」「リスティング広告」「SNS広告」などのスキル、店舗集客などオフライン集客に強みを持つマーケターであれば「クーポン」「ポイント」などを活用したマーケティングの立案~実行力なども求められるでしょう。
たとえばWebマーケターであれば「SEO対策」「リスティング広告」「SNS広告」などのスキル、店舗集客などオフライン集客に強みを持つマーケターであれば「クーポン」「ポイント」などを活用したマーケティングの立案~実行力なども求められるでしょう。
士業
士業とは、法律や会計などの専門知識を持ち、国家資格を取得した仕事。たとえば弁護士や司法書士、税理士や公認会計士などです。
弁護士や司法書士などは個人で事務所を立ち上げて仕事をする人も少なくなく、専門性や信頼性を活かした業務を行うため、仕事の裁量が非常に大きい職業といえます。
弁護士や司法書士などは個人で事務所を立ち上げて仕事をする人も少なくなく、専門性や信頼性を活かした業務を行うため、仕事の裁量が非常に大きい職業といえます。
服装・髪型が自由な仕事3選
服装や髪型が自由に決められる仕事を3つご紹介します。
アパレルスタッフ
多くの場合、アパレルスタッフの業務中の服装は私服。スタッフ自身がおしゃれである必要があるため、自身が働いているブランドの服を割引で購入できることが多いのも特徴。また、髪型も自由度が高い場合が多いです。自分のファッションセンスやコーディネートを発揮できる仕事ともいえます。
美容師
美容師は清潔感があれば基本的に服装や髪型が自由。むしろ来店客にとって魅力的に映る必要があるため、おしゃれさが重視されます。
フォトグラファー
フォトグラファーは多くの場合フリーランスで、服装や髪型に縛られる必要はありません。清潔感に欠けているとクライアントに悪い印象を与える恐れがありますが、必要以上におしゃれである必要もありません。
「自由な仕事」は本当に「自由度が高い」の?
ここまで「自由な仕事」の条件や例を紹介しましたが、そもそも「自由な仕事」は本当に「自由度が高い」のでしょうか?
実は「自由な仕事」にも、様々な形で自由度を制限する要因があります。ここでは「自由な仕事」の自由度に影響する要因を、正社員とフリーランスの場合に分けて考えてみましょう。
実は「自由な仕事」にも、様々な形で自由度を制限する要因があります。ここでは「自由な仕事」の自由度に影響する要因を、正社員とフリーランスの場合に分けて考えてみましょう。
【正社員の場合】場所や時間帯は自由でも「監視」が生じることがある
正社員の場合、たとえば在宅勤務やフレックスタイム制を導入している会社でも、勤務時間や業務内容を記録したり、定期的に報告する必要がある場合があります。
特にコロナ禍で急速に増えた在宅勤務やテレワークで社員のサボリを見抜くため、操作ログを確認するツールなどが普及しました。
詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてください。
特にコロナ禍で急速に増えた在宅勤務やテレワークで社員のサボリを見抜くため、操作ログを確認するツールなどが普及しました。
詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてください。
【完全ガイド】テレワークでの社員のサボりはどう見抜く?サボりの実態や生産性の高め方 -
テレワークは新型コロナウイルスの影響で急速に普及しましたが、管理者としては社員の働きぶりが見えにくくなり、サボりが発生していないか不安になることもあるでしょう。では、テレワークでのサボりはどうやって見抜くことができるのでしょうか?この記事では、テレワークでのサボりの実態や原因、見抜く方法、防止する方法、生産性を高める方法などを詳しく解説します。
【正社員の場合】自由度の高さの反面「KPI」は厳格なケースも
働く場所や時間帯は自由でも「数字」までも自由とは限りません。働き方の自由度を高める代わりに、KPIの管理を厳格化し「目標必達」を強烈に掲げる企業も中には存在します。
出勤・退勤などの自由度が高くとも、実際には「朝◎時~夜◎時くらいまで仕事をしなくては処理できない業務量がある」というケースもあるため、自由な仕事が「家で優雅にテレワーク」といったイメージとは乖離していることも有ります。
出勤・退勤などの自由度が高くとも、実際には「朝◎時~夜◎時くらいまで仕事をしなくては処理できない業務量がある」というケースもあるため、自由な仕事が「家で優雅にテレワーク」といったイメージとは乖離していることも有ります。
【フリーランスの場合】全ては「自己責任」
フリーランスの場合、働く場所や時間、内容、服装まで基本的に自由ですが、その代わりに全ては「自己責任」になります。例えば、仕事の依頼や契約、納品や請求などのやりとりは自分で行わなければなりません。さらに、仕事のトラブルやクレームなどに対処するのも自分。このように、フリーランスとして「自由な仕事」をする場合、自分のリスクや負担が大きくなることがあります。
【企業担当者向け】社員の働き方、仕事の進め方の自由度を高めるには?
「自由な仕事」は個人だけでなく、企業にとっても有益な働き方です。
たとえば「自由な仕事」は一人一人のモチベーションやパフォーマンスを向上させたり、創造性や革新性を促進させたり、社員のワークライフバランスを高める効果が期待できます。
しかし「自由な仕事」を実現するには、企業側も社員の働き方や仕事の進め方の自由度を高める工夫が必要。
ここでは企業担当者向けに「社員の働き方の自由度を高めるために、事前に考えておくべきこと」を3つ紹介します。
たとえば「自由な仕事」は一人一人のモチベーションやパフォーマンスを向上させたり、創造性や革新性を促進させたり、社員のワークライフバランスを高める効果が期待できます。
しかし「自由な仕事」を実現するには、企業側も社員の働き方や仕事の進め方の自由度を高める工夫が必要。
ここでは企業担当者向けに「社員の働き方の自由度を高めるために、事前に考えておくべきこと」を3つ紹介します。
【1】場所・時間の制約を緩められないか?
社員の働き方や仕事の進め方の自由度を高める方法の一つは、場所や時間の制約を緩めること。例えば、在宅勤務やリモートワークを認めたり、フレックスタイム制や裁量労働制を導入することです。このように、場所や時間の制約を緩めることで、社員は自分の体調やライフスタイルに合わせて、効率的に仕事を進めることが可能になります。
また、場所や時間の制約を緩め、社員が自分の好きな場所や時間に仕事ができるようになると、社員の満足度や幸福感を高めることにもつながります。
また、場所や時間の制約を緩め、社員が自分の好きな場所や時間に仕事ができるようになると、社員の満足度や幸福感を高めることにもつながります。
【2】マイクロマネジメントを取りやめることはできないか?
社員にとっての「働き方の自由度が低い」企業では、上司が部下に権限移譲をせず仕事の進め方などを事細かに指示し続けているケースが多いです。この場合、上司からすると「部下は指示通りに稼働しているか」の監視の必要性が生じ、最終的にはオフィスでなくては仕事ができなくなります。
こうした管理手法は、しばしば「マイクロマネジメント」とも呼ばれます。マイクロマネジメントを取りやめ、KPIを提示したうえで仕事の進め方は部下に一任するといったマネジメント手法に段階的に切り替えていくことも有効です。
こうした管理手法は、しばしば「マイクロマネジメント」とも呼ばれます。マイクロマネジメントを取りやめ、KPIを提示したうえで仕事の進め方は部下に一任するといったマネジメント手法に段階的に切り替えていくことも有効です。
【3】ハイブリッドワークを取り入れられないか?
ハイブリットワークとは、オフィスワークとリモートワークを取り入れた働き方。社員からテレワークを望む声があり、マネージャー層からは出社のニーズが大きいならば「その両方の良いところを取り入れた働き方」として有効です。
オフィスワークでは他の社員とのコミュニケーションを取ることができ、リモートワークでは自分の仕事に集中したり、プライベートの時間を確保することができます。
また、企業にとっては、オフィスのコストやリスクを削減したり、社員の満足度や生産性を向上させたりすることが可能になります。
また、企業にとっては、オフィスのコストやリスクを削減したり、社員の満足度や生産性を向上させたりすることが可能になります。
ハイブリッドワークの理想的な実施状況は、インプットが必要な際や集中して作業をしたい際はテレワーク、コミュニケーションが必要な時はオフィスに出社といったように、集中する(テレワーク)→コミュニケーションをする(出社)→また集中をする(テレワーク)といったサイクルを回していくのが理想形でしょう。
ハイブリットワークについては、以下の記事で解説しているので参考にしてください。
ハイブリットワークについては、以下の記事で解説しているので参考にしてください。
ハイブリッドワークとテレワークの違いは?メリットと普及率や実際の出社率、課題 -
テレワークは、完全に自宅で仕事をする働き方。一方、ハイブリッドワークは、オフィスに出社する日と自宅で仕事をする日を組み合わせて働くことを指します。この記事では双方の働き方の違いや課題について解説します。
まとめ
マネジメントにおいては「社員が働き方に自由さを感じられるか」は1つのポイントです。仕事に自由度が感じられれば、社員のモチベーションが上がり、アウトプットのクオリティが高くなることが期待できます。
社員に対して「自由度」を担保するには、具体的に「仕事の自由度とは何か」を紐解く必要もあります。
たとえば「労働時間や働く場所の自由度が大事なのか」「裁量権が大事なのか」などは定義しましょう。「自由の定義」によって、その働き方に適した職種というものも存在します。本記事で、自由の定義ごとに言及した職種での働き方や長所などもぜひ参考にしてください。
また自由な働き方は、時に成果が見えにくくなったりすることもあります。KPIをしっかりと設定し、自由度と成果を両立するようにしましょう。
社員に対して「自由度」を担保するには、具体的に「仕事の自由度とは何か」を紐解く必要もあります。
たとえば「労働時間や働く場所の自由度が大事なのか」「裁量権が大事なのか」などは定義しましょう。「自由の定義」によって、その働き方に適した職種というものも存在します。本記事で、自由の定義ごとに言及した職種での働き方や長所などもぜひ参考にしてください。
また自由な働き方は、時に成果が見えにくくなったりすることもあります。KPIをしっかりと設定し、自由度と成果を両立するようにしましょう。