三社大祭とは?
毎年7月31日から8月4日までの期間に開催される青森・八戸地方最大のお祭りです。
(写真提供:フォトグラファー,ライター,ラジオパーソナリティ mamo https://conanbu.com/)
この地域で祭られている「法霊山 龗(おがみ)神社・長者山新羅神社・神明宮」3社のお神輿と、27台の人形山車が八戸市内を巡行し、まちの安泰や豊作を祈願します。民話を題材とし趣向を競ってつくられる山車は豪華絢爛。2016年12月には、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」に登録されました。
この地域で祭られている「法霊山 龗(おがみ)神社・長者山新羅神社・神明宮」3社のお神輿と、27台の人形山車が八戸市内を巡行し、まちの安泰や豊作を祈願します。民話を題材とし趣向を競ってつくられる山車は豪華絢爛。2016年12月には、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」に登録されました。
着々と進む、お祭り準備に潜入!
27の地区ごとに山車が作られる中、今回は「鍛冶町附祭若者連」の現場を見学させていただきました。お祭り準備はだいたい4月ごろから3か月にわたって行われます。
完成まであと1か月に迫る、山車づくり
公園に向かうと、そこには現在着々と制作が進む大きな山車が!
すごい迫力!山車の装飾は、毎年民話や歌舞伎を題材に新しく作られ、地区ごとにその豪華さや趣向を競い合います。今回鍛冶町のテーマは源平屋島合戦の名場面「扇の的」。
実はこの山車には仕掛けがついていて、見せ場になると右図のように横に上に広がります。なんとその大きさは最大幅8m、高さ10m!人形や装飾がたくさんついているのにどんな風に動くのか…とっても気になるところです。
7/31の前夜祭では、展開した山車の姿が披露されるとのこと。とても楽しみです。
実はこの山車には仕掛けがついていて、見せ場になると右図のように横に上に広がります。なんとその大きさは最大幅8m、高さ10m!人形や装飾がたくさんついているのにどんな風に動くのか…とっても気になるところです。
7/31の前夜祭では、展開した山車の姿が披露されるとのこと。とても楽しみです。
お仕事終わりのみなさんが集まって、完成図を目指し作業を進めます。
毎年テーマが変わるのでパーツづくりはいちから。新聞紙、竹、発泡スチロールなどの身近な素材を駆使し、荒ぶる波や建物の装飾を表現します。
こちらは人形作り。物語に合わせて、登場人物のお顔だちや表情を作り込んでいきます。
お洋服は生地の買い付けから仕立てまで、本物さながら。2人がかりで着付けを行います。この甲冑もボール紙で作られているというから驚きです。
楽譜はなく口頭で受け継がれていく、お囃子(おはやし)
夕暮れ時には女性や子どもたちが集まり、お囃子練習がスタート。
伝統的なメロディーに合わせ、太鼓と笛の音が鳴り響きます。
伝統的なメロディーに合わせ、太鼓と笛の音が鳴り響きます。
このお囃子にはいわゆる楽譜はなく、口頭伝承といって、見てまねて受け継がれていきます。
今年初めてお囃子に参加する美朝(みのり)さん、先輩の後ろについて指の動きとメロディーを覚えます。
今年初めてお囃子に参加する美朝(みのり)さん、先輩の後ろについて指の動きとメロディーを覚えます。
気づけばあたりはすっかり真っ暗に。通し練習を重ね1時間ほどで終了しました。
コロナで変わったお祭りの捉え方・課題
2020年、大祭の起源となる龗神社神輿渡御祭が300年目を迎え、三神社合同例祭の八戸三社大祭としても135年目を迎えましたが、新型コロナウイルスの影響を受け大幅に規模を縮小。100年以上受け継がれてきた伝統が途絶える事態となりました。今年(2023年)は4年ぶりの通常開催ということで、街も活気を取り戻しています。
この地に来て感じたのは、三社大祭への誇りと思い入れの深さ。
お祭りの起源、歴史上の登場人物、ねぶたとの違い…みな当たり前のように知っていて、わかりやすく解説してくれます。
またお祭りの準備は子どもの頃から慣れ親しみ、人生を共にした存在であり、その熱意は「1年間ここに向けて体のコンディションを整える」というほど。それだけの思いで取り組んでいるからこそ、お祭りのないこの3年は大きな分かれ道だったそうです。お祭りに携わる皆さんに聞くと、お祭りを楽しみにしている反面、周囲の心離れを心配している方も多くいました。「祭りのない夏」をさみしく思う人、エンジョイする人、今まで当たり前に参加していた分、住民の中でも温度感に違いが出てきているそうです。
この地に来て感じたのは、三社大祭への誇りと思い入れの深さ。
お祭りの起源、歴史上の登場人物、ねぶたとの違い…みな当たり前のように知っていて、わかりやすく解説してくれます。
またお祭りの準備は子どもの頃から慣れ親しみ、人生を共にした存在であり、その熱意は「1年間ここに向けて体のコンディションを整える」というほど。それだけの思いで取り組んでいるからこそ、お祭りのないこの3年は大きな分かれ道だったそうです。お祭りに携わる皆さんに聞くと、お祭りを楽しみにしている反面、周囲の心離れを心配している方も多くいました。「祭りのない夏」をさみしく思う人、エンジョイする人、今まで当たり前に参加していた分、住民の中でも温度感に違いが出てきているそうです。
また八戸がもうひとつ抱えているのは「若者不足」。青森といえば「ねぶた祭り」が有名ですが、専門の職人がつくる青森のねぶたとは異なり、八戸「三社大祭」の山車は各町内にかかわる有志による手作り。新たな参加者が少ない今、物理的な労働力、伝統の継承という意味でも若者の存在は貴重となっています。
八戸三社大祭は例年100万人を超える観光客が集まる伝統的なお祭りです。華やかなイメージの一方、今回裏方のようすを見聞きしたことで、より少子高齢化や、伝統ある文化の存続という地域の課題を実感しました。
八戸三社大祭は例年100万人を超える観光客が集まる伝統的なお祭りです。華やかなイメージの一方、今回裏方のようすを見聞きしたことで、より少子高齢化や、伝統ある文化の存続という地域の課題を実感しました。
八戸三社大祭は7/31~8/4開催!
八戸三社大祭は2023年7月31日(月)~8月4日(金)の5日間開催されます。今回取材した「鍛冶町附祭若者連」の山車制作については自由に見学可能とのこと。
※見学対応については各組によって異なりますのでご注意ください。
※見学対応については各組によって異なりますのでご注意ください。
▼お問い合わせはこちらから
八戸三社大祭 鍛冶町附祭若者連(公式)
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