マインドマップとは?書き方を知る前の基礎知識
まずは、マインドマップの概要や目的、得られる効果を確認していきましょう。
マインドマップの概要
マインドマップとは、主題を用紙の中央に置き、主題に関連して想起した言葉や絵を放射状に分岐させ、枝を伸ばしていく展開図です。主に考えを整理したい時や、アイデアを生み出したい時などに用いられます。始まりは、1970年代に英国の教育者で作家のトニー・ブザン氏による発明で、今日では世界中で実践されています。
マインドマップを書く目的
関連ワードを連想したり、思い出したりしながら情報を整理していき、記憶力・理解力・発想力などを高めることが主な目的です。また、具体化されていないアイデアや複雑化した考えを書き出すことで、全体を俯瞰的に見られるようになるでしょう。さらにマインドマップは、他人の目にも分かりやすく、コミュニケーションを補助する目的としても利用できます。
マインドマップを書くことで得られる効果
先述した発想力・記憶力・理解力などの向上はマインドマップ作成の大きな効果でもあります。脳は構造上画像処理を得意としており、この部分が強化されると記憶力や理解力が高まるでしょう。活用できると、複雑な問題を理解しやすくなったり、行動を起こすための意思決定力も身についたりといった効果があると言われています。
マインドマップの書き方【確認編】
ここからはマインドマップを書く際のガイドラインやルールを説明します。ルールは12個あるので、しっかり事前にチェックしましょう。
マインドマップの書き方のガイドライン
用紙の中心に主題を書くことがマインドマップのスタートラインです。次に、主題から枝が伸びるように線を書き、1本の線につき関連するキーワードを1つ書きましょう。この線は「枝(ブランチ)」と呼ばれます。続いて、書いたキーワードからまたブランチを伸ばし、どんどん分岐させていくだけです。
大事なのは、キーワードが出切るまで書き続けること。出し切ったら、特に重要なキーワードを主題の近くに配置しなおしたり、すぐに実行できる事柄を末端に移動したりなど、並べ替えて整理していきます。
整理の作業は、全体を俯瞰することにつながります。各キーワードの関係性を考えることで、問題に向き合い必要な能力が高まるのです。
マインドマップを書く時のルール
マインドマップには、発案者であるブザン氏が定めた12のルールが存在します。
1.白紙を使う
2.紙は横長に置く
3.用紙の中心から書き出す
4.主題は絵にする
5.ブランチは曲線にする
6.1ブランチに対し1ワード
7.キーワードは文でなく単語で書く
8.キーワードを関連づける
9.キーワードに強調するものを作る
10.オリジナルのデザインで書く
11.創造的に書く
12.楽しみながら書く
2.紙は横長に置く
3.用紙の中心から書き出す
4.主題は絵にする
5.ブランチは曲線にする
6.1ブランチに対し1ワード
7.キーワードは文でなく単語で書く
8.キーワードを関連づける
9.キーワードに強調するものを作る
10.オリジナルのデザインで書く
11.創造的に書く
12.楽しみながら書く
初めてマインドマップを書く時、上記の12のルールをすべて意識するのは難しいかもしれません。特に大事なポイントについては次に解説します。
マインドマップの書き方【実践編】
ここからは前項で説明した12のルールのうち、特に重要な4つについてさらに詳しく解説します。このポイントを押さえておけば、マインドマップ作りがよりスムーズになるでしょう。
主題は絵にする
まずは用紙の中央に主題を書いてみましょう。主題はルールにあった通り、絵で表現するのがおすすめです。主題の絵は、「中心イメージ」「セントラルイメージ」などと呼ばれています。視覚的に捉えることで、次以降の連想を引き出しやすくする効果が期待できます。色鉛筆やカラーペンで図やイラストを描いてみる他、マインドマップの作成アプリで画像を挿入する方法もあるので、自分に合ったものを見つけてみてください。
キーワードは文ではなく単語で書く
メモ書きのように、詳細を文章で説明したくなる時もあるかもしれません。しかし、マインドマップは「1ブランチに対し1ワード」が原則です。文章で具体的に書いてしまうと、思考が狭められる恐れがあるため設けられたルールです。抽象度が高いワードほど連想できる種類が増え、新たなアイデアが生まれやすくなるかもしれません。
キーワードを強調したものを作る
放射状にブランチを書いていく際、メインとなるブランチは太くしておきます。太さに強弱があると、重要なものを視覚的に捉えやすくなるためです。強調する方法はブランチを太くする以外に、キーワードに囲みをつけたり、文字ではなくイラストにしたりするのもおすすめです。
創造的に書く
単語をブランチでつないでいけば、マインドマップらしい図はできます。加えて色を上手に使いこなすことが、より理解が深まるマインドマップを描けるポイント。特に主題から直接伸ばす最初のブランチは、それぞれ別の色で書くと良いでしょう。明確にグルーピングがされて視覚的に分かりやすくなるため、記憶力や想像力の向上につながると考えられています。
マインドマップの書き方【ワンポイント解説】
ここから解説するのは、マインドマップがより効果的になるワンポイントアドバイスです。これを踏まえればさらにマインドマップを作りやすくなるでしょう。
大きな用紙を使う
使う用紙は十分なスペースがとれる大きさにしましょう。書き込めるスペースが少ない紙だと、それに比例してイメージも縮小してしまう恐れがあります。マインドマップは、イメージできるものすべてを書き切ることで、効果を最大限発揮します。大きな用紙だと、アイデアが広がりやすくなるかもしれません。
抽象的なキーワードから具体化する
初めのワードは抽象的なものにするよう意識しましょう。ブランチをなるべく多く長く伸ばすには、ざっくりとした抽象的なものから段々と細かく具体化していくほうが、スムーズにキーワードを増やせるのでおすすめです。
再考の時間を取る
初めには思いつかなかった事柄や関係性は後から記入しても問題ないので、スピーディーにブランチを伸ばすことを意識しましょう。その後ゆっくり時間をかけて再考したり、ブランチ同士の関係性を矢印でつなげたりすることで、さらに脳が活性化されるかもしれません。新しいアイデアやこれまで気づかなかったことを発見する可能性が増えるので、後からでもどんどん追加してみてください。
マインドマップ作成が効果的な分野の紹介
ここでは、マインドマップをどんなシーンで使えるのか、2つの例を紹介します。これ以外にも勉強やアイデア出し、本の内容理解など、マインドマップは多くのことに使えます。
自己分析のためのマインドマップ
自己分析にマインドマップが有効な理由は、価値観や自分のあり方や軸となるもの、行動原理などが見えるためです。なぜ自分がその行動を選択したか、行動原理を確認するのは自分を知ることにつながっていきます。ネガティブな部分も自分の要素の一つだと受け入れられ、俯瞰したものの見方ができるようになるでしょう。
仕事のためのマインドマップ
仕事のプロジェクトチームなど、複数人で一つのマインドマップを書くのもおすすめ。各々が自由に連想して描くため、個人で作成するよりバラエティーに富んだ多彩なマップができるはずです。それぞれが抱える潜在的な課題や問題点が可視化されて、より効率的に対策を講じられるでしょう。全員で進捗を共有するため、議事録としても機能し、情報やタスクの整理が容易になるのもメリットです。
マインドマップの書き方をマスターして活用しよう
マインドマップは頭の中にあることを万能に整理できます。ぼんやりした考えを整理すればすっきり頭の回転が速くなりそう。ぜひマインドマップの書き方をマスターして活用してみてくださいね。