パラレルキャリアって何?意味や副業との違い
男性はもちろんのこと、結婚や出産を経験した女性がキャリアプランを立てていく上で活用することも多い、パラレルキャリア。まずは、パラレルキャリアとはどのようなものか解説します。
パラレルキャリアとは第二のキャリアを築くこと
パラレルキャリアとは、主な収入源となる本業を持ちながら、第二の経歴を築くことを指します。自営業や別の企業への就職のほか、ボランティアのような社会貢献など、収入を伴わない活動を行うのが特徴です。パラレルキャリアは一つの仕事を本業とせず、すべての活動や仕事に対して同等のパワーで取り組みます。
また、パラレルキャリアを行う主な目的はスキルアップやキャリアアップなど、本業だけでは得られない経験をすることです。
パラレルキャリアと副業は目的が異なる
副業とパラレルキャリアは、複数の職業を持つという意味では同じです。しかし副業は、時間や自分の築いたキャリアを切り売りし、収入を得ることが主な目的です。そのため、好きなことに時間を費やしたり、キャリアアップをしたりという目的は含まれません。
それに対し、パラレルキャリアは自分の好きなことや趣味などを、だれかの役に立つよう育てていく過程に価値があると考えられています。
パラレルキャリアが広まっている理由
近年、パラレルキャリアが広まっている理由には、ワークスタイルの変化が関係していると考えられます。例えば、働き方改革によって終身雇用や年功序列という考え方が主流ではなくなったこと、会社寿命が短くなったことなどが挙げられます。
また、企業の倒産やリストラなどのリスクを避けるために、社外での人脈作りやスキルアップを望む人が増えているのも理由の一つです。そのほか、パラレルキャリアを実践することでプロ意識やマネジメント能力が高まる点から、企業が推進しているケースもあります。
パラレルキャリアを通して得られる3つのメリット
パラレルキャリアには、本業だけでは得にくいさまざまなメリットがあります。また、パラレルキャリアでの経験やスキルの向上などは、本業にも活かせるでしょう。
①人脈が広がる
パラレルキャリアによって自身に新たな肩書きや社会的立場が加わることで、新しい人脈が広がりやすくなります。本業だけでは関わる人に限りがあるため、考え方が固定されてしまい、社内の常識にとらわれてしまうことも。
一方、パラレルキャリアで出会った人たちは、上下関係や利害関係がなく、同じモチベーションを持っています。仕事へのマインドを共有できたり、新しい考え方に触れられたりなど、新鮮な情報交換ができて世界が広がるでしょう。その結果、自分自身の成長につながり、本業にも良い影響を与えられます。
②経験やチャンスが増える
パラレルキャリアは、本業ではできない経験が積めます。趣味や夢など好きなことを仕事につなげる機会も増えるため、自分に合う仕事を見つけるきっかけになるでしょう。
また、自分自身が責任ある立場のため、さまざまなことにチャレンジできるのもパラレルキャリアのメリットです。もし失敗したとしても、その過程は経験として本業にも活かせます。
③さまざまなスキルが身につく
パラレルキャリアを通じて、さまざまなスキルが身につきます。例えば、本業とは異なるジャンルにチャレンジするなら、その分野の知識を習得できます。パラレルキャリアを機に個人事業主になるのであれば、売上や経費などの経理を覚えられ、人を雇う場合はマネジメントスキルが得られるでしょう。
また、パラレルキャリアは空き時間を活用するため、自然とタイムマネジメント能力も身につきます。タイムマネジメント能力はタスクの効率化や生産性のアップなど、本業でも活かせる可能性の高いスキルです。
パラレルキャリアを始めるための3ステップ
パラレルキャリアを始めるには、自分自身を分析し、活動内容を発信することが重要。きちんと向き合って活動していくと、きっとパラレルキャリアとして確立されるでしょう。ここからは、パラレルキャリアを始めるための3ステップを紹介します。
①やりたいことを探す
まずは、やりたいことや好きなことを探しましょう。パラレルキャリアはだれかに強制させられるものではなく、自分で取り組んでいくものです。そのため、継続しやすいように好きなことを選ぶのがおすすめ。もし、やりたいことや好きなことがない場合は、関心のある分野を試していく方法でも構いません。
例えば、ホームパーティーが好きでSNSにパーティの様子や使用アイテムの情報をアップしていた女性が、仕事の依頼を受けるようになった実例もあります。やりたいことや好きなことが、困っている人や世の中の役に立たないか分析してみましょう。
②自分の活動を発信し、依頼を受ける
パラレルキャリアを始めるにあたって、自分の活動を外にアピールすることは非常に重要です。例えば、SNSやブログで発信すると活動内容が認知され、交友関係が広がります。発信する際は、見た人の役に立つような情報を加えるのがポイント。写真が得意ならインスタグラム、文章で伝えたいならブログなど、さまざまなツールを活用すると良いでしょう。
ほかにも、クラウドソーシングで仕事を請け負う方法もあります。いきなりSNSやブログ、クラウドソーシングを利用するのが不安な場合は、友人や知人などを相手に始めてみてはいかがでしょうか。
③実績を積んでいく
実績を積んでいくと、個人や企業などからの依頼が増えます。最初は低価格で受注するかもしれませんが、実績を積んでいくと自分の持つスキルの価値がどれくらいか分かるようになるでしょう。実績を積んでいくには、提示した価格で満足してもらえるサービスを提供することが大切です。
パラレルキャリアを始める前に確認したい注意点
パラレルキャリアは企業によっては禁止されていたり、周りの理解を得られなかったりするケースがあります。途中で困らないためにも、事前に注意点を確認しておきましょう。ここでは、パラレルキャリアを始める前に知っておきたい注意点を解説します。
勤務先に確認する
パラレルキャリアへの取り組みを考えた際は、規則などの面で問題はないか本業の勤務先に確認しましょう。仮にOKだとしても、情報漏えいやセキュリティの面から同業他社での勤務を禁止している場合もあります。事前に申請が必要なケースもあるため、まずは上司や人事に相談しましょう。
本業に支障がないよう活動する
パラレルキャリアでは、本業のタスク管理に支障が出ないよう活動することも重要です。パラレルキャリアは本業の時間外に活動するため、心身ともに負担がかかります。本業の仕事が雑になってしまうと社内評価が下がったり、活動を制限されたりするかもしれません。本業が手一杯の場合は、少し様子を見るのも大事です。
また、スケジュールやタスクの管理をしっかり行うことも忘れないようにしましょう。セルフマネジメント(自己管理)については以下の記事をごらんください。
セルフマネジメントが在宅勤務で重要に?身につける方法を4つ紹介 -
「自己管理」を意味するセルフマネジメントは、社会人の必須スキル。働き方に変化が起こっていることで、セルフマネジメントに注目が集まっています。…
プライベートの時間を確保する
休息や趣味など、プライベートの時間を確保するのも大切です。本業の時間外に活動するパラレルキャリアの仕事量が増えてくると、休みがない状態になってしまいます。そうなると、ワークライフバランスが崩れたり、体調を崩したりするかもしれません。休んでいない状態で依頼された仕事をすべて引き受けるなど、無理をしないようにしましょう。
また、仕事を頑張る人はワーカーホリックにも注意が必要です。ワーカーホリックについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
在宅勤務者が注意したいワーカーホリックとは?なりやすい人の特徴や予防策も紹介
ワーカーホリックとは、私生活を顧みず仕事だけに時間や労力を注いでしまう、いわゆる仕事中毒の状態のこと。在宅勤務者は特に注意が必要とも言われています。…
周りの理解を得る
パラレルキャリアを始める前に、家族や身近な人へ将来のビジョンを伝えておきましょう。パラレルキャリアは自分の好きなことを始めるケースが多いため、周りの人からは遊んでいると誤解されがちです。実績を積み上げ、成果を見せると周りの人から理解されやすくなります。
新しいワークスタイル「パラレルキャリア」に挑戦してみよう
パラレルキャリアはライフスタイルや働き方、自分自身のスキルアップなど、さまざまなことに変化をもたらします。自分の好きなことから少しずつ始められるため、挑戦もしやすいでしょう。パラレルキャリアという新しいワークスタイルで、新たな生きがいや将来の財産を築いてはいかがでしょうか。