テレカンとは?
まずは、テレカンとは何かについて解説します。導入する前に、テレカンの概要や種類をしっかり把握しておきましょう。
ツールを活用した遠隔会議
テレカンとは、電話・テレビなどのツールを使って行う会議のことです。そもそもテレカンは、teleconferenceを略した言葉。Teleは「遠くの」を意味する英語で、teleconferenceを和訳すると遠隔会議となります。電話会議を連想されることが多いですが、一般的には遠隔会議全般を意味する言葉です。
種類は主に3つ
テレカンは大きく分けて、電話会議、テレビ会議、Web会議の3種類です。
種類 |
概要 |
電話会議 |
電話回線を使って行う、音声のみの会議 |
テレビ会議 |
専用機材を使って行う、音声・映像の両方をやり取りする会議 |
Web会議 |
インターネット回線を使って行う、映像の両方をやり取りする会議 |
次項では、3つの種類別に実施方法とメリット・デメリットを紹介します。
【テレカン・電話会議】実施方法とメリット・デメリット
まずは、電話会議の実施方法やメリット・デメリットを解説します。テレカンの中では、唯一音声だけでやり取りするツールです。
実施方法:手持ちの固定電話・スマホを使う
サービス会社に申し込んだ上で、手持ちの固定電話や携帯電話を使って行います。料金プランはサービス会社によってまちまち。基本料金に、利用時間に応じた通話料を加算したものが、一般的な利用料金です。
電話会議の始め方としては、以下の2つの方法があります。
会議方式 |
やり方 |
コールイン方式 |
・参加者が所定の番号に電話をする ・電話をかける際、PINを入力する
|
コールアウト方式 |
・主催者がすべての参加者を呼び出す ・主催者のみPINを入力する(他の参加者はPIN入力が不要)
|
メリット:特別な設備が不要で手軽に行える
既存の固定電話や携帯電話をそのまま利用できるため、新しい設備を用意せず手軽に行えることが多いです。そのため、初期投資が安く済みます。また、会議運営には特別な知識が要らず操作が非常に簡単。そして、音声も比較的安定しているので、スムーズに会議が進むでしょう。
デメリット:相手の表情・発言者が分からない
視覚情報がない音声のみの電話会議では、参加者の表情や振る舞いが分かりません。そのため、微妙なニュアンスが汲み取りづらい可能性があります。また、参加者が多い会議の場合は、誰が発言しているのか分らないことも。スムーズに会議を進めるためには、発言する前に自分の名前を名乗るなどの工夫をすると良いでしょう。
【テレカン・テレビ会議】実施方法とメリット・デメリット
次に、テレビ会議の実施方法やメリット・デメリットについて解説します。テレビ会議は、大人数が参加する会議などに適しているテレカン。導入する際の参考にしてください。
実施方法:専用のシステム・機材などを導入して行う
テレビ会議には専用の機材・システム・回線が必要です。必要機材をそろえ、会議を実施する各拠点にそれらを設置。そして、各拠点に参加者が集まって実施します。会議の際は、機材の操作が分かる人が各拠点にいる方がスムーズです。ただし、システムによっては遠隔操作できるものもあるので、必要に応じてそちらを活用するのも良いでしょう。
メリット:専用システムを使うため性能が高い
テレビ会議に使われるシステムは、遠隔会議専用のものなので高性能。カメラはパンやズームに対応しており、なかには自動で音声を追尾できるものもあります。リモコンやタッチパネルでの操作の簡単さ、画面構成の見やすさ・使いやすさも魅力です。さらに、使用する回線が安定しているので、画像や音声を綺麗に届けられます。
デメリット:初期費用の負担が大きい・汎用性が低い
テレビ会議を開催する際には、拠点ごとに専用機材を導入する必要があるため、初期費用がかかります。また、使用機材は、会議室に据え置くように設計されているものが多いです。それにより、設置にある程度のスペースを必要とする上、場所を移すことが難しい可能性があります。
また、社外の人との会議では、各拠点における専用機材などの設備を統一することが難しい場合があり、汎用性が低いです。その点、社内会議などであれば、設備の統一を比較的スムーズに行えるので、導入を検討しやすいでしょう。
【テレカン・Web会議】実施方法とメリット・デメリット
次に、Web会議の実施方法やメリット・デメリットについて解説します。インターネット回線を使って行うWeb会議は、誰でもどこでも参加しやすい手軽なテレカンです。
実施方法:専用のアプリ・ソフトを使って行う
PCやスマートフォンなどで、専用アプリ・ソフトをダウンロードし、アカウントを作成した上で行います。Web会議を開催する際は、主催者が参加者に招待URLを送付。参加者はそのURLをクリックすることで会議に参加できます。
メリット:費用をかけず手軽に使える
既存のPCやタブレット、スマートフォンで対応できる場合、初期費用がかからず手軽。インターネット環境さえあれば場所を選ばずすぐに使え、参加者の表情を見ながら会議ができます。また、画像や資料を画面共有できる機能が付帯されていることが多いため、参加人数分の資料を用意するなどの手間や費用を削減できるでしょう。
デメリット:動作・操作がうまくいかないことがある
会議中の動作や操作がうまくいかないことも。インターネット環境や使用端末の性能によっては、音声や画像の品質が低下する場合があります。よく起こるのは、突然映像が固まる・音声が切れるなどのトラブルです。
また、会議システムを使いこなすには、ある程度のITリテラシーが必要です。参加者の中には、資料共有などの操作が難しく感じる人もいるかもしれません。事前に接続テストを行う、前もって資料を共有するなど工夫してください。
テレカンを行う際の注意点
ここでは、テレカンを行う際の注意点について解説します。テレカンをスムーズに行うためにも、以下の注意点に気を付けて会議に臨みましょう。
環境整備・システム動作の確認を事前に行う
テレカンに必要な環境を整備し、動作確認を前もって行いましょう。使用ソフト・アプリのダウンロードや設定などを済ませる他、照明やイヤホンなどの、あると便利なグッズをそろえておきます。また、会議の遅れや中断を招かないための対策も必要。事前に、会議に最低限必要な機能を使えるようにするとともに、システムの接続・通信状況・動作の確認をしておいてください。
テーマ・資料を事前に共有する
会議前に、テーマや使用する資料を共有しましょう。参加者同士の認識のズレを防止するだけでなく、スムーズに会議へ参加できることにつながります。資料は紙ではなく、紛失などの心配がないデータで共有するのがおすすめです。
テレカン中のマナーを守る
テレカンでは対面会議とは違ったマナーがいくつかあるので、それらを守って会議に参加してください。
まずは自分が発言する時以外はミュートにすること。周囲の生活音や相槌などを拾わないようにできます。また背景やカメラに映り込むものによっては、他の参加者の気が散るだけでなく失礼にあたってしまう可能性もあります。会議前にはカメラチェックを行いましょう。
テレカンの環境整備に!おすすめツール&グッズ
最後に、テレカンの環境整備に役立つおすすめツール・グッズを紹介します。これらを活用して環境を整備すれば、快適にテレカンを行えるでしょう。
人と人とをつなぐ「コミュニケーションツール」
テレカンの中でも、特にWeb会議においてはコミュニケーションツールが必要です。ZoomやGoogle meetなどがよく使われるサービスで、開催日時の通知ができる予約機能や、背景を変更する機能などが付いています。また、在宅ワークではコミュニケーション不足に陥りやすいため、SlackやChatworkなどのチャットができるツールを使うのもおすすめです。なかには、チャット機能だけでなくビデオ通話などが可能なものもあります。
音声のやり取りを快適にする「ヘッドセット」
テレカンを行う際にあると便利なのが、スピーカーとマイクが一体型になったヘッドセットです。自分も相手も、よりクリアな音声が聞けてスムーズに意思疎通ができます。ワイヤレスタイプは行動が制限されない利点がある一方で、会話の途切れや遅延が発生することも。常に安定した音声のやり取りを希望する人は、有線タイプを使うと良いでしょう。
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画面に映る顔を綺麗に明るくできる「ドーナツ照明」
リングライトとも呼ばれるドーナツ照明は、顔を均等に照らすことで、顔色を綺麗に見せたり相手に明るい印象を与えたりできます。名前の通り、光る部分がドーナツ状の円型をしており、円の中心にデバイス機器を置いて使用。安定性のあるスタンドタイプや、机などに挟んで固定するクリップタイプがあるので、使いやすいものを選んでください。
テレカンの種類や特徴を踏まえて、在宅ワークの環境を準備しよう
テレカンは、在宅ワークの機会が増えた昨今には欠かせないものの一つです。導入する際には、種類ごとに異なる特徴やメリット・デメリット、注意点を踏まえておくことが重要です。ツールの導入と併せて便利なツール・グッズも取り入れ、快適&スムーズにテレカンを行いましょう。
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